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【小児科医監修】今年大流行の手足口病、潜伏期間、症状は?

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生まれたばかりの赤ちゃんの泣く
Svetlana_Smirnova/gettyimages

今回のテーマは、“夏風邪”と呼ばれる代表的な3つのウイルス感染症、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜熱」の対策について。1才と3才のお子さんを子育て中の小児科医・泰道麗菜先生が、日々の診療の中で、ママ・パパたちに伝えたいさまざまな情報を発信。手足口病は2011年以降、1年おきに大規模な流行期を迎えています。今年は昨年に比べて流行の規模が大きくなることが予想される年。予防の方法や症状の特徴などをしっかりおさえておきたいですね。[ママ小児科医の”コレが気になる”#5]

夏にかかりやすい3つの感染症、症状の特徴は?

夏といえば、暑さによる熱中症が話題になりますが、これからの時期は “夏風邪”の流行も心配されます。今回は“夏風邪”と呼ばれることもある、代表的な3つのウイルス感染症、「手足口病(てあしくちびょう)」、「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」についてお話します。
「手足口病」と「ヘルパンギーナ」はエンテロウイルス属と呼ばれるウイルス(エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど)が原因で起こり、「咽頭結膜熱」はアデノウイルス(3型、4型、7型など)が原因で起こります。共通していることは、いずれもウイルス感染症で、症状が軽いということ。自然に治る病気なので特効薬はありません。複数のウイルスが原因になるので、一度かかってもまたかかることがあります。

手のひらや足先、口の中に水ぶくれのような発疹が出る「手足口病」

その名のとおり、手のひらや足先、口の中に水ぶくれのような発疹が出るのが特徴ですが、原因となるウイルスの種類が多く、それぞれで症状が少しずつ異なります。潜伏期間は3−5日で、1/3程度の人に発熱を伴います。発疹は腕やひざ、おしりなどにも出ることがあります。ときに痛みやかゆみを伴うことがありますが、1週間前後で徐々に消えていきます。注意点としては、口の中の発疹が多くて口内炎がひどいと、強い痛みのために食べたり飲んだりできなくなり脱水症を起こすことがあるということ。口内炎がある時は刺激の少ないものやのどごしがいいものをあげて、水分はこまめにあげるようにしましょう。まれな合併症で、ときに脳炎(のうえん)や髄膜炎(すいまくえん)が起こることがあります。高熱が続く場合や、頭痛や嘔吐を伴う場合には早めに病院を受診することが望ましいです。

高熱とのどの痛み、目の充血などがみられる「咽頭結膜熱」

咽頭結膜熱は、38〜39℃の高熱とのどの痛み、目の症状(充血や目やになど)がみられるのが特徴です。プールで子どもたちの間に流行することがあったことから、“プール熱”とも呼ばれていますが、今は塩素消毒で衛生管理が行われるようになり水を介して感染することはほとんどなくなりました。潜伏期間は5〜7日で、高熱が3〜5日程度続きます。目の症状は片方から始まり、その後もう片方に出ることが多く、症状が強い時には眼科の受診が必要な場合もあります。首のリンパ節が腫れることもあります。登校(園)の基準は、学校保健安全法により「主な症状が消退した後2日を経過するまでは出席停止」とされています。

突然の高熱、のどの赤み、水ぶくれのような発疹や潰瘍ができる「ヘルパンギーナ」

突然38〜40℃の高熱が出て、のどが赤く、水ぶくれのような発疹や潰瘍(かいよう)ができて痛いのが特徴です。潜伏期間は2〜4日で、発熱が続くのは1〜3日程度です。手足口病と同様、口内炎がひどい時は脱水症に注意しましょう。まれな合併症で髄膜炎、急性心筋炎などがあります。熱が長引いたり、頭痛や嘔吐、心不全兆候(呼吸困難やむくみなど)がみられたら注意が必要です。

飛沫感染、接触感染でうつる! 手洗い、うがいが予防のカギに

いずれの感染症も主に飛沫感染(せきやくしゃみで飛び散ったしぶきで感染する)、接触感染(皮膚や粘膜の直接的または間接的な接触で感染する)でうつるので、予防としては手洗い、うがいが大切です。エンテロウイルス属は便の中にも長い間(症状がなくなったあとも2〜4週間程度)ウイルスが排泄されるという特性があるので、トイレのあとの手洗いも大切です。「咽頭結膜熱」で目の症状があるときは、目をふくときにティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使い、他の人とのタオルの共有は避けましょう。
「手足口病」、「ヘルパンギーナ」は登校登園の基準はとくに定められていません。症状がなくなってもウイルスの排泄期間が長いことに加え、症状がなくても気づかないうちに感染しているケースもあり、発病している間だけ学校や保育施設を休ませてもあまり効果的な予防ができないためです。かかりつけ医と相談をして、本人の症状が落ち着けば登校、登園しても大丈夫です。

食欲の低下やよだれが多くなるのは,初期症状のサイン⁉

わが家は、昨年の夏に長男が手足口病にかかりました。やはり保育園で流行している時期でした。熱も出ずに見た目は元気だったのですが、なんとなくいつものように食事が進まず、ごはんを残してその日はそのまま保育園へ。夕方、園から帰るときに保育士さんから「手のひらと足にブツブツが出ています」と指摘をされ、家に帰って息子の口の中を見ると立派な口内炎! 明らかに痛そうで、朝から食欲がなかったのも納得…。日々子どもの診療をやっていながら、自分の子どものささいな症状に気づくことができなかったというちょっとした苦い思い出です(笑)。夏風邪の中でも、手足口病は熱が出ないことが多く、症状も軽いことが大半なので気がつかないケースもあります。食欲の低下、よだれが多くなった、という症状は、口の中に痛みがあって飲み込めないサインのことがあるので、注意をしましょう。

いきなり高熱や発疹が出たりすると、親は心配になってあわててしまうものです。いざというときに落ち着いて対応できるよう、予防・対処法を知り、心構えをしておきましょう。今回のお話を、少しでも役立ててもらえたらうれしいです。(構成/ひよこクラブ編集部)

監修/泰道麗菜先生

初回公開日 2019/7/4

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