ホコリ・カビが夏にはダニのエサに…?!梅雨時期の掃除は超重要【時短スッキリ術】
梅雨というとカビが生えやすくて掃除がしにくい季節……というイメージはありませんか? もちろん梅雨は湿気も多くカビが生えやすいけれど、意外にも掃除に向いている時期なのだそう。「時短スッキリ術」6回目の今回は、梅雨時期の掃除のポイントやカビ・洗濯物の生乾き対策など教えてもらいました!
教えてくれたのは……
生活コラムニスト/ももせ いづみさん
暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。子育てをしながらフルタイムやフリーランスで働いてきた経験をもとに、忙しくてもすっきりと豊かに暮らすアイデアを発信し続けている。
梅雨時期の掃除はダニの発生防止に!
ジメジメとしてカビが発生しやすい梅雨の時期は“掃除に向いていない”と思われがちですが、実は梅雨の湿気は乾燥している季節より掃除しやすいのだそう。そして、梅雨に掃除をしたほうがいい理由はほかにもあるんです!
ももせさん「雨降りが続くと掃除が滞ってしまうように思いがちですよね。しかし“湿気”があると静電気が発生しづらく、ホコリやカビの胞子などが飛び散りにくいので、実は掃除がしやすい季節なんです。梅雨が明けて夏になってしまうと部屋が乾燥してきますし、冷房で部屋を閉め切ることも増えます。ガラス拭きも湿気があると汚れが取れやすいので、ぜひ梅雨のあいだに取り組んでみましょう!
この時期にちょっとがんばってお掃除をしておくことには、別の理由もあります。実は湿度の高いこの時期に蓄積したホコリやカビなどを放置しておくと、気温が上がる夏にこれをエサにするダニが発生しやすくなります。このダニは秋に死骸となって、アレルゲンになることもあるんです。
夏以降のおうちをきれいに保つためにも、お掃除のしやすい梅雨の時期に、ふだん手が回らない場所や、汚れがたまってしまった場所のそうじをしておきましょう」
なんと、ホコリやカビをこのまま放置しておくと夏にダニが発生しやすくなるとは衝撃です……。特に赤ちゃんや子どもがいる家庭ではアレルギー物質からできるだけ遠ざけたいところ。これは暑くなる前にしっかりと掃除しておく必要がありそうですね!
“換気”→“除湿”を心がけて
まず掃除をする前にまずふだんの“換気”を見直しましょう。
ももせさん「梅雨時はお部屋の湿度コントロールがとても大事です。雨が降っていても、こまめな換気は必要です。部屋の窓を小さく一箇所開けて、キッチンや風呂場の換気扇を回すことで、雨降りの日でも換気が可能。
さらに、移動可能な除湿機が1台あるととても便利です。除湿機は洗濯物の部屋干しにも効果が大きいのでおすすめ。さらに湿度が高い日が続いたら、クローゼットやたんすを開放して除湿機を運転させてみてください」
雨の日は、部屋の中が湿ってしまうので換気を避けてしまいがちですがそれはNG。換気してから除湿するという流れが清潔な室内環境を保つ秘けつなんですね。
それでは実際に掃除を開始! 一体どこをどのように掃除するのが効果的なのでしょうか。梅雨掃除のポイントを教えてもらいました。
ももせさん「<寝室>ふとんを敷いて寝ている方は、室内用の折りたたみ式のふとん干しを利用しましょう。起きたあとすぐにふとんを押入れに入れてしまうと、湿気がこもってカビやダニの発生の原因に。部屋干しにして乾燥機を運転させるだけでもいいので、押し入れに湿気がこもるのを防ぎましょう。ふとん乾燥機があれば、さらに便利ですね。
<風呂・洗面台>カビの生えやすいお風呂や洗面所は、水滴を残さないことが大事。
残り湯を洗濯に使う人は、夜の入浴後、お湯があたたかいうちにすぐ洗濯をすませて、浴槽に貯めたままにしないでください。入浴後に壁に残った水滴は、専用のスキージー(※)を浴室に配置しておいて、最後の人が水滴を落として出るようにします。
また、ホテルではそうじの最後に使用ずみのバスマットやタオルで水滴を拭き上げています。同じ方法で、浴槽や洗面所、鏡などを拭き上げてからタオルを洗濯機に入れる習慣をつけるだけでも、カビの発生はかなり防げます。
※スキージー……ヘラのような形状の空気や水分を取り除く道具
<キッチン>生ゴミが臭いやすい季節になってきます。排水口のゴミはこまめによく水を切ってから捨てます。お皿やフライパンに残った残飯は、水で流す前におそうじ用の重曹をふりかけてから、お皿用のヘラで掻き落とすようにして捨てると◎。洗いやすくなるだけでなく、シンクに汚れがつきにくくなるので、カビの発生を防げます。また、重曹には消臭効果もあるので、生ゴミの悪臭を防いでくれますので、ぜひ試してみてくださいね」
なるほど、カビの温床になりやすい寝室・水回りは徹底して掃除しておきたいですね。ふとんはなるべく乾燥させる、お風呂は水滴をしっかり取る、キッチンは重曹で汚れ・臭い対策。この3つを守るだけでだいぶ気持ちよく梅雨をすごせそうです!
