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「育児を大変にしているのは夫婦のずれ」、子育ては1人ではなくチームで。自分の半径2メートルの空気を変えることが大切

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日本のカップルは、ボトルから赤ちゃんのミルクを供給
●写真はイメージです
Milatas/gettyimages

厚生労働省では、2022年10月から「産後パパ育休」をスタートしました。「産後パパ育休」は、これまでの育休とは別に取得が可能で、政府はパパの育休を促進したい考えです。2025年までにパパの育休取得率30%という目標も掲げています。産後の夫婦の協業などをテーマにワークショップなどを行う狩野さやかさんに、パパが育休を取ることの必要性などについて聞きました。

産後パパ育休がスタート! どのように育休を有効に使うかが問われる時代に

2022年10月からスタートした「産後パパ育休」は、赤ちゃんの出生後8週間以内に4週間まで取得が可能で、2回に分けて取ることもできます。原則子どもが1歳(最長2歳)まで取得ができる育休(育児休業制度)とは、別に取得ができます。
また東京都では、育休は休みではなく、社会の宝である子どもを育む期間。育児も立派な仕事という理念を広げるため、育休の愛称を募集。愛称は「育業(いくぎょう)」に決定し、普及活動に努めています。

「東京都のように愛称を決めて、世の中に普及させていくというのはいい流れだと思います。
しかしなにより大切なのは、パパ自身が育休をどのように取得して、有効に使うかという意識です。同時に会社側も育休取得を社会問題として捉え、子どもが生まれる男性従業員が育休を取得しやすい環境を整備していくことが欠かせません。これからは“育休を取得しにくいなら転職を考える”というパパも増えてくるかもしれません」(狩野さん)

赤ちゃんが生まれて生じる夫婦のずれ! パパへの信頼を失うママも

狩野さやかさんは著書『ふたりは同時に親になる』の“はじめに”で「世の中では、保育園の待機児童の問題や男性の育児休業取得率、働き方改革などが社会問題として取り上げられるようになり、社会システムを整備すべきとの声はどんどん大きくなっています(中略)。しかし“大きな社会問題”では語れない、もっと小さな家の中、狭い部屋の一室で(子育てを巡る夫婦の)問題は起きています」と、書かれています。狭い部屋の一室ではどのような問題が起きているのでしょうか。

「赤ちゃんが生まれることで、多くの夫婦はずれを感じます。ずれの理由や度合いは、人それぞれです。私が運営するパパ・ママ向けの講座やワークショップ“patomato~ふたりは同時に親になる”(パトマト)では、コロナ禍の2020年11月 ウェブアンケートを実施しました(回答者77人)。“産後1年以内の育児生活で大変だと感じたこと”に対する、ママの声を紹介します」(狩野さん)

●パパは夜中、赤ちゃんが泣いてもまったく起きず私1人ばかりが起きてあやしていたので、彼に対しての信頼度も減っていきました。

●家にいるからひまだとパパに思われ、産後のつらさを理解されなかった。

●パパがお出かけに連れて行ってくれるのはうれしいが、朝の家事をこなしながら子どもの身支度や持ち物の準備を私が1人で、すべてやらなければならず「休日はパパもいるのに、なんでいつも私が?」と思ってしまい負担に感じていた。パパは、その状況をわかっておらず「お出かけすれば、ママは気分転換できている」「家族で楽しく休日を過ごしている」と思っている! ささいなことでも困っていることや不満を共有して「手伝う」ではなく「一緒に子育てする」意識を持ってもらうことの難しさを感じた。

●ワンオペで、子育てがつらかったです。とくに下の子は、すぐに発熱したり、けがもしたりしていて、毎日のように通院していました。夫婦なのに協力してもらえず大変でした。

「こうした夫婦のずれは以前から多くの人が経験していましたが、私が出産した16年ほど前は、保育園の数がたりないなど、社会制度の不備に注目が集まっていました。当時私は夫婦ともにフリーランスで保活の点数が極めて低く、初めからあきらめていたほどです。その後2016年に“保育園落ちた日本死ね!”と題した匿名ブログが国会でも取り上げられて、待機児童が社会問題となりました。
しかし、待機児童問題が改善され始めたり、パパの育休制度が進んでも、夫婦の意識のずれが解消されたとは思えません。制度が整うことはもちろん歓迎すべきことではありますが、制度だけでは夫婦の意識のずれは解決できません。

大切なのは自分の半径2メートルの空気を変えていくことです。たとえばパパが育休を取っても、家で家事・育児をしなければ、夫婦のずれは深まるばかりです。
またママの側は、パパに自分の家事・育児のやり方を押しつけてしまいがちです。しかし、それでは夫婦のずれは一向に埋まりません。夫婦のずれを減らすには“2人で60%できていれば合格”ぐらい、いい意味でのゆるさを持ちましょう。夫婦で“こうあるべき”というこだわりを捨て、半径2メートルの空気を夫婦で変えていくと、育児を2人でやりやすくなります」(狩野さん)

大切なのは、育児でいちばん大変なとき・つらいときをママ1人で乗りきらないこと

狩野さんは、ワンオペ育児は産後うつを発症するリスクにもなり、危険だと言います。

「赤ちゃんが生まれた後の夫婦のずれで“なんでパパは、私の大変さに気づいてくれないの?”“見ていたら、育児が大変ってわかるよね?”とモヤモヤを抱えるママもいますが、パパは直接、言わないと気づかないことが多いです。
そのためママが本当につぶれてしまう前に“子育ては私、1人ではできない!”“このままだと自分が壊れそう”とストレートに伝えてほしいと思います。

大切なのは、育児でいちばん大変なとき・つらいときをママ1人で頑張って乗りきらないことです。こうした経験は、負の記憶となって、10年後、20年後、30年後も忘れることができません。

しかしどんなに育児が大変でも、夫婦で乗りきったり、気持ちが共有できていると、いつしかいい思い出になります。夫婦の絆も深まります。
今の夫婦のカタチが、ママ・パパが本当に求めていたものなのか、もう一度、見つめ直してほしいと思います」(狩野さん)

お話・監修/狩野さやかさん 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

産後のママたちの孤独感や閉塞感は、狩野さん自身が育児をしていた16年前と比べてもほぼ変わっていないと感じるそうです。子育て中の孤独感や閉塞感はママのメンタルヘルスの不調にもつながりやすいもの。夫婦のずれをなくすためにお互いの気持ちをさらけ出して、納得するまで話し合い、歩み寄るようにしてみませんか。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

狩野さやかさん(かのうさやか)

PROFILE
株式会社Studio947のデザイナーとしてwebやアプリの制作に携わる一方、2015年から「patomato~ふたりは同時に親になる」を運営。産後の夫婦の協業をテーマにしたワークショップや講演会を行う。また教育のICT活用や子ども向けプログラミングに関する記事も執筆。書著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』(猿江商會)ほか。

『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』

「笑っていっしょに楽しく育児をしたい」――ママ・パパともそう思っていたはずなのに、2人はなぜ出産を機に、ずれ始めてしまうのか!? 2人で同時に親になるために必要なことがわかる本。狩野さやか著/1650円(猿江商會)

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