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小学校でトラブル続き…発達障害&グレーゾーンの3人の子どもを育てるママ、SNSで話題の子育て術

娘と話しているアジアの母
※写真はイメージです
kokoroyuki/gettyimages

長男が小学校1年生で自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断され、試行錯誤しながら編み出した子育てアイデアの情報を発信している大場美鈴さん。著書の『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』も話題となっています。大場さん自身の子育て期のことや、発達障害のある子を育てるママとしての気持ちなどについて話を聞きました。

一瞬も目が離せない子、日常生活のハードルが高かった

――長男が小学校1年生で自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されたとのことですが、就学前はどんな様子でしたか?

大場さん(以下敬称略) 赤ちゃんのときはかなりこまぎれ睡眠で、まとめて寝てくれない子で、半年ほどは15分おきくらいに母乳をあげる生活が続いていました。カーテンを開ける音でも起きるくらい音にも過敏。触覚も敏感で、肌着の背中に寄ったシワがゴロゴロするのがイヤで泣く、ということも。当時は泣いている理由が全然わからず、第1子だったこともあり、とくに繊細で過敏なタイプだとは気づきませんでした。きっとみんなが通る道で、子育てって大変だなぁと思っていました。

幼児期は、すごく好奇心が旺盛で活発。言葉の遅れもなく、よくしゃべりよく笑う子だったので、乳幼児健診で発達の心配を指摘されたことはなかったんです。ただ、歩き始めるようになったころから、すぐどこかへいなくなってしまうので危なくて目が離せませんでした。

ショッピングカートに乗せて一瞬目を離したすきに転落したとき、公園でほかの子が遊んでいるブランコの下に落ちているものが気になって突っ込んでしまい、頭をブランコに打ったときには、救急車で搬送されました。

――下のお子さんたちも生まれて、日々のお世話が大変だったのではないでしょうか?

大場 2才差で次男が、5才差で長女が生まれました。長男はいっときも目が離せない状態で、着替え、食事、歯磨きなど日常生活の1つ1つのハードルがすごく高く、時間もかかったので、普通の生活を送ることが夢のような感じでした。いつも洗濯物は山積みだし、家事なんかほとんどできない状況。食事など最低限のことをするだけで精いっぱいでした。

――5才、3才、0才の3人の子育てに加え、長男が目が離せないという環境では、大場さん自身も煮詰まってしまいませんでしたか?

大場 そうですね…睡眠時間もあまり取れなくて、パパにも「あんまり笑ってないね」と言われたことがあったくらい、疲れきっていたと思います。長男に怒ってしまうことも多くて、今日もまた怒っちゃった…という罪悪感がいつもありました。寝顔を見ながら、怒っちゃってごめんね、と毎晩のように1人反省会をしていました。

――では、幼稚園に通うようになったころの長男はどんな様子でしたか?

大場 年少さんの初めごろの登園時に泣く子は少なくないですが、ほかのお子さんが半年〜1年くらいで慣れて落ち着いていくのに、長男は年少・年中・年長の3年間の毎日、登園しぶりが続きました。

朝、泣いている長男を幼稚園の先生に引き渡して、1日中先生が長男を抱っこしてくれていた、ということも。また、幼稚園行事の負担は大きかったですね。発表会では棒立ちになってしまったり、運動会では、逆走してしまったり。なかなかみんなと同じにやるということは難しかったかなと思います。

けれど、幼稚園の先生方はとてもおおらかで「お母さんが大好きなのね」「下の子が生まれたから赤ちゃん返りかもね」と、ちょっと手がかかる子、くらいの対応をしてくれていました。専門機関への相談をすすめられることもなく、それで気づくのが遅れたという面はありますが、私にとっては安心して子どもを預けられる場所でした。

小学校ではトラブル続き…発達障害の診断がおりて、実はほっとした

――小学校入学後に医療機関を受診されたそうですが、どんなことがきっかけだったのでしょうか。

大場 小学校に入学してからは、息子にとっては漢字学習や宿題の負担が大きかったようで、学校に行きたくないと泣いて嫌がる日もありました。ほかにもトラブルが多く、学校の先生から電話で「今日はこんなことができませんでした」と連絡されることが増えていきました。

私も当時は「発達障害」という言葉も知らなかったので、とにかく「ちゃんとさせなくては」という思いが強く、毎日怒っていました。

「〜しなさい」「〜しなきゃダメ」などの指示・命令・禁止の言葉が多かったんです。ただ、何度口酸っぱく言っても、迫力で押し切って言うことを聞かせても、長男はすぐ忘れてまた同じことを繰り返してしまう。本人いわく「言葉は消えていっちゃう」のだそうです。こんなに毎日しかっているのに、うまくいかないなぁと感じていました。

