“胎児とも心が通う?” 胎動を感じながら、親子で楽しんだ私の「胎教」体験記
男の子と女の子の2児の母で、編集者やライターの仕事をしている“ママにエール”です。私が第1子を授かったのは30歳のとき。当時はフルタイム勤務をしていました。今思うと「慎重すぎたかな」と感じますが、“初めての妊娠”で、できる限り体に負担をかけたくなく、5ヶ月の安定期に入る頃に退職しました。
始めに赤ちゃんに語りかけ、クラシック音楽や絵本も
待望の初妊娠で、出産に関する本を熱心に読んでいた私。もともと“胎教”には興味があり、さらに仕事を辞めて時間に余裕も。「効果があるかは未知数でも、もしプラスになる可能性があるならやってみよう」と、“胎教”を始めました。
まずは、本やネットの情報でもよく取り上げられ、自分でも良さそうと感じたクラシック音楽を流して生活。特に、私が読んだ本などで“胎教”に良いと評判のモーツァルト中心に選曲しました。日常にいつもとは違う上品な空気が漂うようでした。
さらに、絵本の読み聞かせも開始。妊娠がわかった頃からつけていた胎児名を呼んで語りかけ、子どもができたらいつか読んであげたいと思っていた「星の王子さま」を、1日に何ページか読んでいました。
産院主催のマタニティビクス。共有体験の楽しさ実感
自分なりに“胎教”を始めたものの、その効果を感じられないまま過ごしていたある日、私が通う産院主催で行っている“マタニティビクス”に参加しました。安定期に入り、体調も安定しているために主治医からOKが出たのです。
運動の開始前と終了後には、看護師さんが妊婦の体調管理のため脈拍と血圧を測定するとのこと。同時に、赤ちゃんの心音も確認しました。運動前に「コッ、コッ…」と響くかわいらしい心臓の音を聞いて、私は「ママとがんばろうね」と、赤ちゃんと一緒に運動する気分になりました。
実際に体験した“マタニティビクス”は、予想に反して激しい動き。妊婦さん向けのゆるやかな体操かと思いきや、良い意味で裏切られました。音楽に乗って思いっきり体を動かす爽快さ! 「妊婦でも、体調が良ければここまで運動できるんだ」と新発見しました。
終了後に聞いた我が子の鼓動も早く躍動していて、「2人で運動した」という共有体験をしたようで、なんだかうれしくなりました。
胎動を感じながら、オーケストラコンサート堪能!
“マタニティビクス”での体験から、「赤ちゃんと一緒に楽しみたい」という気持ちが強くなった私は、結婚の際に上司からのお祝いチケットで行った“オーケストラコンサート”のことを思い出しました。初めて鑑賞したプロの本格的なオーケストラ音楽は、高尚で少し硬い雰囲気かと思っていた私の想像とは、全く違っていました。
ユニークな指揮者は観客の手拍子にまでタクトを振って、会場全体で音楽を作り上げた、「あの面白さ!」。そんな感覚を今度は親子で味わいたいと、早速チケットを購入。夫も誘って、おなかの子と3人でコンサートに行きました。
ママも楽しむ気持ちは、胎児に届くものなのでしょうか…。アップテンポな曲では、ノリノリな感じでおなかを蹴ってくる赤ちゃん。山場で演奏が盛り上がると、“ぐにゅり”と大きな胎動も。そのおなかを触って笑う、私たち夫婦。出産前から、親子3人でコンサートを満喫しました。
親子で「初めて」を体験! 歌舞伎の世界に触れる
赤ちゃんと楽しむことに目覚めた私は、出産前に「初体験をしておこう」と思い立ち、“歌舞伎”の世界を経験することにしました。産後はなかなか時間もとれないだろうし、今のうちに新しいものに触れたいという気持ちがあったのです。
学生時代、日本の芸能に触れる課題で“文楽”を鑑賞し、思いがけない味わい深さにノックアウトされ、「知らないでやらない」のと「知っていてやらない」のは大きな差があると心から実感しました。子どもにも、自分の中の“引き出し”が多い人でいてほしいと思います。
歌舞伎の独特の表現。観客が俳優に向かって屋号の掛け声をかける不思議な空気感。初体験は刺激が満載! おなかの子にも、ママが感じた刺激は伝わったように思いました。
ママと“胎教”を楽しんだ我が子は、妊娠40週、身長51.5cm、体重3004gで無事に生まれました。実際にそうかは分かりませんが、私なりには良い影響があったのではと感じています。というのも、興味の範囲がとても広い子で、初体験のことを提案すると「いいねー」という返事がすぐに返ってきます。一緒に楽しんだ感覚が、生まれてからもこの子の体に残っているように感じるのです。私もまだまだ、未体験のことはたくさん。子どもとともに経験を重ね、親子共々“引き出し”を増やしたいなと思う今日この頃です。
[ママにエール * プロフィール]
おしゃべりな鉄男の息子と、天真爛漫な自由人の娘、2人の子を持つ母。化粧品会社・ITベンチャー・雑誌社などを経験後、フリーライターに。良いことも悪いことも全部力にできるようなエールを全てのママに!
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。