婚活アドバイザーに聞く、愛が膨らむ結婚生活を続けるためのコツ
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結婚当初は永遠に続くと思われていた相手に対する想いは、いったいどこへ行ってしまったのでしょうか。
恋愛の仕組みとご夫婦の愛が続くコツを婚活アドバイザーの高橋 聰典さんに伺いました。
高橋 聰典
幸せな結婚生活を送り続けるために学びの場が出会いの場をコンセプトにした教育主体の婚カレッジ結婚相談所を運営。年間で240回以上もの講演・セミナーをこなし全国各地を飛び回っている。著書多数。
恋愛感情という魔法が解けると…
多くの方が恋愛を経て結婚に至っている調査結果(国立社会保障・人口問題研究所の調査でも恋愛結婚87.7%お見合い結婚5.5%という結果が出ています。)にも関わらず、
その好意や恋愛感情も、結婚生活が長くなればなるほど「昔はこんなじゃなかった……」思っていたりするのではないでしょうか。
実はこの恋愛感情は、恋愛ホルモン(主にPEAホルモンと呼ばれるもの)の分泌によって起こっており、人によって前後はあるものの分泌期間は約3年であることが分かっています。
恋愛ホルモン分の泌中は人の判断力が鈍ってしまうというのです。
つまり、恋愛感情はもって3年…
そして恋愛中は周りが見えなくなり、相手に感じる素晴らしさは自分の理想を、勝手に相手に投影しているとも言えます!
酷な話ですが、冷めてしまえば現実が見えてきます。しかし、落胆する必要はありません。何年たっても仲睦まじい夫婦はいます。
では、そういう夫婦はどうしていつまでも愛し合っているのでしょう?
男と女が分かり合うことは不可能!?
恋愛中には「分かり合えている」「理解し合えている」「性格が合う」「価値観が合う」などと感じていたのに、今は「分かってくれない」「理解してくれない」「性格の不一致」「価値観が違う」と思っていたら…
それは恋愛中も結婚してからも大きな誤解をしています!
実は、出会った時から死ぬまで、何年連れ添おうと男と女が分かり合えることはありません!
男と女では脳の作りも働きも違うのです。
右脳と左脳を繋ぐ脳梁という部分が、男性は細く長く、女性は太く短く、脳内を流れる信号も、男性は前後に女性は左右に活発なのです。
作りも働きも違うのに同じ考え方感じ方をするはずがありません。
問題解決タイプの男性は、物事を一点集中型で捉え、何か一つの物事に焦点を合わせると、そこに集中し全力投球する事に長けていますが、他のことが目に入らなくなってしまうという弱点もあります。
情報処理タイプの女性は、物事を近接広範囲で捉え、今ここで起きている様々なことに気づき処理することが出来ますが、なりふり構わず一つの物事に集中できないという弱点があります。
(※もちろん男女とも両方の能力を持っていますが、比較的この偏りが強いということです。また例外もあります。)
カーナビに例えると、目的地とルートを検索するのが男性で、周辺施設探査をするのが女性です。どちらも欠かせない機能ですよね!
また、男性はウルトラマンだと思ってください。怪獣を全力で倒すことに集中しますが、同時に街を破壊していることに気づいていません。(怪獣を倒しつつ街も破壊しない事ができない)
女性はシンデレラだと思ってください。意地悪な継母や姉の要望を同時進行で手際よくこなしていきますが、現状の問題解決(この生活環境からどう抜け出すか)に注力することはしません。
このように男女は、そもそも能力や機能が違うので、それによって起こる感情や行動も違ってきて当たり前です。違うからこそ役割分担が必要で、それが新しいものを生み出す可能性になるのです。
しかし、その特徴の違いが男女の火種を生んでしまっているのも事実です。
「同じ」と思うと火種になり!「違う」と分かっていると不満が溜まらない!
前述したように、恋愛感情によって「同じ」という錯覚をしていたから「違い」を発見した時に「相手は変わってしまった」と思い、その思いが喧嘩やすれ違い食い違いの火種になります。
よく考えてください。「違う物事自体」には怒りや不満は感じていないはずです。「昔と違う」ことに怒りや不満を感じているのではないでしょうか?