どうしたらいいか途方に暮れていたとき、たまたまパパが読んでいる本で「発達障害」という言葉を知りました。長男はひょっとしたらそうかもしれないと思い、すぐに専門病院に予約を入れ、小1の年の10月に受診しました。

――診断がおりたときの気持ちを教えてください。

大場 ほっとしました。自分ではほかのママたちと同じように育てているつもりだったんですが、うまくいかなくて、私の育て方が悪いのかとすごく悩んでいたんです。診断がおりて、親の育て方のせいでもないし、子どものせいでもないとわかったのはよかったです。理由がわかったので、子どもができないことに対して、サボっているとか、努力不足だと責めずに済むようになりました。

独学で伝え方の工夫を積み重ね、家族が平和で過ごせるように

大場さん作 おうち標識

――その後は療育などは受けられたのですか?

大場 その当時は今よりもサポートの選択肢が少なく、施設は遠方で、弟妹もいたので療育に通うことは現実的ではありませんでした。そのため、独学で発達障害のことやカウンセリングや心理学の本を読んで、家でできる遊びの延長で、自然に続けられる方法を模索しながらやってきました。

――独学で学んで実践するのは、なかなか大変そうに思いますが…

大場 うーん…でも、それまではお手上げ状態だったのが、できることがあるとわかって道が開けたような気がしました。自分ももともと、工夫をしたり絵を描いたりすることが好きだったのもよかったと思います。

――子どもへの伝え方を変えて、どのような変化がありましたか?

大場 声かけだけではなく、育児全般を見直したんです。家の中に「熱いから触らない」「危ないから登らない」といった意味の標識をつける、宿題をするとき雑音が入らないようにイヤーマフをつける、など、自宅内の環境を調整したり、視覚支援を取り入れたりしました。声かけもその一環です。うまくいかなかったら見直して、少しずつ自分なりのノウハウを積み重ねました。

環境や伝え方を少しずつ工夫して変えてみると、私が怒ることが少なくなって、家の中がかなり落ち着きました。また、子どもが理解しやすい伝え方に変えたことで、着替えや歯磨きなどの日常生活のハードルが下がり、生活が回るようになったのも大きな変化でした。

――大場さん自身もASDの傾向があるそうです。そのために子育てで苦労したことや逆によかったことはありますか?

大場 私は正式に診断されたわけではないのですが、子どものために集めた本を読んで、私自身もそんな傾向が当てはまると感じたんです。子どものために身につけたノウハウを応用することで、自分自身もかなりラクになりました。たとえば、なくしやすい学校のお便りは写真を撮っておくような工夫ですね。

また、子どもの気持ちを理解する上で役立っていることもあります。私も昔は学校が嫌いだったので、子どもが行きたくないと言うと「そりゃそうだよね」と共感できるんですよね(笑)。正論で「行かなきゃダメでしょ!」と言われない分、グチを素直に話してくれ、少しスッキリして、結果的に学校に行けたこともありましたよ。

お話・監修・画像提供/大場美鈴さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

大場さんからは「親の愛情は言葉にしなくても伝わると思っていたけれど、長男には面と向かって『大好きだよ』『大事だよ』と伝えなければわからなかった」という話もありました。親子だからこそ、一方的ではなく、相手がどうしたら理解できるかを考えて伝えるコミュニケーションが大事なのでしょう。

大場美鈴さん(おおばみすず)

Profile
1975年生まれ。うちの子専門家。美術系の大学を卒業後、出版社で医療雑誌の編集デザイナーとして勤務し退社。実父の介護経験を経て、結婚。3人の子宝に恵まれる。長男はASDの診断とLD+ADHDの傾向がある。次男、長女はいくつか凸凹特徴があるグレーゾーン。2013年より、「楽々かあさん」として育児の傍ら日々の子育てアイデアをシェア・情報発信する個人活動を開始。「声かけ変換表」がネット上で14万シェアを獲得して拡散し、話題に。

楽々かあさん公式ホームページ

『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』

3人の子どもたちの子育て真っ最中の著者が、発達障害のある・なしにかかわらず、どんな子にも伝わりやすい166もの声かけ変換例を、身近な話で「具体的に」「わかりやすく」伝えています。

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