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【小児科医監修】重症化すると死に至るケースも!子どもの「熱中症」

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白人の子はペットボトルから水を飲む
eugenesergeev/gettyimages

今回のテーマは、大人も子どもも気になる「熱中症」の対策について。1才と3才のお子さんを子育て中の小児科医・泰道麗菜先生が、日々の診療の中で、ママ・パパたちに伝えたいさまざまな情報を発信。近年は猛暑日の増加に伴い、熱中症になる人の増加が大きな問題となっています。昨年2018年は例年に比べて熱中症の救急搬送率が増加しました。今年も暑さが本格化。赤ちゃんはもちろん、大人も熱中症にならないために予防方法をしっかりおさえておきたいですね。[ママ小児科医の”コレが気になる”]#6

熱中症を重症化させないためには、正しい対処法がカギ!

だんだんとむしむしとした暑さが増してきました。この時期心配になるのは大人も子どもも「熱中症」ではないでしょうか。外来でも発熱や頭痛などで来院し、熱中症を心配する親御さんが増えてきます。熱中症は対策を知っていれば、事前に予防ができる病気です。また、なってしまった場合も、その後の対処法を知っていれば重症になるのを防ぐことができます。ぜひ、この機会に熱中症について知識をつけておきましょう!

熱中症の重症度は、3段階に分けられる!

人の体は体温が上がると皮膚表面の温度を上げて熱を外に逃がしたり、汗をかいて体温を下げるしくみがあります。汗をかくと、体の水分と一緒に塩分も失われます。熱中症は、高温多湿な環境下で、体の体温調節機能がうまくいかなくなり、体の中の水分や塩分のバランスも崩れて体にさまざまな不都合な症状が現れる状態をいいます。 症状は重症度により、下記の3段階に分類されます。

【Ⅰ度】現場での応急処置で対応できる軽症
めまい、立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗


【Ⅱ度】病院への搬送を必要とする中等症
頭痛、気分の不快、吐きけ、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感

【Ⅲ度】入院して集中治療の必要性のある重症
意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温

ただし、赤ちゃんの場合は、自分で体調の変化や症状をうまく言葉で伝えられません。顔が赤くほてっている、体が熱い、ふらふらしている、不機嫌、ぐったりしている、顔色が悪い、唇や口の中が乾いている、尿が濃くて少ないなどの症状は注意が必要です。

新陳代謝が盛んな子どもは、大人よりも熱中症になりやすい

子どもは大人に比べて、新陳代謝が盛んでもともと体温が高い、体表面積が大きく外の気温の影響を受けやすい、汗腺(汗を出す腺)が未発達…などの理由により、体温調節がうまくできず、熱中症になりやすいのが特徴です。また大人に比べて体の中に占める水分量が多く、体に出入りする水分の割合が高いことから脱水症になりやすい体質もあります。
小さな子どもは保護者がそばで見守っていることが多いので重症の熱中症になることは少ないですが、重症になれば死に至るケースもあります。自分から症状を訴えたり、水分補給をすることができませんので、予防対策はもちろん、熱中症の兆候がないかどうか保護者の方が注意して見落とさないことが肝心です。

室内、車内、ベビーカーも要注意! 熱中症になりやすい環境や条件

熱中症が起こりやすい環境は、気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日ざしが強い、急に暑くなった日です。また閉め切った空間やエアコンのない部屋など屋内、室内でも起こります。小さな子どもは車内で熱中症を起こすケースも少なくありません。
また夏は地面からの照り返しの影響を受けて地面に近いほど気温が高く、大人と子どもの顔の位置の高さでは約2~3℃違うことがあります。ベビーカーは高温環境になりやすいということを知ったうえで、前向きの場合、子どもの様子が観察できないのでこまめに状態を確認することが必要です。
さらに、長時間の激しい運動や作業、水分補給をできない環境、発熱・下痢・嘔吐(おうと)などの脱水状態に陥りやすい症状は悪化要因になります。

熱中症にならないためにしておく予防対策は?

赤ちゃん・子どもを熱中症にさせないためには、まずは予防が第一です。下記を参考に、あらかじめできる対策をとりましょう。

●外出時は通気性、吸湿性のいい服を着せて。帽子や日よけケープ、日傘など使って日ざしを避ける

●車で外出する際は車内にもサンシェードや日よけカーテンをつけ、赤ちゃんに直射日光が当たらないなどの工夫をする

●水分を欲しそうにする(のどが渇く)前から、こまめな水分補給をする

●屋内ではクーラーや扇風機などを使い、赤ちゃんにとって快適な室内環境を保つ

●赤ちゃん・子どもを車に置き去りにしない

●気温が高い日は、赤ちゃん・子どもを連れて無理な外出をしない

「熱中症かな?」と思ったらすぐにしておきたい4つのこと

でもいくら予防対策をしても熱中症は起こりうるので、そんなときはいかに早く応急処置をするかどうかが悪化を防ぐカギです。万一、熱中症を疑う症状があったら、次の4つの対応をしましょう。

1.涼しい場所へ避難し、体を休ませる

2.余分な上着は脱がせて、衣服を緩めてラクにさせる

3.冷たいタオルや氷のうなどで体(首、わきのした、太ももなど太い血管のところ)を冷やす

4.水分・塩分を補給する

まずは体を冷やすことが最優先です。汗をたくさんかいているときの水分・塩分補給には、スポーツドリンクよりも塩分を含む、赤ちゃん用イオン飲料や経口補水液※が望ましいです。電解質濃度が高く、糖濃度が低めで水分吸収速度が速いのが特徴です。
ぐったりしていたり、嘔吐(おうと)をしていて口から水分補給ができない、応急処置をしても症状が改善しない、反応が鈍いなどの症状があればすぐに医療機関を受診しましょう。意識障害やけいれんがある場合にはもちろん救急車で受診が必要です。


※経口補水液は、塩分・糖分などの成分が脱水症状に適したバランスに調節されている飲み物です。商品に記載があるように医師の指示に従って与えるのが基本です。しかし、「ひよこクラブ」では、監修の医師のもと、「緊急時は医師の指示を得ずに与えてもいいと」考えています。量は授乳1回分か、コップ1杯(100㎖)を目安にしてください。

梅雨が明け、お天気の日が増えると行楽地へのお出かけも自然と多くなるでしょう。熱中症は、年齢にかかわらずだれにでも起こります。つい、遊びに夢中でうっかり暑さ対策を忘れて熱中症に…!ということがないように、家族全員でしっかり予防対策をして、楽しい夏休みを送ってくださいね。(構成/ひよこクラブ編集部)

監修/泰道麗菜先生

初回公開日 2019/8/5

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