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親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】

ご両親が、ベビー
Image Source/gettyimages

いろいろなことに意欲的に取り組めて、多少の失敗ではくじけない強い心を持つ子どもに育てるには、子どもの自己肯定感を高めることが大切です。そして、「子どもの自己肯定感を高めるには、まずママやパパ自身の自己肯定感を高めましょう」と、慶應義塾大学医学部・小児科教授の高橋孝雄先生は言います。長年にわたり、子どもはもちろん、ママとパパにも共感し、応援することを続けてきた高橋先生に、その理由について聞きました。

親の自己肯定感が低いと、子どもの自己肯定感も低くなる⁉

「自己肯定感」とは、「今の自分はこれでいいんだ」と感じられること。自己肯定感が高いと自分に自信を持てるので、初めてのことも恐れずにチャレンジでき、意欲的に行動することができます。また、壁にぶつかったり、失敗したりしたときも、「また頑張ろう!」「今度は違うやり方でやってみよう!!」と、前向きにとらえることができます。

「人はだれもが生まれつき自己肯定感を持っている」と高橋先生は言います。ママのおなかから生まれてきた瞬間、赤ちゃんは「生まれてきたよかった!」と感じるはずだとも言います。そして、赤ちゃんがよく笑うのは自己肯定感にあふれているしるし、というのが高橋先生の考えです。
すべての子どもが自己肯定感を持って生まれてくる、というのはママやパパにとってはとてもうれしい話です。

――生まれたときはみんな等しく持っていたはずなのに、成長するにつれて、自己肯定感の高い・低いの差が出てくるように思います。これはママやパパのかかわり方の影響が大きいのでしょうか。

高橋先生(以下敬称略) 親から「お前なんか生まれてこなければよかったのに」など、存在を否定されるようなことを言われ続けたり、無視され続けたりしていたら、自己肯定感がどんどん低くなってしまうのは明らかでしょう。でも、これは極端な例ですね。
むしろ、親の自己肯定感の低さが、子どもに連鎖するのではないかと、私は考えています。

――ママやパパの後ろ向きな感情を子どもがキャッチしてしまうからですか?

高橋 もっと具体的に言うと、親の考え方やふるまい、習慣などが、子どもに連鎖するのではないでしょうか。
マザー・テレサの有名な言葉に、
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから」
というものがあります。まさに、これではないかなと思うんです。

たとえば、ママやパパが「私はダメな人間だ」と自己肯定感が低い考え方をしていると、それは言葉に表れ、その言葉を繰り返し吐くことで「ダメな人間」として行動するようになり、それが習慣となり、やがて性格となり、ネガティブな運命を選択するようになる。
そのような生き方をしている親に育てられたら、子どもの自己肯定感が低くなってしまうのは、当然といえるのではないでしょうか。

ママやパパの自己肯定感を高めるコツは「感謝されている!」と感じること

「子どもの自己肯定感を高めるには、たくさんほめることが大切」といわれます。
一方、まずはママやパパ自身の自己肯定感を高めることを考えないと、子どもの自己肯定感を高めることはできないということが、高橋先生の話からよくわかりました。

――ほめられたらうれしいのは、子どもも大人も同じ。ママやパパの自己肯定感を高めるには、夫婦でお互いをほめ合うことを意識したほうがいいでしょうか。

高橋 夫婦に限らず大人にとっては、ほめられる、という場面はそうは多くないでしょう。また、大人同士が「相手のいいところを探してほめよう」と意識すると、わざとらしくなってしまうこともありますよね。むしろ、感謝すること、感謝されることを意識してみてはいかがでしょうか。
子どもにとっても同じことが言えますね。「これをしたらパパ(ママ)が喜ぶだろうな」と、相手の気持ちになって行動すると、「助かったよ」「ありがとう」と感謝の言葉が返ってくる。
ママやパパが互いに感謝の気持ちを持ち合い、その上で子どもに対しても自然に感謝の気持ちを抱けるようになれば、子どももそれを感じ取り、自己肯定感が自然とはぐくまれていくものではないでしょうか。
子どもに接する時も、夫婦間でも、「ほめよう」ではなく、「感謝しよう」と意識してみるのはいかがでしょうか。

育児は優劣をつけるべきものではない。「うちの育て方」に自信を持ちましょう

子育ては試行錯誤の繰り返しで、悩みは尽きません。自分に自信が持てて自己肯定感が高めだった人でも、親になったとたん「この育て方、間違っていないだろうか」と不安になり、しだいに自信がなくなっていき、自己肯定感も低くなる…ということがありがちです。
とくにウィズコロナの今は、育児について調べたり相談したりできる場がネット環境などに限られてきて、育児に関する悩みも深くなっているように感じます。

――育児には「これが正解」がないから、一度悩み始めると、自信がなくなってしまうママやパパは多いと思います。

高橋 子育てに悩むのは、子どもにしっかり寄り添っているからこそ。親としてちゃんとやっている証です。「こんなに悩むくらい子どものことを思っているんだ」と、自信を持っていいんです。
育児には正解がないのですから、そもそも優劣はつけられません。人と比べて落ち込んだり、劣等感を抱いたりする必要はないんです。夫婦で「うちはこういう育て方をする」と決めたら、その方法が正解なんだと考えましょう。

もちろん、人の意見をまったく聞かずに暴走するのはよくありません。でも、人の意見をうのみにするのもダメ。人の意見には考え方・やり方の一例として耳を傾け、納得できることは取り入れるが必要ない・できないと感じたことはスルーする。それくらいの“あんばい”がちょうどいいと思います。「うちの子育てはこれでいいんだ」と感じられたら、ママやパパの自己肯定感は高くなるはずです。

わが子の満面の笑みを見ると、「この子の親になれてよかった」と幸せを感じますよね。「これでいいんだ」と。これほど自己肯定感が高まる瞬間はないと思います。そんなママやパパの高い自己肯定感は、子どもの自己肯定感を育て、高めるに違いありません。
家族みんなが笑顔になれるように楽しく育児をすれば、ママもパパも子どもも自己肯定感が高まるということです。

お話・監修/高橋孝雄先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

ママやパパが「自分はこれでいい」「うちの子育てはこれでいい」と感じることで、ママやパパの自己肯定感が高まり、子どもの自己肯定感も育てられることがわかりました。悩みつつも、自分たちの育て方を信じて進んでいきましょう。

高橋孝雄先生(たかはしたかお)

Profile 
慶應義塾大学医学部・小児科教授。医学博士。専門は小児科一般と小児神経。1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務。ハーバード大学医学部の神経学講師も務める。1994年より慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍。高橋先生の最新著書「子どものチカラを信じましょう 小児科医のぼくが伝えたい 子育ての悩み解決法」(マガジンハウス)には、「『最高の子育て』とは何か」のヒントが詰まっています。

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