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園や学校が再開しても…「親から離れない」「攻撃的」子どものコロナストレス、ケアのしかたを専門家に聞く

離れて見てテディベアを保持している孤独アフリカの子供の女の子を動揺
fizkes/gettyimages

新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が大きく変化し、知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまっている子どもは少なくありません。
親である私たちは、子どものストレスをどのようにケアしていけばいいのでしょうか。
親と子どもの臨床支援センターの代表理事を務める帆足暁子先生に聞きました。

コロナストレスはだれのせいでもない!

――コロナ禍において、外出自粛や保育園・幼稚園の休園など、子どもたちの生活もガラリと変わってしまいました。
子どもたちはどんな状況でストレスを感じやすいのでしょうか?

帆足先生(以下敬称略) 未就学児ですと緊急事態に対する理解は難しいですが、これまでの生活の変化、ママやパパをはじめとする周囲の大人たちの変化から子どもたちも状況を感じ取りストレスの反応が出ます。
ですから、子どもを不安にさせないためにも、ママやパパが普段どおりでいるということが大切です。

また、子どもは認知機能が未熟で物事を認識したり予測することがむずかしかったり、うまく言葉で説明することができないので、その分、ママやパパが気づかないうちに敏感に不安を感じてストレスを抱えやすいのです。

――気づかないうちに不安を感じてストレスを抱えやすいとしたら、子どもの様子を気をつけて見ていく必要がありそうですね。
実際に子どもがストレスを抱えると、具体的にはどのような反応が出るのでしょうか?

帆足 たとえば、親から離れない、いつもより泣くことが増える、夜泣きをする、少しの音や他者の反応に敏感になる、下痢や食欲低下、攻撃性が強くなる、要求が増える、などが挙げられます。

――そのような反応が見られた場合、ママやパパはどのようにかかわればいいですか?

帆足 先ほど述べた反応はママやパパにとってはかかわりにくい状況だと思いますし、場合によってはしかりたくなってしまうこともあると思います。
しかし、コロナ禍でストレスを抱えている子どもが安心できるように穏やかに接することが大事なので、しかりたくなったときには「悪いのはこの子ではなく、この子の不安がこうさせているんだ」と考えてみてください。
そして、それと同様にママやパパもしかりたくなる自分を責めず、「今の状況が自分のキャパを狭めてしまっているんだ」というふうに考えましょう。

これからの生活を子どもと考えよう

――緊急事態宣言も解除され、徐々に子どもたちの集団生活も始まっています。しかし、新しい生活様式の中では行事がなくなったり、給食の時間も前を向いて無言で食べるなど、子どもにとってはストレスの多い状況が続きそうです。
ママやパパはどのようにケアしていけばいいのでしょうか?

帆足 子どものストレスをケアするいちばんの方法は、子どもの気持ちや話をよく聞いて、子どもを受け入れて理解しようとすることが大切です。

――「受け入れて理解する」とはどういうことでしょうか?

帆足 子どもの話を「うんうん、そうだね、あなたはそう思ったんだね」と聞いて気持ちを受け止めてあげることです。
ストレスを抱えた子どもは要求が多くなることがありますが、言いなりになって何でもしてあげることとは違いますよ。
子どもの気持ちは否定せず、ダメなものはダメだとはっきり伝えます。

――ママやパパも普段と違う対応に追われて大変ですが、こんな状況だからこそ子どもの小さな変化を見逃さないようにしっかりと対話をする時間をとりたいですね。

帆足 集団生活においては、感染予防という観点だけが一人歩きしていて、感染さえしなければそれでいいのかと思うこともあります。
コロナウイルスの影響はあと数年続くと言われていますし、家庭でも教育現場でも子どもたちと一緒に、「これからどうやって生活していくか」を考えていけるといいですね。

――子どもたちが過ごす環境を大人だけで決めるのではなく、当事者である子どもたちがどうしたいか、を大切にしていきたいですね。

帆足 そういった対話は子どもの考えを知るいいチャンスになりますし、子どもも自分が発言したことが家庭や幼稚園、学校での生活に反映されたら「自分の発言に意味があったんだ」と自信を持つことができ、“自分の考えを発言する”という生きていくうえで大切な力を身につけることもできます。
こんな時代だからこそ、前向きに今できることを考えていきたいですね。

親が安心することで子どもも安心する

――今後、新型コロナウイルスの感染拡大については第2波、第3波が来るといわれていますが、それに備えてママやパパが気をつけたいことはありますか?

帆足 まずは、今回自分たちがどんなことで不安になったかを考え、それに対する準備をしっかりしていくことが大事だと思います。
たとえば、マスクが手に入りづらくて不安になったのであれば今からしっかり備えておくと安心できますし、家庭で過ごす時間では何が必要だったか、役に立ったか、どんなことをすればストレス発散になったかなどもリストアップしておくといいでしょう。
子どものメンタルにとって、親が安心しているということがいちばん重要なのです。

――次の流行からは今回のことを生かせるので、ママやパパの動揺も少なくなりそうですね。

帆足 また、子どもを必要以上に不安にさせないということもとても重要なことです。
コロナ関連のニュースをずっと流していると、経験の少ない子どもたちの不安を必要以上にあおってしまう可能性もあります。

――大人でさえずっとコロナの話題ばかりだとノイローゼ気味になってしまうケースもあるので、外部からの情報にも気をつけないといけませんね。

帆足 子どもに与える情報は正しい予防策だけで十分です。コロナウイルスの予防法は原則としてインフルエンザの予防法と同じですので、手指消毒をしっかり行いたいですね。
手指消毒は、年少さんなら大人が一緒に洗う、年中さんなら側で見ていて必要があれば一緒に洗う、年長さんは原則見守るだけでOKです。

親子で正しい知識を持って無駄に怖がることなく、子どもが安心できる環境を整えていくといいのではないでしょうか。

帆足先生によると、今回の新型コロナウイルスの問題はどの家庭にも平等に訪れていることであり、子どもを“かわいそう”と思わないことが大切なんだそうです。
親がこの状況を“かわいそう”と思うことで、子ども自身が「自分はかわいそうなんだ」というネガティブな思いを抱いてしまいます。
ママやパパは子どもの適応能力を信じ、今できる最大限のことをやりながらこの難局を乗り越えましょう。

お話・監修/帆足暁子先生 取材・文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部



帆足暁子先生(ほあしあきこ)
(親と子どもの臨床支援センター代表理事)

大妻女子大学卒業。公認心理師、臨床心理士、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を持ち、専門は乳幼児発達臨床心理学、保育臨床、子育て相談、子どものメンタルヘルス。
ほあしこどもクリニック副院長として約20年、子どもや親と向き合ってきた実績を持つ。保育者との事例研究会を毎月継続して開催するとともに、保健センターでの虐待発生予防事業等にも携わる。

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