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【医師監修】“ウィズコロナ”マスク着用で熱中症にならないためにしたいこと

フェイスマスクと手指消毒剤を持つ母と子供
※写真はイメージです
FamVeld/gettyimages

初夏、暑い日が続くと心配されるのが熱中症ですが、コロナ予防でマスクをしているときは、さらに注意が必要です。「ひよこクラブ」が、コロナ禍で熱中症を防ぐために気をつけたいことを、帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に聞きました。

【記事監修】

帝京大学医学部附属溝口病院・小児科

黒澤照喜 先生

Profile

東京大学医学部卒業。都立小児総合医療センターなどを経て、現在は帝京大学医学附属溝口病院小児科に勤務。3人のお子さんのパパです。

マスクをしていると熱中症のリスクはアップ! 2歳未満はマスクをしないこと

気温が高くなり、6月から夏日(25度以上)が続いている地域もあります。消費者庁からは、早くも子どもの熱中症に関する事故予防のための情報が発信されたり、「昼前から祖父の家のサンルームで遊んでいたら、昼過ぎから腹痛、嘔吐、発熱、頭痛などの熱中症の症状が見られ救急外来を受診した」などの報告も。

こうしたなか今年は、コロナの影響で熱中症対策の注意点が少し変わっているようです。

コロナ禍での熱中症対策について黒澤先生は
「マスクの使い方が、熱中症を防ぐカギになります。マスクは病原体をうつし合わないための防護壁ですが、マスクをすると呼吸によって発生する空気・熱・水蒸気の交換が一部制限され、マスク内に熱と水蒸気がこもりやすくなり、熱中症を引き起こすリスクが高まります。とくに子どもは、呼吸すると熱が多く放出されるので、大人以上に注意が必要です」と言います。

「子どもは、自分の体調の変化に気づきにくかったり、暑くてもマスクをはずさなかったりすることもあるので、マスクをしているときは、子どもの様子をよく見てください」(黒澤先生)

ただし2歳未満のマスクの着用はNGです。
「日本小児科医会も注意を促していますが、2歳未満は新型コロナウイルスを他人にうつす可能性は低いです。また新型コロナウイルスに感染した2歳未満の子の感染経路は、主に同居家族からです。そのため家族がマスクをするようにしましょう。
また2歳未満でマスクをすると、熱中症になりやすいだけでなく、顔色の変化に気づきにくかったり、嘔吐したときも吐しゃ物を外に出せなかったりするなど、さまざまな悪影響が考えられるので、2歳未満にはマスクをさせないでください」(黒澤先生)

熱中症とコロナを防ぐには、適切な場所ではマスクをはずすことがカギ!

夏、外出先などで、子どもにマスクをさせる場合、具体的にどうしたらいいのでしょうか。

黒澤先生によると「冷やしたマスクは、冷えている間は短時間ではありますが熱中症対策になるでしょう。メンソールなどの冷感タイプは、マスク内にこもる熱を放散させたりする訳ではないので、熱中症予防にはなりません」

また子ども用のフェースガードも発売されていますが、熱中症対策には有効なのでしょうか。
「フェースガードは、マスクよりは風通しがいいため熱中症のリスクは下がるかもしれません。しかし何もつけない状態よりは、熱がこもります。またフェースガードを使用するときは、マスクは不要です。両方はつけなくていいです」(黒澤先生)。

マスク選びよりも大切なのは“マスクをつけたほうがいい場合”と‟つけなくてもいい場合”をきちんと見極めることだとか。

「夏、マスクをつけたほうがいいのは①密閉、②密集、③密接の3密の場所に行くときだけで大丈夫。人が多い店舗や施設などに行くときはマスクをつけましょう。一方、公園などのオープンスペースで、人との距離が2メートル以上確保できる場合は、マスクは不要です。また温度、湿度が高い場所は、熱中症が起きやすいのでマスクはしないほうがいいでしょう」(黒澤先生)

熱中症予防には、密を避けてお散歩するなどして、少しずつ暑さに慣れることも大切

熱中症対策には、じょじょに暑さに体を慣らす(暑熱順化)ことも必要ですが「コロナ禍で、ずっと外に出ていないけれど、夏、急に外に出て大丈夫?」と心配しているママやパパもいるのではないでしょうか。

「確かに今年は、外遊びをする機会が少なかったため暑熱順化ができていない子もいるかも知れません。しかし今からでも、水分補給をしながら、少しずつ温度や湿度に慣れていけば大丈夫。緊急事態宣言下でも、心身の健康を保つために3密を避けた適切な外遊びは制限されていませんでした。外出を完全に避けるのではなく、人の少ない時間帯に散歩するだけでも、暑熱順化の効果は十分あると思います」(黒澤先生)

