思わず売りたくなる!耐え方は? ほったらかし投資家に聞く
連載11回目。今回のテーマは、「途中で売りたくなったら、どうすればいいの?」。
将来のお金が不安。投資も気になるけど、子育てが忙しくて手が回らない……という新米ママ・パパに伝えたいのが、手間をかけずにできる、ほったらかしインデックス投資。
ブログで投資経験を綴り、著書も出版、インデックス投資家のバイブル的存在として知られる投資ブロガー・水瀬ケンイチさんが、超カンタンガイドしてくれます。「新米ママ・パパむけインデックス投資講座。教えて!ほったらかし投資家・水瀬さん」第11回。
売りたくなっても、全力でガマン!
こんにちは!水瀬ケンイチです。
ほったらかしで、毎月コツコツ買い続けるだけでいいインデックス投資は、「長期投資が大前提」であると、これまで何度かお話してきました。
でも、人間の性(サガ)とでも言いましょうか。必ずあるんです!売りたくなってしまうことが。
例えば、ものすごく株価が下がって「辛い!これ以上損するのはムリ!」と投資そのものをやめたくなったり、逆に大きく儲かって利益を確定したくなったり。
そんな時は決まって、世の中も「今売るのが正解!」と叫び始め、売却をプッシュしてきます。
でも、長年の経験から言って、何があっても「売らない」のが正解です。実際、私も過去17年間、利益確定や損切りの目的では、一度も売っていません。
途中でやめたり、ちょこちょこ売って利益を取るのは、短期売買をやっているのと同じ。インデックス投資は、途中で果実を取らない代わりに、遠い未来に大きな収穫を得る投資法です。そういう意味で、インデックス投資家の仕事は「売りたくなった時にガマンすること」と言っても過言ではありません。
そこで今回は、売りたくなる気持ちを踏みとどまらせる秘策を4つ、お伝えします。
対策1 NYダウ平均のチャートを見る
売りたいと思ったら、とにかく「NYダウ平均」のチャートを見てください。Yahoo!ファイナンスなどですぐ調べられます。期間は表示できる最大期間、少なくとも10年以上で設定してください。
どうですか?
まるでスクスク成長する子どものように、きれいな右肩上がりになっていませんか?
NYダウ平均は、世界経済の今を反映する代表的な指標です。つまり、世界経済に丸ごと投資するインデックス投資は、この「右肩上がり」に乗っているのと同じ。
「長い目で見れば、この暴落も一時的なものだ」「今売って、この先の成長を手放すのは惜しい」と思えたら、大成功です。
対策2 寝る
損失が出ている間は、ネット証券のマイページを見るのは辛いものですし、テレビやネットも悲観的なことばかり言います。余計な感情を刺激するものは見ないに限るので、全てをオフにできる「就寝」は、単純ですがおすすめです。
そして、ぜひ覚えておいていただきたいのは、どんなに経済や投資に詳しい人でも、この先の株価がどうなるか、言い当てることはできないということ。つまり、どんなに焦って先行きを調べても、正解は出せないのです。それなら、赤ちゃんと一緒にゆっくり寝たほうが、よっぽどよくないですか?
そもそも、このほったらかしでいいインデックス投資は、忙しい子育て中に、投資で悩む時間を取られなくていいのがメリット。騒音は堂々と見送るのが、資産を守る最善策と思って間違いありません。
対策3 投資を始めたきっかけを思い出す
続いては、損している時、儲かっている時、どちらにも効く方法です。
売りたくなってしまったら、インデックス投資を始めたきっかけを思い出してみてください。その時見たブログ、書籍、誰かの言葉……などに、もう一度触れてみて欲しいのです。
それも、混乱した頭で思い浮かべるのではなく、実際に「見る」「読む」などの行動を起こすのがポイント。
「そうだ、この言葉にグッときて、私はこの投資を始めようと思ったんだ」と、原点に立ち戻ると、心が落ち着いてきます。
冷静な気持ちを取り戻せさえすれば、一時の気の迷いで動くのはもったいないことだと、すぐ気づけるはずです。
対策4 子どもの幸せを考える
子どもには、できるだけいい教育環境を作ってあげたい。豊かな暮らし、経験を与えてあげたい。そう願わないママ・パパはいないでしょう。
子どものために、一生懸命働く。そして、世の中は、そのニーズに応えようと、より良いサービス、商品を作り、成長し続けます。子どもの幸せを願う気持ちは、まさに資本主義経済の原動力そのものです。
人にこの気持ちがある限り、世界経済は、どんな壁があっても前進し続けます。そして、その波を源泉とするインデックス投資の未来もまた、照らすのです。
インデックス投資を信じることは、子どもの将来を信じること。少しずつ、確実に成長する子どもを見守るように、インデックス投資と向き合っていただけたらと思います。
ハイ!それでは今回のまとめです。
インデックス投資は、どんなに売りたくなっても、ほったらかしでOK。今まで通り、コツコツ積み立てを続けましょう!
次回も、積み立て中によくあるお悩みのひとつ、「他にいいファンドが出てきたら、どうするの?」にお答えします。お楽しみに!
(監修・水瀬ケンイチ イラスト・おぐらなおみ 取材・文 大上ミカ)
水瀬ケンイチ
1973年生まれ。IT企業に勤める会社員であり、個人投資家。2005年より、ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で自身の投資経験を綴り、インデックス投資家のバイブル的存在として認知される。著書に「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)など
参考文献:水瀬ケンイチ著書
お金は寝かせて増やしなさい(フォレスト出版)
全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド(朝日新書)
お金は寝かせて増やしなさい
投資は元本保証がありません。資産運用はあくまでもご自身の責任で行ってください。本連載の内容を実践したことによって被る損害については、いかなる理由があろうとも、監修者、運営社、執筆者ともその責任は負いません。