無理矢理を求める息子の意外なワケ[夫婦のじかん大貫さんのママ芸人日記#99]
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるコラム連載「ママ芸人日記」、今日も始まります!
【第99回】無理矢理を求める息子の意外なワケ
もうすぐ3歳になる息子。
保育園へ登園する際は、園に着いてから手を洗ったりトイレでおしっこをしたりといろいろとやることがあります。
しかし、水が冷たいのが嫌で手を洗いたくなかったり、お尻を出すのが寒くてトイレに行きたがらなかったりと、難関だらけの毎朝。
そんなある日、またいつものように手洗いやトイレを拒否して、なかなか教室へ行こうとしない息子。
こういうときは、まずはちゃんと目を見てきちんと伝え、どうして手洗いやトイレが必要なのかと説得します。
機嫌がいいときはしぶしぶ「わかったよ…」と言って聞いてくれることもあるのですが、まぁまずそんなにスムーズにいくことはありません。
次に、教室に行けば楽しいことがたくさんあるよ!ということを力説します。
お友だちもいるし、おもちゃも絵本もあるし、先生もいるしと、思いつく楽しそうなことをとにかく羅列し、そのためには手洗いとトイレを頑張ろうねと促します。
ここで理解してくれることもありますが、だったら手洗いなんかしなくてもすぐに教室に行きたい!と駄々をこねることが大半です。
こんなふうに説得してもダメな場合は、もう最終手段としては無理矢理連行するということになってしまいます。
なるべくなら無理矢理という手段は使いたくありません。
泣きわめいてしまうことも多いですし、こちらの体力的にもしんどいですし、第一に、ちゃんと話を理解した上で行動してほしいという気持ちがあるからです。
とは言え、やはりどんなに頑張ってもダメなときはダメ。
仕方なく息子に選択させることにしました。
「これ以上イヤイヤしてるんだったら無理矢理連れてっちゃうよ?無理矢理なのと、自分でちゃんと行くのとどっちがいいの?」
どうにか自主的に行動してほしい。
そんな思いから、無理矢理よりは自分で行った方がいいよねという誘導じみた質問をしました。
すると息子は
「無理矢理!無理矢理がいい!!」
と即答。
……なんで?
「無理矢理じゃ…やだよね?無理矢理じゃないほうがいいよね?」
と聞いてみても、
「無理矢理!」
と両手を広げて抱っこを要求する息子。
どうやら、「無理矢理」=「やってもらえる」という解釈をしているようです。
自分で行くか、抱っこで行くかの違いくらいに思っている息子は、「無理矢理!」と連呼しながらひたすら抱っこの要求を続けます……。
その後も、抱っこをして欲しい場面で「無理矢理!」が発動するように……。
ちょっと意味が違うんだけどな、と思いながらも、その様子がかわいらしくついつい抱っこしてしまうダメ母なのでした……。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
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吉本興業所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。
・「夫婦のじかん」YouTubeチャンネル
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