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「ブラック保育園のリアル」著者にきく!本当に良い園に預ける方法(後編)

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保育園の待機児童問題が話題になる陰で、ずさんな保育を行っていたり、保育士へのパワハラが横行していたりと、事件・事故と隣り合わせの悪質な園も後を絶ちません。子どもの安全を守るために、ブラック保育園を見分けるにはどうすればいいのでしょうか? 前回に引き続き、「事故と事件が多発する ブラック保育園のリアル」(幻冬舎)の著者、脇 貴志さんにお話を伺いました。

何でも親の希望を聞いてくれる園=良い保育園ではない!

――良い保育園、悪い保育園を見分けるには、どうすればよいのでしょう。

 お父さんお母さんが陥りがちな罠は、「自分たちの希望を聞いてくれる保育園こそが、良い保育園」と思ってしまうことです。例えば「多少お迎え時間をオーバーしても大目に見てくれて、延長保育料を払わずに済んでいる。あそこは良い保育園だね」と考えてしまう。
しかし、保護者にとって都合がよくても、肝心の保育がずさんだったら意味がありません。親からクレームがつかないようにと神経を削らせるあまり、子どもたちへの対応がおろそかになっているケースもあるからです。

――では、どういう保育園が良い保育園なのでしょうか?

 これまで私が多くの園を見てきた中で感じる「良い保育園」の定義とは、親の融通を聞いてくれるとか、施設が新しいとか、備品が揃っているとかではありません。「普通のことが当たり前にできる保育園」です。
「普通」の基準は、保育園ごとに千差万別です。保育士がきちんと挨拶をするか、言葉遣いが乱れていないか、部屋が散らかっていないか、園児ににこやかに接しているか…。これから保育園の見学をされる方は、その園が「どの程度のことを当たり前だと思っているのか」を、よく見きわめることが大切です。普通の基準が限りなく低い場合、リスク管理に対する意識も低く、いつ事故が起こってもおかしくない危うさを秘めているためです。

――園の見学は必ずしたほうがいいのですね。園によっては見学予約だけでも激戦で、「どうせ入れないかもしれないのに、意味があるの?」とぼやいていたお母さんもいました。

 ええ、それでもぜひ見学はしてください。最も大事なのは、第一印象での保護者の直感です。インターフォンを押しても誰も出ない、ぶっきらぼうな対応をされるなど「ここはちょっと……」と直感で思った園は、実際に良くない保育園である確率がきわめて高いのです。
また、どんなに口コミが良い園でも、現状は全く違う園である可能性は大いにあります。大切なお子さんを日々預ける、いわば運命共同体ともいえる相手を選ぶわけですから、周りの意見に惑わされず、ぜひ直接ご自身の目で見きわめていただきたいと思います。

保育園=育児のパートナー。前向きな関係性が、より良い保育環境を作る

――すでに保育園に預けている保護者の心構えはありますか?

 前編で「どの保育園も例外なくリスクを抱えている」と述べましたが、限りなくリスクを減らすことはできます。それにはもちろん保育園側の努力が大前提ですが、保護者側も「預けたらあとはお任せ」ではなく、保育現場を取り巻く諸問題に関心を持ち、積極的に関わろうとする姿勢を持っていただきたいのです。

――例えば、どのようなことでしょうか。

 まず、日々の保育士とのやり取りを大切にしてください。目先の要望や苦情ばかりを厳しく伝えるのではなく、「いつも子どもが園での様子を楽しそうに教えてくれるんですよ」など、感謝の気持ちも含めた建設的な意見を伝えてほしいのです。
また、最近さかんに報じられているように、保育士の多くが激務で給料も安く、長くは続かないのが現状です。預ける立場として「これくらいしてくれて当然」と思わず、子どもを共に育てるかけがえのないパートナーとして、ぜひ前向きな関係性を構築してください。そうした心強い保護者の存在が、強力な後ろ盾となり、より良い保育環境の実現につながるはずです。

事故と事件が多発する ブラック保育園のリアル」(幻冬舎)

30000件もの事故現場を見てきた著者が、安全管理を行っていない「ブラック保育園」の実態、ブラック保育士・園長の見分け方、保育施設を選ぶ際のチェックポイントなどを解説します。

(ライター・武田 純子)

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※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

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