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【小児科医監修】ステロイドが効かないおむつかぶれ

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幸せな少年を再生
kieferpix/gettyimages

肌がデリケートな赤ちゃんは、下痢や長時間のおむつの着用などで、おむつかぶれができがち。ひどいおむつかぶれには、ステロイド入りの塗り薬が処方されることもありますが、それでは治療できないおむつかぶれもあるようで…?
赤ちゃんやママ・パパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、思い出深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#10

おむつかぶれが治らない5カ月の女の子

5カ月の女の子の赤ちゃんを連れたお母さんが、おむつかぶれが治らないとクリニックにやってきました。
「やや下痢気味になって以来、おしりが赤くなりました。以前におむつかぶれになったときにもらっていた薬を毎日塗っていますが、治ってきません」
おしりを診ました。たしかに肛門周囲が赤くなっています。それだけでなく、両脚のつけ根の鼠径(そけい)と呼ばれる部位も赤くなっています。そして周囲がなんだかぶつぶつとしています。どうもこれは、おむつかぶれではなさそうです。

――お母さん、おむつかぶれは、おむつに当たるところに出ます。おしりだったら、でっぱりにできるものなんです。そしてあまりぶつぶつはできません。
「え、そうなんですか。じゃあこれはなんですか?」
――なにか細菌などの生き物がいると、こうやっておむつが触れていないくびれ部分にできます。これはどうやらカビのようです。
――「えー!おしりにカビが生えたりするんですか!?」
――カビとはいっても、カンジダだろうと思います。
「それだったら聞いたことがあります」

カンジタによる皮膚炎にはステロイドが逆効果になることも…

赤ちゃんのおしりに、カンジダによる皮膚炎ができることはよくあります。通常のおむつかぶれと違って、肛門周囲や脚のつけ根など、谷間に出来ることが多く、その周囲はぶつぶつした感じになります。これは通常の湿疹に処方される塗り薬では治りませんし、おむつかぶれと思って処方された塗り薬にステロイドの成分が入っていると、悪化することがあります。
ステロイドは、その部位の過敏な反応を抑える力があります。外からの刺激に対する反応を抑えることで、アトピー性皮膚炎の赤みやかゆみを抑えるなど、アレルギーやショックをやわらげることができます。上手に使えば素晴らしい力を持った薬です。
しかし、反応を抑えるということは、外敵の攻撃にも反応しにくいということです。細菌やウイルスに対して、免疫の力が弱まってしまうのです。

この赤ちゃんがもらっていた塗り薬にもステロイドの成分が入っていました。以前は通常のおむつかぶれだったので、そのときはしっかり効いてくれたのでしょう。しかし、今回は薬を変える必要があります。
「先生、治りますか」とお母さんは心配そうです。
――もちろん治ります。まず塗り薬を変えましょう。
こうして、カンジダに有効な塗り薬(抗真菌剤)を処方しました。次の診察の機会に聞いたところでは、塗り始めたその日から、みるみる改善していったということでした。(構成/ひよこクラブ編集部)

監修/吉永陽一郎先生

初回公開日 2019/10/21

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