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「ある日突然…」、多くの人に知ってほしい!妊娠中の胎盤のトラブル【専門医】

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部屋の中で腹を吸って妊娠中の女性
west/gettyimages

妊娠中、赤ちゃんのそばにいて、いつも赤ちゃんを守ってくれる存在、それが胎盤です。だからこそ胎盤にトラブルが起こると、影響も大! どんなトラブルが起こりやすいのか、妊娠経過や出産はどうなるのか、説明します。

胎盤トラブル1 前置胎盤

【どんな状態?】「前置胎盤」は、子宮口の近くに受精卵が着床したり、またはなんらかの理由で胎盤が子宮口の近くに形成されたりすることで、胎盤が子宮口をふさいでいたり、子宮口にかかっていたりする状態です。胎盤の位置によって「全前置胎盤」「部分前置胎盤」「辺縁前置胎盤」などの種類に分かれます。

【妊娠中の過ごし方は?】無理せず、体に負荷がかかる重労働は控えて。必ずしも安静が必要なわけではありませんが、おなかの張りや痛み、出血があったら、すぐに受診しましょう。

【出産はどうなる?】基本的に帝王切開になります。30週以降は大出血することも多いので、管理入院をすすめられることもあります。

胎盤トラブル2 常位胎盤早期剝離

【どんな状態?】
通常、胎盤がはがれるのは赤ちゃんが生まれたあとですが、子宮内に赤ちゃんがいるのに先に胎盤がはがれてしまうこと。胎盤本来の働きができなくなるため、母子共に非常に危険な状態になります。出血や突発的な強い痛みがありますが、出血がない場合や軽い張り程度の場合も。

【リスクが高くなるケースは?】
原因は今のところわかっていませんが、妊娠高血圧症候群や切迫早産の妊婦さん、以前「常位胎盤早期剝離」になったことがある妊婦さん、喫煙している妊婦さん、高年齢の妊婦さんなどはリスクが高くなることがわかっています。

【出産はどうなる?】
赤ちゃんが生きていると判断された場合は、緊急帝王切開など分娩を急ぎます。残念ながら胎内で赤ちゃんが亡くなってしまった場合は、帝王切開のリスクを避けるために、輸血を先行することも。

胎盤トラブル3 胎盤機能不全

【どんな状態?】
赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶ、胎盤本来の働きが機能しなくなり、赤ちゃんの成長に影響が出てくる状態のこと。赤ちゃんの心拍が低下したり、羊水量が減少したり、赤ちゃんの元気もなくなってきます。「胎盤が古くなっている」などといわれることもあります。

【出産はどうなる?】
胎盤機能が低下すると、赤ちゃんの状態が悪くなるので、その前に誘発分娩を行うことになるでしょう。赤ちゃんが陣痛のストレスに耐えられるかどうかをチェックし、心拍が下がるようなら、帝王切開になります。

胎盤トラブル4 癒着胎盤

【どんな状態?】
通常は赤ちゃんが誕生して間もなく、軽い子宮収縮が起こって胎盤がはがれ出てきます。ただ、なんらかの理由で胎盤の一部かすべてが、子宮内膜または子宮筋層にまで食いこんではがれない場合があります。この状態を「癒着胎盤」と言います。

【出産はどうなる?】
癒着の程度にもよりますが、ただ胎盤が出てきにくい場合は、子宮収縮剤を使って胎盤を出したり、医師が手を入れてはがしたりすることもあります。ただ、癒着が強い場合は、そのまま経過を見るケースや、出血や熱があれば子宮を摘出しなければならないこともあります。

妊娠中、胎盤を意識することは少ないかもしれません。でも赤ちゃんにとって命を支える臓器とも言える胎盤。妊婦さん自身がトラブルを未然に防ぐのは難しいですが、妊婦健診を欠かさずに受けて、おなかの赤ちゃんの健康を守っていきましょう。

参考/たまごクラブ2020年9月号「『胎盤にトラブルがある』と言われたら…」

牧野真太郎先生
Profile
2001年順天堂大学医学部卒業。同大学医学部産婦人科講座入局。専門は周産期医療。

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