働くママ・パパにメリット?「子ども・子育て支援新制度」で、子育てはどう変わった?
2015年4月に本格的にスタートした「子ども・子育て支援新制度」。働くママやパパからも注目を集めた取り組みです。とはいえ、子育てにどのような影響を与えたか疑問に思う人も多いのではないでしょうか?最新データをもとに、ベネッセ教育総合研究所に話を聞きました。
子ども・子育て支援新制度とは?ママやパパに与える影響は?
「子ども・子育て支援新制度」は、育児の支援の「量」を増やし「質」をあげる取り組みです。
例えば、「量」を増やす施策として挙げられるのは「教育・保育」の施設をつくること。待機児童を解消するべく、「認定こども園」の普及を図る取り組みや、「地域型保育」を新設しました。認定こども園は、0歳~5歳の子どもを対象とした施設で、幼稚園や保育所の機能や特徴をあわせもつのが特徴です。「地域型保育事業」には、「小規模保育事業」「家庭的保育事業」「事業所内保育事業」「居宅訪問型保育事業」があり、少人数の子どもや、事業所の従業員の子どもを預かるなどさまざまな形態があります。
「質」を高める施策としては、「幼稚園や保育所、認定こども園の職員の処遇の改善や職員配置の改善」が目指されています。例えば、研修の充実や給与のアップにより職員の処遇改善を行うとともに、職員1人が担当する子どもの数を改善するなどを指しています。
では、具体的に子育てを取り巻く状況はどのように変わっているのでしょうか?
認定こども園、特定地域型保育事業(小規模保育)が大幅に増加傾向!
出典:文部科学省「平成30年度学校基本調査」(平成30年12月25日)、厚生労働省「保育所等関連情報とりまとめ(平成30年4月1日)」(平成30年9月7日)、内閣府「認定こども園に関する状況について(平成30年4月1日現在)」(平成30年10月10日)を元にベネッセ教育総合研究所が作成
「子ども・子育て支援新制度」がスタートした2015年から、認定こども園と地域型保育の数は増加傾向にあります。2014年の認定こども園は1,360箇所であったのに対し、2018年には6,160箇所に増えています。「子ども・子育て支援新制度」で新設された「特定地域型保育事業(小規模保育等)」の数も、大幅に増えています。2015年には2,737箇所でしたが、2018年には2倍以上の5,814箇所にまでおよびます。
この現状について、ベネッセ教育総合研究所は次のような見解を述べています。
「認定こども園や小規模保育など、子どもを預けられる施設や環境が整うことで、小さな子どもをもつ母親が働く機会が増えたり、預け先の選択肢が増えたりすることが考えられます。今後は保育の『量』だけでなく、『質』の改善が進むことで、子どもが育つ環境がよりよくなっていくことが重要でしょう」(ベネッセ教育総合研究所)
そのほかにも、「子ども・子育て支援新制度」では、一時預かりの拡充、地域子育て支援拠点の設置など、さまざまな子育て支援の充実を掲げていますので、お住まいの自治体の取り組みを確認してみるとよいかもしれませんね。
「もっとこうなったらいいのに」ママたちのリアルボイス
とはいえ、まだまだ日本の育児支援について要望を抱える人もいるよう。口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられた声をピックアップしてみました。
「短時間でもベビーシッターさんやヘルパーさんを気軽に利用できるようなサポートがもっと増えるといいな。1時間だけ子どもを見ていて欲しいとか、買い物だけお願いしたいとか、ニーズはあると思います。」
「子育てにもっとお金がかからなければいいのに、と思います。高校卒業まで、医療や教育にかかる費用はすべて無料になるとか。」
「男性(パパ)の育児休業や労働時間の改善をもっと進めてほしいです。まだまだ、日本は、女性(ママ)の負担のほうが大きいと思います。」
希望は尽きませんが、今後もよりママ・パパたちが子育てしやすい環境になることを願います!(文・川島ヒロヒト)
〈参考〉
内閣府「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK」(平成28年4月改訂版)
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。
■記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。