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腎臓・泌尿器・性器の病気 【0~1歳】 赤ちゃんがかかりやすい病気の話

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Kritchanut/gettyimages

泌尿器の病気で赤ちゃんに多いのは、細菌感染による尿路感染症(にょうろかんせんしょう)です。風邪の症状がないのに、高熱が出たときはこの病気が疑われます。性器の病気は生まれつきのものがほとんどです。気になるときは受診しましょう。

尿路感染症(にょうろかんせんしょう)

*かかりやすい時期・季節/1カ月~・通年
*主な症状/発熱、腹痛、下痢、嘔吐

尿路感染症 こんな症状

★尿路に細菌が感染して炎症を起こします
 細菌の感染により尿路に炎症が起こる病気です。尿路とは、腎臓(じんぞう)、尿管(にょうかん)、膀胱(ぼうこう)、尿道(にょうどう)までの、尿がつくられて排尿されるまでの通り道です。炎症の部位により、膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)などと呼ばれますが、乳幼児期にはどの部位の炎症か判断できないことが多いです。
 風邪の症状がなく、38度以上の発熱の場合は、この病気を疑います。また尿路感染症を起こした赤ちゃんの約半数は、膀胱尿管逆流症(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょう)など生まれつき尿路に問題があるので、尿路感染症と診断されたら、精密検査を行います。

尿路感染症 治療とホームケア

★完治するまで抗菌薬を服用または点滴します
 入院治療になります。輸液で水分を補充して尿量を増やし、抗菌薬を静脈から投与または内服します。尿路に問題がないとわかるまでは、感染防止のために抗菌薬の投与を継続することもあります。
 女の子は尿道から大腸菌が侵入しないように、おしりをふくときは必ず前から後ろへとふきましょう。

鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)

*かかりやすい時期・季節/新生児期~・通年
*主な症状/鼠径部や陰嚢がふくらむ

鼠径ヘルニア こんな症状

★ときどき太もものつけ根がふくらみます
 おなかの中にあるはずの小腸が、太もものつけ根にある小さな穴から、陰嚢(いんのう)や鼠径部にはみ出すもので、いわゆる「脱腸」です。
 普段はふくらんでいませんが、排便時や泣いたときなど、おなかに力が加わったときにふくらみが目立ちます。痛みはありません。男の子に多く、小腸が陰嚢の中に入り込んで、陰嚢が大きくなることもあります。女の子の場合は、卵巣が入り込むことがあります。
 鼠径ヘルニアの症状に気づく時期は、生後すぐから小学生までさまざまです。

鼠径ヘルニア 治療とホームケア

★1才未満の場合は診断がつき次第手術に
 鼠径部のふくらみに気づいたら、すぐに受診し、医師に小腸を手で元の位置に戻してもらいます。1才を過ぎると自然に治ることはほとんどないので、診断がつき次第、手術するのが一般的です。とくに1才未満の場合、はみ出した臓器が戻らなくなる「かんとん」という状態を起こしやすいために、なるべく早めに手術を行い、穴をふさぎます。かんとんが長引くと痛み出し、最悪の場合、臓器の血流が悪くなって腸閉塞(ちょうへいそく)を起こすこともあります。1才以降の場合は、緊急性はなくなりますが、小児外科で手術を検討してもらうことになります。

亀頭包皮炎(きとうほうひえん)

*かかりやすい時期・季節/3カ月~・通年
*主な症状/陰茎の先が腫れる、膿が出る

亀頭包皮炎 こんな症状

★陰茎(いんけい)の先や横が赤く腫れたり、膿が出たりします
 陰茎の先の亀頭と包皮の間の部分に細菌が増えて、炎症を起こす病気。陰茎の先が赤く腫れ、かゆがったり、痛がったりします。排尿時には痛みが強くなり、おしっこのたびに激しく泣き、おむつに膿(うみ)や血がつくことも。
 赤ちゃんの陰茎は仮性包茎がほとんどで、亀頭が露出していないため、あかがたまりやすいのが原因です。また、おむつの中がおしっこやうんちで汚れやすく、外気に触れにくいことから、細菌が増殖しやすい状態にあることも原因の一つ。汚れた手で触ったことが原因のこともあります。

