【小児科医監修】繰り返し目やにの出る赤ちゃん。解決方法は…?~
目やにが出る赤ちゃんは多いですが、繰り返したり、なかなか治らないときはちょっと注意が必要です。
赤ちゃんやママ・パパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、思い出深いできごとをつづります。
今回は4ヶ月の目やにを繰り返す赤ちゃんとママが診察室を訪れました。[小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより#5]
目やにが出続ける4ヶ月の赤ちゃん
「また右目から目やにがたくさん出るんです」と4ヶ月の赤ちゃんを連れたお母さんがやってきました。先週目やにで受診されたときに、目が少し赤くなっており、点眼薬を処方しました。
「しばらくはよかったんです。目やにもとまって。でもまた出始めました」
―そうですか。何度か繰り返していますよね。
「そうなんです。いつも右目です」とお母さん。ちょっと気になることを聞いてみました。
―赤ちゃんは、ふだんから涙目ということはありませんか?
「はい。右目は泣いていないときもうるうるしていて、時々涙がこぼれます」
そんなお母さんの話を聞いて、私は涙のしくみについて説明しました。
涙はいつも鼻に流れている
私たちは、目を乾燥から守るためにいつでも涙が出ています。その涙を、目全体に行き渡らせるために、時々まばたきをします。その涙は、目頭から鼻に通じている管(鼻涙管・びるいかん)を通して、鼻の中に捨てられます。通常はわずかな量なので気になることもありませんが、悲しくなったりして、出る涙が多くなると、鼻に捨てられる涙の量も増えて、鼻がグスグスいい始めます。泣きながら鼻をかむ人っていますよね。
生まれつきこの鼻涙管の通りが悪いと、涙が鼻に捨てられずに涙目が続いたり、小さなゴミや細菌が流れていかず、結膜炎を繰り返すことになります。鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)という病気で、泣いてもいないのに涙目だったり、目やにが出るのが典型的な症状です。この赤ちゃんもその可能性があるかもしれません。
点眼と目頭マッサージで目やにが改善
前回の受診で、点眼薬を処方しましたが、お母さんは
「そもそも、じっと目を開けていられないから、目薬をさすのが難しくて…」と言います。
―そりゃあ、目薬をさしてもらうからって、頑張って目を開けている赤ちゃんはいないよね
「じゃあどうしたらいいんですか」と困ってしまったお母さん。
―赤ちゃんを上向きに寝かせて、頭をだれかに固定してもらうか、お母さんの太ももで頭をはさんで固定しますよね。まず目頭に2〜3滴の目薬をためます。その後で、まぶたを上下に引っぱれば、しみこんでいきますからね。
「ああ、そうすればいいんですね」
―また目薬を出しておくので、目薬をさしたときに目頭マッサージをしてくれますか
「目頭マッサージ?」
―目の鼻がわの端っこを、お母さんの指でくちゅくちゅやってください。
目薬とマッサージで、この管の通りがよくなれば、それで治る子もたくさんいます。もしもそれでも涙目が直らないときには、眼科で管の通りが大丈夫なのか検査をしてもらいます。通りが悪ければ、水を通してみたり、うまくいかなければ器具を使ってこの管の掃除をします。
目から器具を入れると聞いて、お母さんは急に心配になったようでした。
目頭のマッサージをお願いして1週間後、目やには無くなり、涙目もよくなってきているようでした。どうやら痛い処置はしなくて済みそうです。
初回公開日 2019/05/22
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