しかしそれは、先にも述べましたが恋愛感情が引き起こしていた理想の投影と錯覚なのです。そしてお互い様でもあるのです。
どちらが良い悪いではなく、初めからあなたと旦那様は違うのです。
同じだったはず…という思いが火種になり、不満や怒りが湧いてきますが、初めから違うと理解すれば、火種がないので不満も怒りも湧きようがありません。
こんな例があります。
妻が愚痴を聞いてほしくて夫に相談します。
「〇〇さんが〇〇で困っちゃって……」
夫はそれに対して解決策を提示します。
「それは〇〇すればいいじゃん!」
すると妻は・・・「でも、それ苦手なんだよね~」
すると夫は・・・「じゃあ、〇〇すれば?」
……こんなやりとりが何度か続きます。
するとお互いにイライラしだし喧嘩になります。
女性は愚痴を聞いてほしいのに夫は共感してくれない。男性は相談してきたから問題解決策を提示したのに妻は受け入れてくれない。
実は、お互いの意図が違うだけで、どちらも間違っていないのです。
また、こんな例もあります。
共働きの夫婦であれば家事も分担するでしょう。今日は夫が洗濯物の当番、夫とすれば「洗濯物を完了する」という問題解決というミッションになります。(一点集中視点)
妻が帰宅前に、ミッションを完了し悠々としていると妻が帰ってきてます。夫としたら洗濯物を完了していることを褒めてもらえるくらいに思っています。
ところが妻の一言目はこうです。
「え~洗濯物終わってるなら食器も洗っておいてよ~」(近接広範囲視点)
どちらも悪くないのに能力が同じと思っていることで喧嘩が始まります。
夫は別にサボっているわけではないのです。
しかし妻からは洗い物に気づかない夫に「鈍感」というレッテルを貼ります。
妻は別に口うるさいわけではないのです。
しかし夫からは肯定なしに否定してくる妻に「面倒」というレッテルを貼ります。
「男って鈍感よね~」とか、「女って面倒くさいよな~」なんていう事をよく聞くのはこういったことが原因です。
しかし、脳の機能と能力の違いと分かっていたらどうでしょう。そしてお互いがその違いを否定するのではなく認めあっていたら…。
能力の違いを諦める(アキラカニミトメル)ことで愛が膨らむ!
夫婦間で恋愛感情はなくなっても、愛情は膨らましていくことができます。
しかし、ここまで述べたような違いを否定し合っている夫婦だとそうはいきません。お互いにお互いの不満を外で発しているような夫婦になってしまいます。
それを繰り返していれば、いずれ「子供がいるから別れないだけ」とか「惰性で一緒にいるだけ」になり、更に一緒にいることも苦痛になると、離婚や別居に繋がり、描いていた夫婦や家族の幸せには至らなくなってしまいます。
能力や機能、特徴や違いを、抗いようのない明らかな違いとして認める…アキラカニミトメル…アキラメル…諦める。
そのことにより、感情は荒立たず、不毛な火種を生みません。
逆に相手の特徴や長所に焦点を当て、言葉がけをすることで愛は大きく大きく膨らんでいきます。
相手を「掛け替えのない大切な存在、絶対失いたくない存在」と感じ、感謝をすることが出来るようになります。
脳内ホルモン的にも、恋愛ホルモン(PEAホルモン)が枯渇しても、愛情ホルモン(オキシトシン)は互いの努力によって増大します。
ちなみに恋愛ホルモン(PEAホルモン)が分泌されている間は、恋の病ともいうように、ドキドキワクワクだけではなく、眠れない・食欲減少・判断力の低下、恋をするが故の不安やストレス、独占欲から不信感に繋がったりと、苦しさも同時に感じますが、愛情ホルモン(オキシトシン)は別名、抱擁ホルモン・幸せホルモン・癒しホルモンなどと言われており、ストレスや不安や恐怖を軽減し、相手へ信頼の気持ちが増すという効果があります!
オキシトシンはスキンシップによって分泌されます。手を繋いだりハグやキスをしたりすることが大切です。そういう関係を継続するためにも、まず相手の特徴を肯定することが大切なのは言うまでもありませんよね!
また、この文章を奥様だけが読んで、旦那は読んでないから変わらない…と思うかもしれませんが、それは違います。
まず、知った方から行動に移してみて下さい。恋人も夫婦も家族も出来事も世界ですら、それは自分を映す鏡です。
心理学では過去と他人は変えられないという大前提があります。
しかし、この世で唯一自分だけは自分次第でいくらでも変えていけます。
メイクの仕方を変えれば、鏡に映る自分も変わりますよね!
同じように、まず自分が変わることで、恋人も夫婦も家族も出来事も世界ですら変わっていくのです。
愛が膨らむ結婚生活を続けることを理想とするなら、まずあなたから愛が膨らむ関わり方をしていきましょう!
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