キーワードは細く長く。子育て家族の地域・近所とのかかわり方
子育てをしていると子どもを産む前よりも、自分たちが住む地域に愛着がわいたり、興味がわいたりするという人が多いようです。ご近所に知り合いがいると、何かと心強いという声も。一方で人付き合いが苦手でなかなか輪に入れないと悩んでしまう人も。近所や地域との向き合い方について、子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
子育てして初めて地域が見えてくることも
子どもを産む前は素通りしていた自宅周辺の施設やお店。でも、子どもが産まれると保健所、子育て支援スポットや子育てサロン、公民館や児童館、公園、図書館、ファミリー向けのレストランなど、地域のさまざまな施設やお店に子連れで足を運ぶ機会が増え、「ここにこんなところがあったんだ!」など、地域の魅力に気づいたり、たくさんの人と出会ったりすることもあるでしょう。
成長して幼稚園や保育園に通い出すと、同じ園に通う近所の保護者との出会いも生まれます。
このような関わりを通してできる近所の知り合いと、地域のさまざまな情報を教えあったり、時と場合によっては子どもを預けあったり。子育てをする上で、とても心強いものです。災害などいざというときも、近所に知り合いがいると安心ですよね。
東京ガス都市生活計画研究所が2017年に行った調査によると、「第1子の誕生を機に、地域や地域の人とのつながりが生まれる」と感じているママは、インターネットによる調査に回答した「首都圏に住み、小学生以下の第1子をもつ」子育てママ1,285人中、約4割。
そして1,285人中、約6割のママが「子どもが生まれる前後で近所づきあいに対する考えが変わった」と考えており、1,285人中6〜7割のママが、「子どもの安全のために近所づきあいは役立つと思う」「何かあった時、子どもが近所の人に助けてもらえるようにしておきたい」という意識をもっているそうです。
核家族の増加、地域のつながりの希薄化などが懸念されるなか、多くの子育て中のママが、地域の大切さを実感している人が多くいることがわかります。
地域と仲良くなるための、キホンのキ
ご近所さんや地域と仲良くなるための基本心得を5つ紹介します。
「無理せず、ラクな気持ちで」が基本
「子どものためにも、たくさんの人と知り合いにならなきゃ」などと身構える必要はありません。そのときどきの子どもの様子や仕事とのバランスを考えながら、子育て支援スポットや子育てサロンに参加したりなど、地道に、ゆるやかに。
つかず離れずの距離を保つ
近所付き合いは、細く長く続くもの。相手のプライベートにふみこみすぎず、つかず離れずの距離を保ったおつきあいを心がけましょう。
親子であいさつしよう
同じマンションの人、隣近所の人と顔を合わせたときは、親子であいさつを。人見知りする子、内気な子は声が出ないこともありますが、そのときは決してしからずに。親があいさつしていれば、子どももその姿を見てあいさつできるようになると思います。
地域の集まりに参加してみよう
子ども会や地域の施設で行われる親子の集まりなど、気が向いたら参加してみるのもおすすめです。行く前は面倒でもいざ行ってみると、子どもはもちろん親も楽しかったということも。
パパもまきこむ
共働き夫婦の増加もあり、最近は、夫ママ・パパと区別しない、あるいはパパ向けのイベントも多くなってきています。休みの日には家族全員で参加してみても。休みの日にはパパも誘って地域のスポットやイベントにお出かけしましょう。地域によってはパパ向けのイベントが開催されることもあります。ぜひ声をかけてみましょう。
近所づきあい“あるある”悩みと対処法
子育て中の家庭が、近所づきあいの中で抱きがちな悩みと、その対処法を紹介します。
同じマンションのママの井戸端会議がずっと続き、抜けたいのに抜けられない
おしゃべりすることで気分転換できますし、ストレスの解消にもなります。しかし、その場にい続けることがストレスになるようなら、「今日は用事があって長くいられない」など、あらかじめ伝えておくなど、正攻法でないやり方で回避しても。ここでも大切なのは細く長くのつきあい方。
家の中で子どもが遊んでいるときの叫び声や泣き声が隣近所に響いていないか心配…
小さい子どもは、遊んでいるときに興奮して叫んだり、よく泣いたりするのは当たり前。「申し訳ない」と自分を責める必要はありませんが、気になるもの。顔を合わせた時に、「うちの子、やんちゃでよく泣いたり叫んだりするんです。いつもうるさくしてご迷惑かけていないですか?」など、先にこちらから切り出してみても。実際に迷惑をかけているのか、こちらが気に病んでいるだけなのか、状況がわかるだけでも違ってきます。
自分自身が、人づきあいが苦手。近所づきあいは正直あまりしたくない……
本来の自分をいつわってまで、ご近所づきあいをする必要はないと思います。しかし、子どもと手をつないで歩くことが必要な幼児期時代、わが子の顔を覚えてもらうためにも最低限、ご近所さんへのあいさつだけは心がけたいものです。災害などいざというとっき、わが子の顔を知っているご近所さんは多ければ多いほど安心だと思います。笑顔で頭を下げるだけなど、できることからスタートしてみては。
地域の集まりで友達を作りたいのに、気の合う人との出会いがない
出会いを期待してしまうと、出会えなかったときの落胆は大きいもの。いい意味であまり期待せずに参加し、「気の合う人と出会えたらラッキー」くらいの心持ちで臨みましょう。なにも親友を探すわけではなく、「顔見知り」「情報交換する友人」を増やすつもりぐらいがちょうどいいかもしれません。まずは、地域の集まりに参加している自分をほめてあげましょう。
地域交流や近所づきあい。なかには「面倒」と思う人もいるかもしれません。しかし、子どもの安全を見守るには地域の人たちの目が必要な場合も。地域の人たちは「子どもたちの応援団」だと思い、あいさつやコミュニケーションを意識してみましょう。