男の子の赤ちゃんの泌尿器・性器の病気 尿道下裂の症状とケア【医師監修】
泌尿器と生殖器は、ともに細菌などに感染しやすい部位。どこかに炎症が起こると、泌尿器全体や生殖器にまで影響を及ぼしやすくなるのが特徴です。また、生殖器の病気は生まれつきのものがほとんどです。経過を観察し、医師と相談して治療を進めましょう。
赤ちゃんの尿道下裂(にょうどうかれつ)って?
おむつがはずれたあと、きちんとおしっこができるように、1歳前後に手術をします。
尿道下裂の主な症状
・おしっこの出口が先端にない
尿道下裂になりやすい月齢・年齢
先天性
尿道下裂になりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
赤ちゃんの尿道下裂 尿の出口が本来とは違う位置にあります
男の子の外性器の病気です。排尿するための外尿道口が本来あるべき亀頭の先ではなく、陰茎の中間や根元にあるため尿が前方に飛ばず、立って排尿できません。さらに、陰茎が勃起したとき下に曲がってしまうため、将来、正常な性生活を営めなくなり、不妊の原因になることもあります。停留精巣や鼠径ヘルニアを併発することもあります。
外性器の先天的発育不全が原因で、男の子の300人に1人程度が発症するという報告もあります。遺伝子の異常や環境ホルモンが影響しているなどの説も出ていますが、今のところ発症の詳しいメカニズムは不明です。
赤ちゃんの尿道下裂 治療
多くの場合、1歳前後までに正しい位置に尿道口をつくる手術を行います。手術にかかる時間は、症状が軽ければ2時間程度、重い場合で4~5時間程度です。入院期間は病院によってさまざまで、2日~2週間程度と幅があります。手術を行えば普通の状態で排尿でき、将来、正常な性生活も営めるようになります。
尿道下裂と診断された男の子の中には、まれに膣や子宮を持つ半陰陽(性器の形が男とも女ともつかず、両方の性の特徴を併せ持つ異常)が見られます。その場合は、染色体や尿中ホルモンの検査を行って診断します。
■赤ちゃん 泌尿器・性器の病気
・尿路感染症(にょうろかんせんしょう)
・水腎症(すいじんしょう)
・膀胱尿管逆流症(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょう)
■男の子の病気
・包茎(ほうけい)
・亀頭包皮炎(きとうほうひえん)
・尿道下裂(にょうどうかれつ)
・停留精巣(ていりゅうせいそう)・停留睾丸(ていりゅうこうがん)
■気になる!男の子の症状
・恥垢(ちこう)
・傍尿道口嚢胞(ぼうにょうどうこうのうほう)
・埋没陰茎(まいぼついんけい)
・コラム・男の子のおちんちんについて教えて!
■女の子の病気
・陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)・精巣水瘤(せいそうすいりゅう)
・外陰炎(がいいんえん)・膣炎(ちつえん)
・陰唇癒合(いんしんゆごう)
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。