男の子の赤ちゃんの泌尿器・性器の病気 陰嚢水腫・精巣水瘤の症状とケア【医師監修】
泌尿器と生殖器は、ともに細菌などに感染しやすい部位。どこかに炎症が起こると、泌尿器全体や生殖器にまで影響を及ぼしやすくなるのが特徴です。また、生殖器の病気は生まれつきのものがほとんどです。経過を観察し、医師と相談して治療を進めましょう。
赤ちゃんの陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)・精巣水瘤(せいそうすいりゅう)って?
陰囊の中に体液がたまって腫れる病気。1歳ごろまでに自然に治れば治療はしなくて大丈夫。
陰嚢水腫・精巣水瘤の主な症状
・陰囊が腫れる
陰嚢水腫・精巣水瘤になりやすい月齢・年齢
新生児期~
陰嚢水腫・精巣水瘤になりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
赤ちゃんの陰嚢水腫・精巣水瘤 陰囊に体液がたまり腫れますが、本人に痛みなどはありません
精巣(睾丸)を包んでいる陰囊の中に、体液がたまって腫れる病気です。胎児のときにおなかの中にあった精巣が陰囊内に下りてきたあと、精巣が下りてきた道がうまく閉じなかったために、腹水が陰囊に流れ込んで起こります。正期産の赤ちゃんの10%、早期産の赤ちゃんの30%に見られる病気です。
陰囊の大きさが通常の2倍以上になったり、鶏卵大になることもあり、触るとプクプクしていて水がたまっているのがわかります。片方だけ腫れる場合と両方腫れる場合があります。痛みはなく、陰囊が腫れる以外に精巣の発達などには影響しません。
陰囊水腫になるしくみ
赤ちゃんの陰嚢水腫・精巣水瘤 治療&ホームケア
精巣が下りてきた道は自然に閉じることが多く、ほとんどのケースでは1歳ごろまでに治ります。自然に治れば治療は必要ありません。昔は陰囊から水を抜く治療を行うこともありましたが、危険を伴うこともあるため、現在は行われていません。3歳ごろまで治らなかったり、2歳以降に目立ってきた場合は、腹腔と陰囊のつなぎ目を閉じる手術を行うことがあります。
陰囊が急に腫れて痛がったり、大きさが変化したときなどは鼠径ヘルニアが疑われます。また、陰囊部がかたい場合は腫瘍の可能性があります。陰囊の大きさやかたさが気になるときは、陰囊水腫以外の病気でないことを確認することが重要です。小児科で相談し、必要なら泌尿器の専門医を紹介してもらいましょう。
■赤ちゃん 泌尿器・性器の病気
・尿路感染症(にょうろかんせんしょう)
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■女の子の病気
・陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)・精巣水瘤(せいそうすいりゅう)
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・陰唇癒合(いんしんゆごう)
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。