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赤ちゃんの“でべそ”の治療は穴に合わせたオーダーメード【小児科医】

更新

「“でべそ”は、生後2カ月のワクチンデビューの日から治療を始めることが多いです」と太田先生は言います。命にかかわるものではないけれど見た目について心配するママ・パパたちが多い赤ちゃんの「臍(さい)ヘルニア」。
「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」#4は、おおた小児科での“でべそ”の治療についてです。

“でべそ”治療は、お子さんのおへその状態に合わせたオーダーメード

たまひよONLINEには、外来小児科学会の仲間が、【小児科医リレーエッセイ】というコーナーに寄稿してくれています。No.20は“でべそ”(臍ヘルニア)の治療についてです。治療経験豊富な先生が書いてくれていますのでぜひお読みください。
今回はおおた小児科の“でべそ”治療の工夫を紹介します。

“でべそ”は、生後2カ月のワクチンデビューの日の診察中に見つけることが多いですが、「今日からでも治療できますよ」と言うと、お母さんは、ホッとした顔をされます。ワクチン接種後に、具体的な治療法を説明して治療を始めます。

おへその穴の大きさに合わせて、数サイズの「手作り綿球」を使い分けます

おなかから盛り上がっている“でべそ”を指で押さえると、グジュグジュ音がしておなかの中に戻ります。そのまま押さえていると指先に穴(臍輪・さいりん)を触れます。治療に使う綿球のサイズは穴の大きさで決まります。穴の大きさはピンキリです。当院で使う手作り綿球は上の写真のようにさまざまで、“極小”から6まで7種類のサイズを用意しています。
穴の大きさに合わせて作っているうちに7種類になりました。最小サイズは“極小”です。1が最低サイズかと思っていたら、もっと小さな穴の“でべそ”もあって、極小サイズも登場しました(笑)。
実際使うのは2と3が多いですが、5や6を使って治療を開始する“特大でべそ”の子もいます。

綿球作にもコツがいります。厚めのサージカルテープを小さく切って丸めて芯にして、そのまわりを残りのテープをグルグル巻いて各種サイズを作ります。野球のボールも真ん中にかたい芯が入っており同じような作りです。おおた小児科の綿球は、素材は綿じゃないので偽綿球ですね。

“でべそ”は、横から見るとこんな感じ

さあ、治療開始です。治療の手順について紹介します。上の写真はすでに治療中なのでテカテカ感が弱くなっています。

サイズに合わせた綿球を、でべその穴に押し込む

選んだ綿球を押さえて“でべそ”の穴に突っ込んだまま、上下の皮膚をしっかり引き寄せます。上の写真の日はサイズ1の綿球を使用しました。
綿球が出ないように抑えたままサージカルテープをはると治療効果が高いと思っているので大事なポイントです。

上下の皮膚を引き寄せてテープで留める

テープは四枚重ねでしっかり押さえ込みます。

テープの上からフィルムをはる

その上に透明なフィルムばんそうこうをはっておしまいです。このままおふろに入っても大丈夫です。

この状態で1週間経過をみる

次の治療の前日に、家庭でフィルムばんそうこうとテープをはずして綿球を取り出します。ばんそうこうをはがした直後は、治療前のテカテカ“でべそ”じゃなく、しわくちゃ“でべそ”です。1週間ごとの治療を繰り返しているうちに穴が縮んできて使う綿球サイズが小さいものになっていきます。“でべそ”が、おなかの高さ以上に盛り上がらなくなったら治療終了です。早いとたった2回で終了のこともあります。大きな“でべそ”でもだいたい2~3カ月で治ります。

その後の経過

その後の受診の際におなかを見せてもらいますが、多くのお子さんは、この子が“でべそ”だったとわからないくらいに治っています。

【注意点】1週間フィルムばんそうこうをはっていると、はがしたときに皮膚が赤くかぶれが出るので、最初にステロイド軟膏(なんこう)を処方しておきます。はがした日に一度軟膏を塗っておけば、ほとんどの場合、翌日に治療できます。かぶれが強いとちゃんと治してから再チャレンジです。

※写真は掲載の許可をいただいています

文・写真・監修/太田文夫先生

構成/ひよこクラブ編集部

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