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【小児科医監修】赤ちゃんの耳に水が入る=中耳炎は間違い! 中耳炎の原因は?

赤ちゃんはお風呂を出た。
写真はイメージです
kuppa_rock/gettyimages

赤ちゃんをおふろに入れていたとき、誤って一瞬お湯にもぐらせてしまったという10カ月の赤ちゃんのお母さん。話を聞くと、耳にお湯が入って中耳炎(ちゅうじえん)になるのではと心配している様子。そんなお母さんに、陽ちゃん先生は中耳炎の本当の原因を説明し始めます。

赤ちゃんやママ・パパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#23

赤ちゃんの耳に水が入ると、中耳炎になる?

ある日のこと、待合室のほうから心配そうな、でもどこか怒っているような声が聞こえてきます。診察室に入ってきたのは、10カ月の赤ちゃんを連れた、お母さんでした。

――お母さん、どうしたんですか?

「昨日の夜、夫がこの子をおふろに入れていたんですけど、手を滑らせて湯船のお湯の中にもぐらせてしまったみたいなんです!」

――あらら、そりゃ、赤ちゃんびっくりしたでしょう。

「そのあと、ずいぶん長く泣いていて、口や鼻や、とくに耳にお湯が入ってしまったんじゃないかと心配で…」

――そうでしたか。びっくりしたかもしれないけれど、お湯なら大丈夫でしょう。ちょっともぐったぐらいで耳の病気になるなら、水泳選手とか健康ではいられないよね。

「え?耳に水が入ると、中耳炎とかの病気になるんじゃないんですか?」

どうやらこのお母さんは、耳に水が入ったことで、赤ちゃんが中耳炎にならないかと心配していたようです。

子どもの発熱を伴う病気で、頻度が多いものとして、風邪、へんとう炎、上気道炎(じょうきどうえん)気管支炎(きかんしえん)、肺炎(はいえん)などの気道感染症と、尿路感染症(にょうろかんせんしょう)のほかに、中耳炎があります。

耳は3つの構造にわかれていて、耳の穴である耳孔(じこう)から鼓膜(こまく)までを外耳(がいじ)、鼓膜より奥の部屋を中耳(ちゅうじ)、中耳より奥にある音を脳に伝える機能のところを内耳(ないじ)といいます。その中耳に細菌やウイルスが入り、炎症を起こすのが中耳炎という病気です。

それでは、いったい微生物はどこから中耳に入っていくのでしょうか。実は、耳の穴からではなく、体内から入っているのです。

私たちの鼻の奥には、中耳とつながる耳管(じかん)という管があります。普段はぺたんこに閉じているのですが、口を大きく開けたり、つばを飲み込んだりすると、一瞬この管が開くしくみになっています。

たとえば、だれでも飛行機やエレベーターに乗っていて、耳がキーンとして聞こえにくくなった経験があるでしょう。気圧の高低差によって、鼓膜が普段の状態より外や内側にひっぱられると、うまく動かずに聞こえ方が悪くなります。

その時、ゴクリとつばを飲み込むと聞こえ方が戻るのは、耳管が開くことで鼓膜の外(外耳)と内側(中耳)の気圧が同じになり、引っ張られていた鼓膜が通常の形に戻るためなのです。

話を戻すと、その耳管を通じて鼻の奥の細菌やウイルスが中耳に入ることで、中耳炎になるのです。

――ですから、お湯や水が入っても鼓膜の外までで、中耳にいくことはないんです。汚い水などが入り、耳の穴がただれて外耳炎になることはあっても、中耳炎にはならないんですよ。

「そうだったんですか。では、赤ちゃんが一瞬お湯にもぐってしまっても、とくに問題はないんですね?」

――そうは言っていませんよ。急にお湯にもぐらされることで、赤ちゃんはびっくりしておふろが嫌いになるかもしれません。鼻にお湯が入って痛かったり、おふろのお湯を飲み込んだり、時には肺に吸い込んだりするかもしれませんしね。やはり入浴中は気をつける必要があります。

「そうですよねえ。先生にもしかられたと、帰ったら夫に言ってやります」

――でもね、お父さんもよかれと思っておふろに入れてくれているんですし、注意は必要ですが、あまり責めないであげてくださいね。一瞬であれば、そこまで心配はいりませんよ。

中耳炎の予防法は?大人になったらかかりにくくなる?

「思い返すと、うちの上の子は、風邪をひいたときに中耳炎になりやすかったんです。風邪のウイルスが原因だったんですね」

――そうですね。鼻の奥から細菌やウイルスが登っていくんです。お子さんによって、中耳に行きやすい子と、そうでない子がいるようですが。

「それなら、うちの子は中耳に行きやすいということかな…。そういう子は、いつまでも中耳炎と縁が切れないのですか?」

――いえいえ、耳管とは、子どものうちは短くて傾斜がなだらかなので細菌が移動しやすいのですが、大人に近づくと耳管も長くなり、傾斜もついてきます。そうすると、細菌も登りにくいので中耳炎になりにくくなりますね。

「それは、ずいぶん先のことですかねえ」

――そうですね。ですから、中耳炎を防ぐには、普段から風邪をひかないような注意は必要でしょう。

「中耳炎の予防接種というものは、ないんですか?」

――実は、最近定期接種で打っているヒブワクチン(インフルエンザ菌)と肺炎球菌ワクチンは、どちらも中耳炎の原因菌なんですよ。この予防接種が始まってから、中耳炎の患者さんが減ったと言う耳鼻科の先生もいます。

「では、これらの予防接種もきちんと受けたほうがいいということですね」

――はい。耳だけあれこれ対策を考えるのではなくて、全体的な健康管理が大切ということですね。とくに、これから風邪が流行するシーズンですから、気をつけてください。

構成/ひよこクラブ編集部  

初回公開日 2020/12/24

監修/吉永陽一郎先生

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