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【専門家監修】未熟児養育医療制度は、新生児の入院・治療費を支援する制度 対象や申請先、手続き方法

更新

老化新生児の少女
●写真はイメージです
Ondrooo/gettyimages


赤ちゃんの発育や体の機能が未熟な状態で生まれた場合、速やかな入院・治療が必要になることがあります。
その入院・治療費を助成してくれるのが、未熟児養育医療制度です。妊娠中の人は、万が一に備えて知っておきましょう。

制度の詳しい内容について、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生、社会保険労務士の守屋三枝先生に聞きました。

赤ちゃんの入院・治療費が無料になる制度

未熟児養育医療制度は、医師が入院養育の必要性を認めた赤ちゃんが指定の医療機関で入院・治療を受ける場合に、その医療費を助成してくれる制度です。
原則、指定の養育医療機関の入院・治療費は公費負担になりますが、自治体によっては、保護者の所得に応じて一部自己負担になることもあります。
ただし、自己負担分は、乳幼児医療費助成の対象になります。
なお、差額ベッド代や紙おむつ代など保険適用外の経費は、自己負担になることもあります。

未熟児養育医療制度を利用できる条件とは?

制度を利用できるのは、赤ちゃん(0歳児)の状態が特定の要件を満たしていて、医師が入院して養育する必要があると認めた場合に限られます。
なお、助成が受けられる病院は、指定された養育医療機関のみです。

助成の対象となる赤ちゃん

(1) 出生時の体重が2000g以下の赤ちゃん
(2)(1)以外で、生活力がとくに薄弱で、下記の対象となる症状のいずれかがあり、医師がとくに入院養育を必要と認めた赤ちゃん

対象となる症状

●一般状況
(1)運動不安、けいれんがある
(2)運動が異常に少ない

●体温
 摂氏34度以下

●呼吸器・循環器
(1)強度のチアノーゼが持続している
(2)チアノーゼ発作を繰り返す
(3)呼吸数が毎分50以上で増加傾向にある
(4)呼吸数が毎分30以下
(5)出血傾向が強い

●消化器
(1)生後24時間以上排便がない
(2)生後48時間以上嘔吐が持続している
(3)血性吐物、血性便がある

●黄疸
(1)生後数時間以内に現れる
(2)異常に強い黄疸がある

未熟児養育医療制度 申請先と手続きの方法

自治体によって、必要な添付書類が多少異なりますので、詳しくは市区町村役場の担当課、あるいは居住地を管轄する保健所に問い合わせましょう。自治体のホームページで確認できる場合もあります。

問い合わせ・申請先は住んでいる地域の保健所

赤ちゃんが入院・治療が必要だと診断されたら、住んでいる地域を管轄する保健所(保健センター)に問い合せ、申請に必要な書類を取り寄せましょう。

【必要な書類】

(1)養育医療給付申請書(自分たちで記入する)
(2)養育医療意見書(入院している指定養育機関の病院に記入してもらう)
(3)世帯調書(自分たちで記入する)
(4)マイナンバー
など
※自治体によって、必要な書類は多少異なります。

申請に必要な書類は、自分たち保護者が記入するものと、入院している病院に記入を依頼するものがあります。
書類をすべて記入したら、地域の保健所へ申請します。

生まれた赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に入るなど、誕生後すぐから入院・治療が必要な場合、高額になる医療費を公費負担してもらえる制度が、未熟児養育医療制度。

利用の条件に該当する場合は、入院先の指定養育機関で説明を受ける場合もありますが、出産が早まりそうな場合は速やかに申請できるように念のため調べておくのがおすすめです。
とくに、早産傾向のある人、多胎児妊娠の人は、赤ちゃんが早く生まれる可能性も高いので、要チェックです。

なお、この記事の内容は2022年10月現在の情報に基づいて記載しています。
ご自分が当てはまるかどうかについては、必ずパパかママの勤務先の担当者もしくは居住地の役所などの担当窓口にお問い合わせください。

(文/たまひよONLINE編集部)

●記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

監修/畠中雅子 先生

監修/守屋三枝先生

初回公開日 2019/08/13

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