掃除機のホコリの舞い上げに注意!
また各部屋のホコリ掃除についても、ある工夫が必要なのだそう。
ももせさん「電気のカサや家具などにたまったホコリは払い落とさず、静かに拭き取りましょう。
家具の隙間やお部屋の隅など、ホコリがたまっている場所は、掃除機の排気で室内にホコリが拡散しないよう ①おそうじシートなどでホコリを取り除く ②掃除機をかける などホコリを舞い上げないように工夫して。
ソファの後ろ、家具の後ろなどにたまるホコリは、一人でお掃除するのはとても大変。
家具を動かすのはパパの仕事、ホコリを拭くのは子どもたち、最後にママが掃除機など、役割を決めてみんなで取り組んでみるのも楽しいですよ」
前回の「冬の大掃除から春&初夏の「スプリング・クリーニング」へ!花粉対策も【時短スッキリ術】」の花粉対策で紹介しましたが、水200mlに衣類用の柔軟剤を小さじ1ほど溶かしたものをスプレー容器に入れ、拭き掃除に使う方法もホコリの舞い上げにくくするそう。
洗濯物の生乾きを避ける方法は?
最後は、だれもが悩む梅雨のお洗濯について。部屋干しが多くなり洗濯物が乾きにくくて、家事ストレスが溜まりますよね。洗濯物の生乾きを防ぐテクニックを教えてもらいました。
ももせさん「梅雨時の洗濯物は、生乾きになると悪臭が残ってなかなかとれないので、カラっと乾くような工夫をしましょう。
<曇りの日の外干し>曇天で湿気が多い日は、天気がよいときよりも、洗濯物同士の間を広くあけて干します。パンツ類はピンチで広げて干したり、厚手のものは肩幅の広いハンガーを使うなどして、服の中にも風が通るように干しましょう。バスタオルは端の縫い目が乾きにくいので、三角干しで干すと早く乾きます。
<部屋干し>洗濯物に風を当てることと、部屋の湿度を下げることが大きなポイントになります。サーキュレーターや扇風機を使って、洗濯物の間の空気が動くように工夫します。ただ、これだけでは部屋の湿度は上がってしまいますので、こまめに換気をすることがとても大切です。除湿機がある人はぜひ併用してください。
エアコンの除湿機能も使えます。ただ、エアコンは冷房より除湿運転により多くの電力を消費します。冷房運転をさせるだけでも湿度を下げる効果がありますので、暑い日はエアコンを運転させながら部屋干しをしてオッケーです。
また、ふだん乾燥機を利用しない人も、洗濯後に5分だけ乾燥機をかけて洗濯物を熱くしてから干すと、乾きが早くなりシワも伸びます。日照時間が減ると、紫外線による殺菌効果も期待できなくなってきますので、梅雨時は乾燥機能をおおいに活用してみてください」
部屋干しでも重要なのはやっぱり“換気”と“除湿”。空気を入れ替え、部屋の空気を循環させ、そのうえに除湿するという3ステップは部屋干しの基本。
また、乾燥機のあるお家は“5分だけ乾燥機をかける”というのはとてもいいアイデアですね。乾燥機をずっとかけていると電気代が気になりますが、5分だけと思えばだいぶ気軽に取り入れられそう。
梅雨の掃除は、ダニ発生防止のための“ホコリ・カビの除去”、さらにカビを増やさないための“換気と除湿”がポイント。梅雨に入ったら、家具の下のホコリの掃除、水回りのカビの掃除、換気と除湿は徹底して行いたいですね。雨の日が増えておうちの中で過ごす時間が増えたら、ぜひこれらのポイントを思い出して掃除を実践してみてください!
(監修・ももせいづみ 文・清川優美)