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子どもの「療育」って何をするの?専門家に聞きました

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demaerre/gettyimages

子どもの発達に遅れが見られる場合、医療と教育を同時に受けられる「療育(りょういく)」をすすめられることがあります。聞き慣れない言葉に、戸惑う人も多いでしょう。いったいどんな施設、サービスなのでしょうか。小児科医の榊原洋一先生(お茶の水女子大学名誉教授)に聞きました。

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治療施設ではなく、発達を支援する場所

「療育」とは、そもそも何ですか?

私も療育にかかわっている人間ですが、実はその質問には、うまく答えられません。療育という言葉自体が造語で、古い和英辞典には載っていないのです。ネットで調べてみると、英語では「intervention(「介入」などの意)」、「rehabilitation(リハビリテーション)」などと表現されているようですが、いずれもちょっと違う。見た中では、「training teaching」が近いとは思いました。日本語ではよく「医療と教育をセットにしたもの」と説明されますが、これも半分当たっているけれど、的を射ているとは言いづらい。医療は治療をしますが、療育では訓練や教育はしても治療をするわけではありませんので。だから「療育に行ったほうがいいですよ」と言われても、言われたほうはどんな場所なのかわからないし、言ったほうもうまく説明できないことがあるかもしれません。

実際、療育の現場にはどのような方たちがいて、どんなことをされているんですか?

療育施設は、療育センター、発達支援センターといった名称で各地にあります。そこには理学療法士、作業療法士、言語療法士、臨床心理士、そして教育関係者といった、医師以外の専門の人たちがいて、それぞれの立場から子どもの発達を支援しています。医療の一部を担っているといえますが、そこは狭い意味の医療(診断、投薬など)をするのではなく、子どもを観察して、どんな課題があるのかを見ています。たとえば心理療法士は、子どもの行動や受け答え、人間関係など。理学療法士ははいはいなど。作業療法士は手先の器用さなど。それぞれの分野における知識や技術を使って、子どもの発達を促しているのです。やっていることの幅が広いことも、わかりにくさにつながっているかもしれません。医学は研究の蓄積がありますが、療育は評価されていないこともたくさんあります。一人一人に対してやっていることが違うから、評価することの難しさもあるのですが。

「療育施設に行きましょう」と言われたら、行くべきですか?

療育を受けて悪いことはありませんが、療育をすすめられたからといって、必ずしも受けなくてはいけないものではありません。子どもにも向き不向きがあるので、療育施設だとストレスになってしまうケースもあります。療育施設に行かなくても、子どもは幼稚園や保育園で伸びる部分もあるので、友だちと生活している中で発達が進むこともあります。療育はあくまで「治す場所」ではなく、発達を支援するための場所、発達を強化するための場所と考えてください。

小児科などでは、診察の時間が限られていますが、療育施設では、じっくりと時間をかけて見てくれるというメリットもあるようです。療育は発達の遅れている子ども全員に必要なものではありませんが、発達の支援が必要な場合の選択肢の一つとして、このような施設があるということは知ったおいたほうがよさそうです。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)

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榊原洋一先生
医学博士、お茶の水女子大学名誉教授。東京大学医学部卒業後、同大学付属病院にて勤務。小児神経学、発達神経学を専門とし、発展途上国での国際医療協力活動にも尽力。日本子ども学会理事長や、ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長なども務める。

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