亀頭包皮炎 治療とホームケア

★抗菌薬入り塗り薬や飲み薬で治ります
 おふろで患部を洗うことでケアできますが、腫れが強いときは受診しましょう。抗菌薬入り塗り薬や飲み薬で早く治ります。こまめなおむつ替えで清潔を保つことが大切です。

停留精巣(ていりゅうせいそう)

*かかりやすい時期・季節/先天性、新生児期~・通年
*主な症状/鼠径部にしこり

停留精巣 こんな症状

★精巣が陰嚢(いんのう)内に収まっていない状態
 通常、精巣(せいそう)(睾丸(こうがん))は、胎児期の初めにおなかの中でつくられ、成長とともに下りてきて、生まれるころには陰嚢内に収まります。ところが、低体重で生まれたり、ほかのなんらかの原因で精巣が途中でとどまり、陰嚢の中に完全に収まっていない状態が停留精巣です。
 精巣が陰嚢の近くまで下りてきているもの、鼠径部(そけいぶ)の奥にあるものなど状態はさまざま。片方の精巣だけ下りていないこともあり、陰嚢が片方だけ小さいことから、病気に気づく場合もあります。鼠径ヘルニアを併発することもあります。外傷や精巣捻転の危険性もあります。
 精巣が停留していると、正常な状態よりも精巣の温度が1.5~2度くらい高くなるため、精巣の発達が妨げられます。

停留精巣 治療とホームケア

★1才までに下りてこないときは手術をすることも
 精巣は6カ月ごろまでは下りてくる可能性はありますが、下りてこない場合、そのまま放置すると精巣の発達が妨げられます。また外性器の形がほかの子どもと異なることで、成長とともに見た目の違いを本人が気にするようになることも。
 1才を過ぎても下りてこないときは、精巣を陰嚢内に下ろして、正常な位置に固定する手術を行います。

陰嚢水瘤(いんのうすいりゅう)・水腫(すいしゅ)

*かかりやすい時期・季節/新生児期~・通年
*主な症状/陰嚢が腫れる

陰嚢水瘤・水腫 こんな症状

★陰嚢に水がたまり、大きく腫れます
 精巣(睾丸)を包んでいる陰嚢の中に体液がたまり、大きく腫れます。胎児のときにおなかの中にあった精巣が陰嚢内に下りてきたあと、精巣が下りてきた道がうまく閉じなかったために、腹水が陰嚢に流れ込んで起こります。陰嚢の大きさは、通常の2倍以上になったり、鶏卵大になったりします。触るとぷくぷくしていて、水がたまっていることがわかりますが、痛みはありません。片方だけ腫れる場合と、両方腫れる場合があります。陰嚢が腫れるだけで、とくに精巣の発達などには影響しませんが、陰嚢の大きさやかたさが気になる場合は、ほかの病気にかかっていないか確認するために、受診することが重要です。

陰嚢水瘤・水腫 治療とホームケア

★多くは自然に治ります。きちんと診断を受けて
 ほとんどの場合、1才ごろまでに自然に治ります。3才ごろまでに治らなかったり、2才以降に目立ってきたりした場合は、手術を行うことがあります。陰嚢が急に腫れたり痛がるときは、鼠径ヘルニアや精巣捻転の疑いがあるので、小児科を受診しましょう。


監修:松井潔 先生
神奈川県立こども医療センター 総合診療科部長
1986年愛媛大学医学部卒業後、神奈川県立こども医療センターに勤務。2005年より現職。専門各科と連携しながら、総合診療科で治療に努めていらっしゃいます。

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