生後2カ月「ママじゃないと寝ない」にパパのできること 米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントに聞く
今回は「パパが寝かしつけるときの基本」について。日本人初の米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さんが、赤ちゃんや子どもの睡眠について米国NYから情報を発信!
「愛波文さんのぐっすりねんねROOM#13」。
“ママじゃないと寝ない!”を解決する方法とは?
パパのほうが寝かしつけ上手なことも
「ママじゃないと寝ないんです」という、パパからのご相談がとても多くなってきています。
さまざまな企業で乳幼児の睡眠について講演しています。女性社員の参加者ばかりかしらと思っていたら、うれしいことにパパである男性社員の参加率がとても高く、最後の質問タイムも男性のほうが積極的です。
パパからの相談で多いのが、「おっぱいはあげられないけれど、寝かしつけはできるのでやろうとは思うものの、何をどうすればいいのかわからなくて、結局、子どもに泣かれるとママにバトンタッチしてしまう」というもの。
ママに負担がかかってしまうことを気にしているパパが多く、私自身ママの1人として、とてもうれしく思います。
これからママが仕事復帰するという家庭が多くなる時期。パパも寝かしつけができると、ママたちはとても助かりますよね。
実は、寝かしつけやセルフねんねトレーニングに関しては、パパのほうが上手ということもあります。今回は日々の「寝かしつけ」を、具体的にどのようにしていくのがいいのかをお伝えします。
【新生児~2カ月】の寝かしつけ方
新生児から2カ月ごろの赤ちゃんには、パパは以下の①~⑥を試してみてください。
① 抱っこの練習をする
パパに負担がなく、変な力が入らない抱っこのしかたをいろいろと試してみましょう。
② 睡眠環境を整える
以下を確認しましょう。
● 室温を20-22度に設定する
● “ぐっすりノイズ(ホワイトノイズ)”といわれる、テレビの砂嵐のザーザーという音を流す
● 夜は寝室で寝かせる(日中は生活音があるリビングで寝かせてもOK)。
※米国小児科学会は、赤ちゃんにとって安全な寝床は、親と同室で別の寝床(ベビーベッド)と伝えています。
③ おくるみで包む練習をする
おくるみで赤ちゃんを包むことに慣れるのには、時間がかかることも。パパによっては、難しいと感じるかもしれません。簡単に包むことができるおくるみを選べば、お子さんを入れるだけでOK。
④ 置くだけの寝かしつけにする
このころの赤ちゃんは、目を覚ましてから40分~1時間ぐらいでまた眠くなります。各月齢の稼動時間」(=起きていられる時間)を下の表で確認してください。これしか起きていられないの!と、びっくりするかもしれませんが、実際によくお子さんを観察していると、この時間帯ぐらいに眠くなることが多いと思います。お子さんが起きてから40分後ぐらいに寝床に置いてみましょう。あとは何もする必要がなく、そこで見守ってあげましょう。
赤ちゃんの「活動時間」は以下の表をチェック
⑤ 泣いたらすぐに抱っこしない
もしお子さんが泣いたら、「大丈夫だよ、パパはここにいるからね」と淡々と言ってみてください。それでも泣いている場合は、手のひらをしっかり使っておしりや胸をトントンしてみましょう。それでも泣いている場合は、一度抱っこしてあやしてみましょう。この時期はそのまま抱っこで寝てしまってもOKです。
⑥ 肌と肌の触れ合いタイムを持つ
この時期、泣きに効果的なのはSKIN TO SKINの触れ合い。お子さんをおむつ1枚にして、パパも上半身裸になり肌と肌の触れ合いを1日1回してみてください。左の胸に頭をおいてあげると心臓の鼓動が聞こえて安心しますので、試してみてくださいね。
(文/愛波文 構成/ひよこクラブ)
基本的に、パパでもママでも寝かしつけ方は同じです。けれど、ママにはおっぱいを飲ませながら寝かしつけるという手があります。パパは「僕にはおっぱいがないから…」とあきらめず、お伝えした方法をぜひ試してみてください。赤ちゃんが泣きやまないときもあるかもしれませんが、これはママのときでも同じ。落ち着いて、一貫性をもって続けることがとても大事です。事前に泣いたときのあやし方のコツを、ママに聞いておくといいかもしれませんね。