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新型コロナ、正しく怖がって、子どもたちの日常を取り戻そう【小児科医監修】

※写真はイメージです
Yobro10/gettyimages

マスクの着用や3密回避など、長引くコロナ対策が、今、子どもの育ちに影響を与え始めているといわれます。小児救急の第一線で活躍する富山大学附属病院小児科 種市尋宙先生に、コロナ禍で、心配される子どもへの影響について話を聞きました。種市先生は、富山県富山市の教育委員会と連携し、子どものコロナ対策にも積極的に取り組んでいます。

コミュニケーションがとれない、チック…コロナが与える子どもへの影響

日本で新型コロナウイルスの流行が始まって1年がたちましたが、まだコロナとの闘いは続きそうです。こうした中、種市先生は、子どもたちを取り巻く環境が心配と言います。

「保育園や幼稚園の先生たちが悩んでいるのがマスク問題です。先生が常にマスクをしていることで、目を見ただけでは、先生の気持ちが読み取れず不安を覚える子もいるようです。こうしたことが続くとデリケートな子は、今後、コミュニケーションに影響が出るかも知れません。

またコロナ禍のストレスからチックが出たり、すぐに泣いたり、怒りやすくなったりする子も増えています。
ほかにはママやパパのストレスが子どもに向けられたり、外出を控えて家庭で動画などを見せる時間が増えたりすることで健康への悪影響なども心配されます」(種市先生)

小児は重症化しづらく、人にうつしにくい傾向が。小児の正しい情報をチェックして!

新型コロナの状況は、大人と子どもでは異なります。連日、ニュースなどで報道されている新型コロナの情報は、大人向けで不安を誘うものが圧倒的に多いです。
重症化しやすいのは高齢者や基礎疾患がある大人です。子どもは重症化しにくく、国内の小児の新型コロナでの死亡者数は0人です(2021年2月現在)。そのため小児の正しい情報の把握が必要です。

「子ども(中学生ぐらいまで)は、大人と比べると新型コロナに感染しづらい傾向があります。イギリスの研究では、子どもは大人より感染する確率が56%も低いことがわかっています。

理由の1つには、細胞の表面にありコロナウイルスの侵入経路となるACE2受容体の数が、子どもは少ないからと考えられています」(種市先生)

また子どもは新型コロナに感染しても無症状や軽症で、子どもが感染源になることは少ないというのが世界の多くの国々の認識です。

これは富山市の調査でもわかっています。

「富山市は、第一波の流行時から保育園などで感染者が出ると、濃厚接触者に該当する子ども全員にPCR検査を行ってきました。3園で計190名の園児を検査したところ、陽性になった子は0人。だれも感染していなかったのです。先生に聞き取り調査もしましたが、どの園も子どもはマスク未着用、換気・消毒は例年日常通り、給食は対面で食べていました。また子どもたちは、どうしてもくっついて遊びます。それでも感染は広がりませんでした」(種市先生)

とはいうものの幼稚園や保育園、小学校などではクラスターが起きた事例もあります。

「クラスターについては園や小学校の母数と比較してほしいのですが、国内には
幼稚園 1万70園
こども園 5276園
小学校は 1万9738校
もあります。
これまでもそうでしたが、すべての病気にゼロリスクはありません。数えられる程度の施設でクラスターが起きたからといって、過剰なコロナ対策を子どもたちに強いることは、悪影響のほうが大きいと思います」(種市先生)

子どもにも感染しやすいとされる変異ウイルスは!?

新型コロナは変異ウイルスのほうが、子どもにも感染しやすいという報道も出ていますが、種市先生は否定的です。

「子どもは新型コロナの変異ウイルスに感染しやすいかもしれないと発表したのが、ECDC(欧州疾病予防管理センター)です。しかし2021年1月25日、ECDCは“変異ウイルスは、子どもには影響しにくい”と発表し直しました」(種市先生)

またイギリスの年齢別感染者分布を見ても、変異ウイルスは子どもに特別かかりやすい訳ではないことがわかると言います。

「イギリス保健省の公開データをもとに、変異ウイルス流行前後の小児感染者年齢分布を比較してみると

・変異ウイルス流行前(2020年10月23日~29日) 新型コロナウイルスに感染した15歳未満は7%

・変異ウイルス流行後(2020年12月23日~29日) 新型コロナウイルスに感染した15歳未満は8.3%

微増です。この結果からも、変異ウイルスは、特別子どもに感染しやすいとは言えないと考えられます」(種市先生)

子どもには、過剰なコロナ対策よりも心のケアが必要

こうした状況を踏まえて、種市先生は子どもには過剰なコロナ対策より、今は心のケアが必要と言います。

「大人は、子どもにうつさないように、外ではマスクを着用するなど基本的な対策は必要ですが、子どものマスクは2020年8月、世界保健機関(WHO)が“5歳以下の子どもは必ずしもマスク着用にこだわらなくてよい”と発表しています。そのため5歳以下の子は、無理にマスクをつける必要はないと考えていいでしょう。

子どもは、外から帰ってきたときや食事の前など、生活の節目でハンドソープを使って手をしっかり洗う程度の従来通りの基本的な予防のみでいいです。

コロナ禍で、乳幼児を持つファミリーに今こそ大切にしてほしいのは、子どもとスキンシップをとったり、会話をしたりして、子どもが安心できる環境を作ることです。いっぱい遊んであげてください」(種市先生)

お話・監修/種市尋宙先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

種市先生は「長年、小児科医をやっていますが、新型コロナのようなウイルスは珍しい」と言います。インフルエンザやRSウイルス、ロタウイルスなどは急性脳炎や脳症を起こし、これまで元気だったはずなのに急死する子も。しかし新型コロナウイルスは、子どもの死亡例は世界的に見てもごくわずか。亡くなった子は、重篤な基礎疾患がある子たちが多いです。新型コロナの流行から1年がたち、種市先生をはじめとした小児科医からは、子どもには過度な感染対策よりも、日常を取り戻し、健康的な生活を送るほうにかじを切る必要があるという声が上がり始めています。

種市尋宙先生(たねいちひろみち)

Profile
富山大学附属病院小児科講師。専門は小児救急・集中治療。米国心移植目的の海外搬送チームリーダーなどを務める。現在、富山市新型コロナウイルス感染症対策検討会議座長。4人のお子さんのパパ。

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