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【医師監修】赤ちゃんの気になる「心の発達」を月齢別に医師に聞く

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楽しいことが大好きなご家族のます。
Choreograph/gettyimages

周囲の大人とのかかわりを通して、赤ちゃんの心は豊かに育っていきます。でも、「心の発達」は目で見えないから、赤ちゃんへの対応が間違っていないかと心配になりますね。帝京大学医学部附属溝口病院小児科の黒澤照喜先生が、そんな育児中のママ・パパの不安に答えてくれました。

赤ちゃんの気持ちを受け止め、おおらかに対応を

赤ちゃんは成長とともに喜怒哀楽がはっきりして、自分の意思を示すようになっていきます。赤ちゃんが何を求めているのかをよく観察し、おおらかな気持ちで対応することが大切です。

0~2カ月ごろの赤ちゃんの気になる心のこと Q&A

赤ちゃんは生まれてから少しずつ感情が表われるようになり、2カ月ごろになるとあやすと笑ったり、要求によって泣き方が違ったりするようになります。

Q
あやすとき、いつもスマホなどで動画を見せています。よくないでしょうか。


0~2カ月の赤ちゃんに、動画の刺激は強すぎます。それで泣きやむとしても、驚いて目が離せないだけです。まずは空腹ではないか、おむつが汚れていないか、体が熱くないかなどを確認し、原因を取り除いてあげることが大切です。それでも泣きやまないときは、抱っこや外気浴で気分転換をさせてあげましょう。

Q
常に笑顔で話しかけないと、赤ちゃんの発達に影響がありますか?

A
ママやパパがずう~っと笑顔でいるのは大変だと思うので、授乳するときやおむつを替えるときなどに、目を合わせて話しかけるだけで十分です。産後、ママは気分が落ち込みやすいもの。まずは自分の体を休めることを最優先しましょう。無理はしないでください。2カ月を過ぎて赤ちゃんが笑うようになると、笑顔を向ける余裕が出やすくなりますよ。

感情表現が豊かになってくる3~5カ月ごろの赤ちゃんのQ&A

うれしい、悲しいなどの感情を、体全体を使って表現するようになります。また、ママやパパなどいつもお世話をしてくれる人とそのほかの人の区別がついて、人見知りが始まる子もいます。

Q
自分の名前に反応しないのが心配です

A
このころはまだ名前に反応しなくても心配いりません。名前を呼ばれて反応するのは、10カ月以降です。3~5カ月ごろは、音に反応する様子が見られればOK。ただし、積極的に名前を呼ぶことで、赤ちゃんは少しずつ自分の名前を認識していくので、反応がなくても「○○ちゃん、おはよう」などと話しかけてあげてください。

Q 
手が離せないときは、泣いても待たせてしまいます。いけないでしょうか。

A
赤ちゃんの体調が悪くなければ、泣いていても数分くらいは待たせて大丈夫。ただし、赤ちゃんが不安にならないように、「ちょっと待っててね」などと声かけはしたほうがいいでしょう。そして手がすいたらたっぷり構ってあげて。

Q
「アー」「ウー」といった声を出しません。ひとまず様子を見ていますが…。

A
声を出さなくても、周囲のものに興味を示し、ママ・パパがあやしたときに目が合うなら大丈夫。赤ちゃんが声を出したときに、ママ・パパも「アー」「ウー」とまねしてみたり、「お話が上手ね」とほめるなどして、声を出すのは楽しいことなんだと教えてあげましょう。

Q
おっとりタイプのわが子。この性格のまま成長すると考えていい?

A
赤ちゃんには生まれ持った気質があり、穏やかな子、グズりやすい子などがいます。この気質が基盤となりますが、成長過程の人間関係や環境など、あらゆる要因が加わって、その後の性格が形成されていきます。そのため、成長するに従って性格は変化すると考えてください。

大人の声かけへの反応が増えてくる、6~8カ月の心の発達Q&A

複雑な感情が育ってきて、思い通りにならないと大泣きすることも。大人の言葉かけに反応し、少しずつ身近な言葉の意味も理解していくようになります。

Q
人見知りを直すために、泣いてもほかの人に抱っこしてもらったほうがいいですか。

A
人見知りが激しい時期なので、嫌がるのに無理に行うのは禁物。急にほかの人に抱っこしてもらうのではなく、まずはママ・パパがほかの人と楽しく話す姿を見せましょう。和やかな空気を感じ取って、赤ちゃんも心を開いてくれると思います。

