寂しさと不安いっぱい。主治医が飛ばしたげきにハッとした【2人目出産体験】
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子ども3人の母で、現在はライターや校閲の仕事をしながら、PTA活動やボランティア活動などをしている【うずマキコ】です。30歳のときに、2人目となる長男を妊娠しました。長女と2つ違いを望んで、その通りの妊娠となったので、計画的な妊娠となりました。
1人きりで不安な時間を過ごした陣痛室
長女にまだまだ手がかかるときの妊婦生活というのは大変なもので、両親には本当に助けてもらいました。実家近くの個人病院に通っていたので、出産の2ヶ月ほど前から、長女とともに実家で生活していました。
ある日の夜中、陣痛が始まり、翌朝に母と一緒に病院へ行って入院しました。母が出産までついていてくれるはずでしたが、助産師さんに「帰ってよい」と告げられ、母はそのまま仕事へ。私はすっかり母を頼りにしていたので、帰ったのを知ったときは、気分が沈んだのを覚えています。
小さな個人病院のため、陣痛室にベッドは2つ。カーテン越しに、隣のベッドの声が聞こえてきて、寂しさと不安でいっぱいのときを過ごしました。
陣痛を逃すのに話し相手がいないのは、こんなにも寂しく不安だなんて。知っていたら、少しでも気を紛らわすためにお気に入りの本を持ち込んだのに。
寂しさの余韻と痛さと苦しさで、半ばパニック状態に
「そろそろ分娩室へ移りましょう」と言われ、入り口とは別の扉を開けたら、すぐ分娩台。移動に苦労することなく、すぐに出産に臨めるとわかってホッとした気持ちでした。
でも、分娩台に上がってからは痛くて苦しくて、うまくいきむことができず、半ばパニック状態。いつも優しい女性の主治医から「赤ちゃんも苦しい思いをしているのよ。しっかりしなさい!」と、げきを飛ばされて、ハッとしました。「苦しいのは私だけじゃない」と。
それからは、産むことに集中。無事に長男が生まれました。先生は開口一番に、「お耳が大きい子ね~」と。この言葉を聞いて、安堵感でいっぱいになりました。
のんびり過ごした産後
長女の時は総合病院で、スケジュールなど何から何まで細かく決まっていたので、授乳時やおむつ替えの消毒や家族の面会時間、悪露の処理の仕方など、細かい決まりもなく、大まかなスケジュールだったこの病院には驚きました。個室だったので、他の方の様子は全くわからず、長女の時とは違った入院生活を過ごしました。
助産師さんからの退院後の過ごし方の指導でも、「少々部屋にほこりがあったとしても、気にしなくていいのよ。気持ちをゆったりと赤ちゃんと過ごすことの方が大事」とアドバイスされました。産んだはいいけど、「子ども2人もちゃんと育てられるのかしら」と不安に思っていたので、これが大きなアドバイスとなりました。
長男が生まれたあとは、夫が長女を家に連れて帰ったのですが、夫も長女と2人きりの貴重な数日を過ごしたようです。
長女も入院中に1回でしたが、病室を訪れてくれました。お姉ちゃんになった長女は、恥ずかしそうな、珍しそうな様子。きっと、久しぶりに会うママと、初めて会う小さな赤ちゃんを前に、どうしたらよいかわからなかったのでしょうね。
退院後しばらくは実家で、今度は長男も一緒に、長女と3人で過ごしました。長女は日に日に長男に慣れ、沐浴を手伝ってくれたり、あやしてくれたりとお姉さんらしさが出てきました。それで、自分の家に戻ってからも、すんなり家族3人から4人への生活へと入ることができました。
二人目の出産となった長男は、妊娠40週3日に、体重2902g、身長51㎝で誕生しました。長女よりもちょっとスリムで背が大きいサイズ。全身を真っ赤にして、悲鳴とも思える高い声で「キャー」とよく泣く子でした。うんちの回数や状態、母乳の飲み方など、女の子と男の子の差もあるでしょうが、さまざまなところで長女との違いに個性を感じて、それもまたかわいらしさだと、2人の子育てに追われながらの幸福感を感じました。
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[うずマキコ * プロフィール]
子どもは高校生2人と小学生1人の3人です。出産は遠い昔のこととなりましたが、三者三様、妊娠から出産までそれぞれ違いました。子どもたちの誕生日が来るたびに、出産の日のことを思い出し、誕生日をお祝いできることを幸せに感じます。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。