「人とかかわる力」や「試して考える力」を伸ばしたい2歳代、家庭でのかかわり方は?
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子どもの成長には「ひらがなが読めた」「1から10まで数えられた」など目に見える力と、目には見えないけれど大切な力があります。2歳は、身体や知能だけでなく、目には見えない内面が大きく成長する時期です。2歳で伸びる内面は、幼稚園などの集団生活や生活習慣の自立などにもつながるため、家庭でのかかわり方を見直してみませんか。
ママやパパを悩ませるいたずらや“自分で”は成長のサインってホント!?
2歳になると言葉がぐんと発達し、自分でできることが増えていきます。しかし2歳の子をもつママからは、次のような悩みも聞かれます。
●娘は2歳2カ月ですが、最近いたずらがひどくて! 猫のトイレ用の砂をわざとまき散らしたり、ストローマグを逆さまにしてお茶をこぼしたり…。私がしかってもニヤニヤして効果なし。対応のしかたがわかりません。
●2歳過ぎてからイヤイヤがピークに。「自分でやる! ママあっち行って!」とよく言われるのですが、上の子のはさみなどを使いたがったりして困ります。正しい持ち方や使い方を教えようとしても断固拒否。危険なこともやりたがるので目が離せません。
体験談のように、ママやパパを困らせることも多くなる2歳。しかし“いたずら”や“自分で!”は成長の証しです。
内面の成長につながる“2歳で伸びる4つの力”
2歳は成長の宝庫。たとえば大人のまねをするのは、記憶力が高まり、イメージして再現する力がついてきた証し。また体験談にもありましたが、いたずらが増えるのは、気になることを自分で試して、確かめているから。「自分で!」が多くなるのは、挑戦する意欲が芽生えてきた証拠です。こうした成長のサインが見られたら、内面の伸ばしどき! とくに次の4つの力を意識して伸ばしてあげましょう。
1.人とかかわる力
2歳になると他者との違いを意識しながらも、関係を築こうとするように。ママやパパと「やりとりするって楽しい!」という経験をすることで、集団のなかでも人とかかわろうとする意欲が芽生えます。
2.試して考える力
1人遊びができるようになると、遊びを通して自分なりに工夫をしたり、「どうしてだろう?」「なんで、うまくできないのかな?」と試行錯誤するようになります。こうした繰り返しが、自分なりに考える力の土台を築きます。
3.自分でやる力
気持ちが先立ち、うまくできないことも多い時期ですが、着替えなど「自分でする!」と思うように。やる気の芽を大切にしながら、できないときはママやパパがさりげなく手伝うことで、自立を促してあげて。
4.感じて表現する力
1歳のときよりも感受性や表現力が豊かに! 小さな変化を感じ取ったり、感じたままを形にしたりする楽しさを実感することで、感性や表現力がさらに豊かになります。
家庭で2歳の内面を伸ばす2つのポイント
紹介した4つの力は、どのように伸ばすといいのでしょうか。実は、4つの力を伸ばすカギとなるのが、ママやパパのかかわり方です。ポイントは次の2つです。
Point1 子ども1人で遊び込める環境を整える
遊んでいるとき、ママやパパがつきっきりだと、手出し・口出しが多くなったりして自分で考えて試したりする機会が減ることも。そのため2歳の発達に合ったおもちゃなどを用意して、子ども1人で集中して遊び込める環境を作ってあげましょう。
Point2 “自分でできた!”という達成感を得る
生活習慣や遊びを通して「自分でできた!」という達成感が何度も得られるようにしましょう。そのためにはママやパパが見守ることが大切。たとえ失敗しても頑張っている過程を認めて、大いにほめてあげると、「次、頑張ろう」と意欲的に取り組めるようになります。
2歳を過ぎると、幼稚園などの入園を意識して「自分のお名前ぐらい読めるようになってほしい」と考えるママやパパもいるでしょう。しかし、そうした目に見える力だけでなく、今、幼稚園などで重視されているのは「人とかかわる力」や「試して考える力」など目には見えない力です。子どもとかかわるとき「手出し・口出しが多かったかな!?」「せかしてばかりいたかな!?」と思うママやパパは、この機会にかかわり方を見直してみませんか。
取材・文/麻生珠恵
取材協力/こどもちゃれんじ
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です