Q
一人遊びを始めました。勝手に遊ばせておいていいですか。

A
この時期の赤ちゃんは、まだ1人で長時間遊ぶことはできません。それに、ほうっておかれると、赤ちゃんが不安な気持ちになってしまいます。基本的に、ママ・パパは赤ちゃんと同じ部屋で過ごし、周囲に危ないものがないか配慮してください。ママ・パパがトイレに行くなどちょっとはずすのはOKですが、「すぐに戻るからね」などと声をかけてから離れましょう。

Q
「バイバイ」など、大人のしぐさをまねしません。ほうっておいて大丈夫ですか。

A
この時期は、まだ大人のまねをしなくても大丈夫。ママ・ パパが楽しそうに「バイバイ」をして赤ちゃんに手本を見せると、そのうち興味を持ってまねをするようになるでしょう。また、上手にまねができたときにほめてあげることも大切です。

ママ・パパが言っていることもわかり始める、9~11カ月の心の発達Q&A

言葉の理解が徐々に進み、少しずつコミュニケーションが取れるようになります。また、自己主張が出てきて、イヤイヤが始まる時期でもあります。

Q
自己主張が強くなったので、「ダメだよ」と言い聞かせています。

A
このころの月齢だと「ダメだよ」 で対処できるかもしれませんが、1~2才になるとその手は通じなくなります。イ ヤイヤが始まったら、ただ否定するのではなく、「そうだね、イヤだよね」と赤ちゃんの気持ちを代弁してあげるのがおすすめです。

Q
ぐずったときに動画を見せてなだめるのはOK?

A
スマホの動画でなだめることを習慣にすると、それを与えないと怒るようになることがあります。動画を見せるのは、できる限り最終手段に取っておいてください。まずは、おもちゃや絵本で気持ちを切り替えたり、外へ遊びに行ったりして、気分転換をしてみましょう。

自我が出てきて主張することもある、1才~2才の心の発達Q&A

自分の感情を声や全身で表現し、気に入らないことがあると、かんしゃくを起こすことも。言葉の理解力はぐんと高まり、一語文から二語文を話すようになります。

Q
嫌なことがあると「キーッ」と叫ぶので、強くしかってしまいます。

A
今は、カッとした気持ちを抑えて、言葉で伝えられるようになる練習をしている時期です。しかるのではなく、赤ちゃんの気持ちを想像して言葉にし、落ち着くまで待ってあげましょう。


頭を床にたたきつけます。心配で、つい過剰に反応してしまいます。

A
感情を全身で表現しているのでしょう。けがをするほど強くたたきつけることはないので、過剰に反応するのはやめましょう。ママが落ち着き、赤ちゃんの気持ちに寄り添うように「〇〇がイヤだったんだね」と声をかけると、赤ちゃんの気持ちも落ち着いてきます。

Q
物を投げたり人をたたいたりしたときは、おしりをペンペンしてもいい?

A
まず、どんなことがあっても暴力はNGです。赤ちゃんの周囲にいる大人が、物を投げたり たたいたりしていないか、自分たちの行動を振り返ってみましょう。この時期は言葉より表情や動作のほうが伝わりやすいので、子どもがたたいたときは、親が痛そうな表情をして見せて。

Q
しょっちゅう指しゃぶりをしています。見つけたらすぐに注意していいですか。

A
この時期の指しゃぶりは、退屈なときや眠いときに見られることが多いので、神経質になりすぎなくて大丈夫です。3才ごろになると自然とやらなくなることが多いので、今は見守りましょう。 ただし、一日中している場合や、吸い方が強い場合は、小児科や小児歯科医で相談してください。

Q
不安になると性器を触ります。やめさせるべき?

A
子どもが性器を触ることに深い意味はありません。ほうっておいて大丈夫です。やめさせたい場合は、子どもが不安な表情をしていたらスキンシップで安心させ、暇そうなときは体を動かす遊びに誘ってみましょう。

喜怒哀楽を言葉で伝えられない赤ちゃんは、動作や声で気持ちを伝えようとします。ママ・パパは「困った」と感じてしまうシーンもあると思いますが「心が発達しているからこそ」と考え、赤ちゃんの気持ちに寄り添ってあげることが大切なようです。(文/ひよこクラブ編集部)

■参考/「ひよこクラブ」2019年9月号巻頭大特集「初めてママ・パパが育児で迷いがちなこと一気読み!赤ちゃんの月齢別やっていいことダメなこと」

監修/【小児科医】黒澤照喜 先生

初回公開日 2019/12/24

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