忙しいママ・パパはネット証券で手間いらず ほったらかし投資家・水瀬さんに聞く
連載8回目。今回のテーマは、「インデックス投資はどこで始める?」。
将来のお金が不安。投資も気になるけど、子育てが忙しくて手が回らない……という新米ママ・パパに伝えたいのが、手間をかけずにできる、ほったらかしインデックス投資。
ブログで投資経験を綴り、著書も出版、インデックス投資家のバイブル的存在として知られる投資ブロガー・水瀬ケンイチさんが、超カンタンガイドしてくれます。「新米ママ・パパむけインデックス投資講座。教えて!ほったらかし投資家・水瀬さん」第8回。
インデックス投資は、ネット証券で始めよう
こんにちは!水瀬ケンイチです。
インデックス投資は、毎月「インデックスファンド(投資信託の一種)を購入していくだけ」という、超ラクな投資法ですが、果たしてどこで購入すればいいのか?
コレ、とっても大事なポイントです。
まず、インデックスファンドは、銀行や証券会社、郵便局など、さまざまな金融機関で取り扱いがあり、意外とどこでも買えます。ですが、
「じゃあ、いつも使ってる銀行にしよう」
「郵便局なら引っ越してもどこにでもあるし」
など、安易に決めてしまうのは危険。
なぜなら、取り扱っているインデックスファンドは、金融機関によって違うから。いくら近所で便利でも、少ししか取り扱いがなかったり、手数料の高いものばかりでは困りますよね。
ならば、どこがいいのか?
ズバリ私のおすすめは、ネット証券。それも、「SBI証券」か「楽天証券」がイチオシです。
SBI証券か、楽天証券は使い勝手が良く商品が豊富
まず、ネット証券のいいところは、自宅にいながらにして、口座開設ができること。赤ちゃん連れでわざわざ金融機関に足を運ぶ必要がなく、窓口の混雑で延々と待たされる心配もありません。
そして、SBI証券と楽天証券が良いのは、良質な商品がたくさん揃っている点です。
インデックス投資で大切なのは、できるだけ手数料の安いインデックスファンドを選ぶこと(第2回参照)、でしたね。
現在は、私が投資を始めた17年前とは比べものにならないほど、コストが安く良い商品が揃ってはいますが、インデックスファンドも「商品」。この先、競争が激化してさらに魅力的な商品が出てくる可能性はもちろんあるわけです。
そのとき、その商品をすぐに取り扱ってくれるかどうか。
同じ金額を積み立てていくのなら、コストを安くできる期間は、少しでも長いほうがいい。新しい商品に早く乗り換えたいのに、いつまでも取り扱いがないのは困るわけです。
この2社なら、少なくともこれまでの実績を見る限り、その点は安心できます。
そして、ネット証券なら乗り換えも、パソコンやスマホで即完了。子育てをしながら投資を続けていくのであれば、このラクちんさはかけがえのない財産です!
万一、つぶれても心配いりません
「ネットは店舗がないから不安」、「もしつぶれたら、預けたお金はどうなるの?」という不安もあるかもしれません。ですが、心配は無用です。
投資信託は、
・購入の窓口となる「販売会社(銀行や証券会社など)」
・商品の運用を指示する「運用会社」
・販売会社が預かったお金を保管する「信託銀行」
の3つの金融機関が携わっていますが、そのどれが破綻しても、資産は守られる制度があります。
お金を保管している「信託銀行」がつぶれても? はい、大丈夫です。信託銀行自体の財産と、我々が投資した信託財産とは別に管理されているので、万一があっても、投資信託の資産には影響がないのです。
余計なセールスがないのもメリットです
ネット証券は店舗がなく、「人」が見えません。困ったことがあったときに、質問ができるか心配……という声も聞きますが、電話やメールでのサポートは充実しています。
そして、人件費や店舗代がかからないので、手数料も安い。さらに、余計なセールスがこないという、メリットもあります。
もちろん、「どうしても相談したい!」「対面でないと不安」という人には強くおすすめしませんが、人や店舗にコストがかかっている分、それなりの手数料を払うことは承知しておきましょう。
子育てに忙しい新米ママ・パパには、マイペースで投資ができて、コストも安く、余計な手間もかからないネット証券が、やっぱり私はおすすめです(笑)。
というわけで次回は、ネット証券での口座開設方法についてご紹介しますね。お楽しみに!
(監修・水瀬ケンイチ イラスト・おぐらなおみ 取材・文 大上ミカ)
水瀬ケンイチ
1973年生まれ。IT企業に勤める会社員であり、個人投資家。2005年より、ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で自身の投資経験を綴り、インデックス投資家のバイブル的存在として認知される。著書に「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)など
参考文献:水瀬ケンイチ著書
お金は寝かせて増やしなさい(フォレスト出版)
全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド(朝日新書)
お金は寝かせて増やしなさい
投資は元本保証がありません。資産運用はあくまでもご自身の責任で行ってください。本連載の内容を実践したことによって被る損害については、いかなる理由があろうとも、監修者、運営社、執筆者ともその責任は負いません。