子どもが生まれたら我慢ばっかり…じゃない!自分らしい選択で楽しい子育て~夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」#7
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるのコラム連載「ママ芸人日記」、第7回は産後の生活についてです。
我慢じゃない!自らの選択で楽しい子育て
出産する前は、産後の自分の生活がどのように変わっていくのか、うまく想像できていませんでした。
ただ何となく、出産前のように自由にどこかへ出掛けたりということができなくなり、子ども中心の生活になるため、いろいろと我慢をすることも増えるのだろうなと思っていました。
周りの子持ちの友人に会うと、みんな決まって「自分の時間がなくなるよ」「生活スタイル変わるよ」と口々に言っていたからです。
私の場合、元々引きこもり気質のため、外へ出たいという気持ちは我慢できると思っていたのですが、自分でも不安を感じていたことがあります。
それは、趣味の多い自分が、その趣味を全部捨ててまで子育てができるのかということです。
漫画、ゲーム、読書、映画鑑賞、とにかくたくさんの趣味があり、漫画の新刊は何でもチェックし、ゲームに関しては、しない人が聞いたらドン引きしてしまう程の連続プレイ時間を記録していたりと、将来子どもには知られたくない程のオタク気質なのです。
そのため、これまではひとりの時間がかなり必要なタイプでした。
結婚は、配偶者からの理解があればいくら趣味がたくさんあっても支障はないと思います。
ただ子育てではそうはいかないだろう。きっとたくさん我慢しなければならないだろうと思っていました。
そして出産後、私はやはり我慢をすることになりました。
しかし、その我慢は想像していた我慢とはまったく違う我慢でした。
たまには外でおいしいものを食べたい、ひとりの時間を作って思い切りゲームをしたい!という我慢などは一切なく、もっと子どもと一緒に過ごしたいけど、子どもの将来のためには仕事をしなければならない、そんな種類の我慢でした。
服装も抱っこやベビーカーを持ち上げることを想定した動きやすいものしか着なくなったり、毎日のごはんも味わうことなく大急ぎで食べたり、漫画を読むことよりも子どもに絵本を読んであげることに時間を費やしたり…。
それらは決して我慢ではなく、自分がそうしたくてそうなっていきました。
子どものことを第一に考えると、自然とそういう選択を自分でしていたのです。
そしてそれが、幸せな選択でもありました。
今思うと、子持ちの友人たちの「自分の時間がなくなる」という愚痴も、一部のろけだったのではないかと想像できます。
何故なら、みんな揃って笑顔だったからです。
子どもが1歳になり、今ではそんな気持ちが理解できます。
新生児期に比べると、日々いろんなことができるようになってきた息子。
いつか手がかからなくなり、夫婦だけで外食したり、私の趣味に費やす時間が増えたら、それはそれですごく寂しいことだと感じてしまうのです。
寝不足が続いて疲労困憊になると、余裕がなくなり自分の時間が欲しくなることもありました。そんな中、私が今、息子を第一に考える余裕を持てているのは旦那のおかげだと思っています。旦那は、私を「お母さん」としての役割で縛ることはしません。同じ「親」としての目線で共に子育てしているからこそ、息子第一で生活できているのだと思っています。
いつか終わってしまう手のかかるこの時期を、今はジーパン&スニーカー、早メシで楽しんでいきたいです。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。