また暑さに体を慣らすだけでなく、熱中症対策は次の予防も忘れずに行いましょう。

<室内の場合>

●エアコンや扇風機で室温を24~28度に調節する
●赤ちゃん・子どもがいる場所に窓から直射日光が当たらないようにする
●衣類は薄着で、綿素材など通気性・吸湿性がいいものを着せる
●昼寝や夜の就寝時は、通気性のいい薄手の寝具を使い、布団はかけすぎない
●昼寝や休憩をとって、体を休ませる
●おふろの長湯は避ける
●早起き・早寝・栄養バランスのいい食事など規則正しい生活をする

<屋外の場合>

●暑い時間帯の外出を避ける
●日陰を歩く
●ベビーカーに乗せているときも、日陰の場所へ
●子どもの様子を見ながら、こまめに水分補給をさせる
●涼しい場所で、こまめに休憩をする
●帽子をかぶるなどして、日よけをする

子どもの様子がおかしいときは、マスクをはずしてすぐに涼しい場所へ

万一、熱中症になった場合は、どうしたらいいのでしょうか。黒澤先生によると「受診が必要な熱中症は、中学生や高校生には多いのですが、乳幼児は少ないです。それはママやパパが、予防や初期段階のケアをしっかりしているからでしょう」と言います。

乳幼児は、体が小さくて大人よりも体温調節機能や発汗機能が未発達なため、体に熱がこもりやすい特徴があります。そのため①顔が赤い、②機嫌が悪い、③ひどい汗をかいている、④おしっこの色が濃いといった様子が1つでも見られたら、次のケアをして重症化を防ぎましょう。

<熱中症が疑われるときにしたいケア〉

STEP1 マスクをはずす
マスクをしている場合は、すぐにはずす。

STEP2 涼しい場所にすぐに移動する
冷房がない屋外の場合は、日陰で風通しのいい場所に至急移動する。

STEP3 体にこもった熱を逃がす
衣類は脱がせたり、ゆるめたりする。水で絞ったタオルで体をふいたり、ガーゼで包んだ保冷剤などで首すじやわきの下など、太い血管が通る部位を冷やしたりして、体にこもった熱を下げる。

STEP4 塩分を含む飲料を飲ます
ベビー用イオン飲料や経口補水液など塩分を含むもので水分補給をする。吸収が遅い母乳、ミルクや塩分を含まない麦茶、湯冷ましは熱中症の処置には不向き。

また①顔色が悪く、ぐったりしている、②水分がとれない、③体温が40度以上ある、④脈が速い、⑤おしっこが6時間以上出ない、⑥体を冷やしても、体温が37.5度以上ある場合は、至急受診が必要です。

うっかり車内に子ども置き忘れる“Forgotten Baby Syndrome”に注意!

乳幼児が車内に取り残され、熱中症になり死亡するという痛ましいニュースを、時々耳にします。
「なかにはママやパパが考えごとをしていたりして、子どもを乗せていたことをうっかり忘れていたというケースもあり、この種の事故は“Forgotten Baby Syndrome”と呼ばれています」(黒澤先生)

こうした事故は世界中で起きており、日本でも「用事を済ませているうちに、子どもを幼稚園に送り届けるのを忘れてしまい、子どもを車内に残したまま自分だけ帰宅。数時間後に気づいたときは、子どもは高温の車内で死亡していた」「仕事のことを考えながら車の運転をしていたら、子どもを保育園に送り届けるのを忘れてしまい職場へ。夕方、家族からの電話で、子どものことを思い出して、急いで駐車場に行ったが息絶えていた」といった、つらい事故が実際にありました。

「子どもを車内に放置した致死的熱中症のうち50~70%は、保護者が意図しないものという報告あります」(黒澤先生)
“Forgotten Baby Syndrome”は、決してひとごとではない事故なので、この夏も十分注意しましょう。

取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

「暑くなってくると、子どもがすぐにマスクをはずしてしまう」「公園で遊ばせたいけれど、子どもが多くて密が避けられない」というママやパパもいると思いますが、そんなときは自宅で水遊びをしてはいかがでしょうか。黒澤先生によると「水遊びは、水が体温を下げるので熱中症のリスクは、外遊びより低い」と言います。ただし水遊びでも汗をかくので、必ずこまめに水分補給をしましょう。

初回公開日 2020/06/09

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