赤ちゃんに昼寝って必要? 昼寝しないけれどどうしたらいいの?
育児の中で多くのお母さんが悩むのが“赤ちゃんの睡眠”。そんなお母さんたちのために、子どもの睡眠コンサルタントとして活躍する愛波文さんにインタビュー。今回は、「赤ちゃんに昼寝は必要? 昼寝しない場合はどうすればいいの?」という疑問に答えていただきます。
実は昼寝ってとても大事なんです!
-愛波さん、“赤ちゃんの睡眠”については、夜だけでなく昼寝に関しても悩んでいるお母さんは多いようなんです。そもそも赤ちゃんに昼寝は必要なんでしょうか?
愛波さん:そうですね、昼寝はとても大事です。アメリカには“sleep begets sleep”という言葉があるんですが、これは日本語に訳すと“睡眠は睡眠を生む”という意味。その言葉通り、日中にちゃんと寝られる子は夜もよく寝てくれることが多いです。
-それはどうしてですか?
愛波さん:昼寝によって、脳をしっかりと休めることができているからです。赤ちゃんにとって外からの刺激はとても強いので、脳をきちんと休ませないと情報処理が追いつかなかったり、疲れ過ぎたりしてしまいます。昼寝が大事だということは、脳科学的にも証明されていることなんですよ。
-昼寝が大事だということはよくわかりました! でも実際にはなかなか昼寝をしてくれない赤ちゃんも多いようです。そんな赤ちゃんが昼寝をするようになるいい方法はありますか?
愛波さん:以下のような睡眠環境を整えることがとても大事です。
<愛波さんが教える赤ちゃんに最適な睡眠環境>
・20〜22度の少し肌寒い室温
・(お家の場合は)真っ暗な部屋
・赤ちゃんの安全が保たれていること
-なるほど! 昼寝のときでも部屋は暗くするんですね!
愛波さん:新生児~3ケ月ごろでまだ昼夜の区別がついていない赤ちゃんは、体内時計を調整するために明るい部屋で昼寝をさせるほうがいいのですが、昼夜の区別がついてきいたら、昼寝も暗い部屋でさせるほうが、質のいい睡眠がとれるといわれています。
でも毎回暗い部屋のベッドに寝かせるのは難しいですよね。お母さんたちも昼寝のためだけに、一日中家にいるとストレスがたまってしまうし…。そこで、まずは朝起きて再び午前中にとる睡眠「朝寝」で環境を整えてあげましょう。朝寝でしっかりと質のいい睡眠がとれたら、そのあとは外出して抱っこひもやベビーカーで昼寝させてもOKです。
-外出先で昼寝させる際のポイントはありますか?
愛波先生:抱っこひもやベビーカーで昼寝をさせるときは「環境をつまらなくすること」がポイントです。外の世界は赤ちゃんにとって面白いものだらけなので、ベビーカーのときはシェードを完全に下ろすこと。抱っこひものときはカバーの上から通気性のいい布で覆うのがおすすめです。抱っこひものカバーだけだと、横から外が見えてしまうんです。
もし、それでも昼寝しないという場合は、夜よりも短めの“ねんねルーティン”をつくってリラックスさせてあげるといいですよ。たとえば「授乳→絵本→睡眠」といった落ち着かせる程度のルーティンです。ルーティンは習慣づけることが大切なので、もしやるとしたら一貫性を持って続けてくださいね。
「そんなことで寝るの?」と思うお母さんもいるかもしれませんが、赤ちゃんが疲れすぎていなければ結構うまくいくので、ぜひ実践してみてください!
今回、愛波先生にお話をうかがった中でのポイントは以下の3つ。
・昼寝は脳を休ませるためにも必要
・昼寝のときも部屋を暗くして環境を整える
・外出時に昼寝させるときは、環境をつまらなくする
保育園などで子どもたちが決まった時間に昼寝をするのは、毎日決まったルーティンに沿って活動しているからなんだそう。保育園に通っていない赤ちゃんも、大体の一日のスケジュールを決めておけば、昼寝も習慣づけしやすいようですよ。(取材・文/大月真衣子[ヒャクマンボルト]、撮影/高山諒[ヒャクマンボルト]、ひよこクラブ編集部)