【専門家に聞く】育児、お金のことなど…多胎児子育ての悩み
双子、三つ子など(以下 多胎・多胎児)の子育ては悩みがつきもの。双子のママであり、日本多胎支援協会代表理事を務める、十文字学園女子大学教授 布施晴美先生に解決のヒントを聞きました。
一卵性双生児を育てた布施先生に聞く 多胎児のお悩みアレコレ
Q 母乳での同時授乳がうまくいきません
A 完全母乳にこだわらず、ミルクにしてもOKです
多胎児で授乳時間が1人ずつ違うと、ママは1日中、赤ちゃんのお世話に追われてしまうので、できるだけ同時授乳をしましょう。そうすることで、次第に赤ちゃんたちのリズムもそろってきます。
ただし完全母乳の同時授乳は、抱っこのしかたやクッションを使っての支え方などコツが必要なので、難しい場合は完全母乳にこだわる必要はありません。1人の子に母乳をあげながら、もう1人の子にはミルクを与えてもいいですし、人工乳で同時授乳しても構いません。
Q 公園遊びをさせたいけれど、外に行くと大変で…
A 幼稚園や保育園の園庭開放や支援スタッフのいる児童館などを利用しましょう
公園遊びは、ママやパパが目を離したすきに道路に飛び出したり、落ちているたばこなどを誤飲したりする危険性があるので、1人で見きれないときは無理に連れて行かなくてもOK。代わりに幼稚園や保育園などの園庭開放を利用してはどうでしょう。園庭開放だと、門が閉まっているので道路に飛び出したり、たばこなどが落ちていたりする心配はありません。また、支援スタッフのいる児童館などを利用してみましょう。
Q おむつはずれをスムーズに進めるにはどうしたらいい?
A スタートを遅らせて、短期間で完了させることがカギ!
おむつはずれの時期は、イヤイヤ期と重なり、単胎児のママやパパでも手こずりがちです。そのため多胎児の場合は、スタートを遅らせて、なるべく短期間で完了させさせることがカギ! 大変な場合は遅くったってOK。進め方は単胎児と同じです。
Q 1人の子が泣いてばかりで、抱っこを占領。平等にかかわれずに不安です
A 愛情の質が平等ならば大丈夫!
子どもにはそれぞれ個性があるため、かかわる時間を平等にするのは難しいですが、愛情の質が平等ならば心配いりません。まだ言葉が出ない時期でも、抱っこできない子には「〇〇ちゃんが泣いてるから、ごめんね。待っててね」と言葉をかけて、手が空いたら「待っていてくれてありがとう!」と笑顔でギュ~っと抱っこしてあげましょう。そうしたかかわり方が、子どもの心を満たします。
Q 運動会のかけっこで双子の1人は1位、もう1人はビリでした。どんなふうに言葉をかけたらいい?
A ヘンに気をつかわず、1位の子は素直にほめてあげて
実は子どもたちは、親にヘンに気をつかわれるのが嫌なので「〇〇くん1位、すごいね!」と素直にほめてあげましょう。そしてビリの子には「××くんも頑張ったよね! ダンス、恰好よかったよ~」とフォローを忘れずに。多胎児は、親がそれぞれの個性を受け入れて認めてあげると、子どもたちもお互いのいいところを認め合えるようになります。
Q 園に預けて、働きたいのですが…
A 子どもの病気に備えて、サポート体制は万全に
乳児の場合は、1人が風邪をひいたりして具合が悪くなると、数日後、もう1人の子も具合が悪くなるというパターンがとても多いです。そのため保育園などを休む確率は高いと考えて! 仕事を始めるときは、万一の場合に家族でしっかり備えましょう。ばあば・じいじの協力は得られるか、利用しやすい病児保育はあるかなど確認してください。3歳以降になると、病気をすることが減っていきます。
Q 将来の学費が不安です
A 学資保険に入ったり、児童手当は貯蓄を!
教育費の目安は、公立小学校(6年間)で約63万円。公立中学校(3年間)で約53万円。公立高校(3年間)で、約83万円という試算が。
さらに国公立大学に4年間通うと、約472万円(入学費用含む)かかると考えられています。
多胎児の場合は、教育費が同時にかかるので、乳児のうちに学資保険に入るのがいいでしょう。また児童手当は貯蓄して教育費に当てるなど、なるべく家計の負担を減らすように、今から計画を立ててください。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
布施先生によると、多胎児のママやパパから「子育てがラクになるのはいつごろですか?」とよく聞かれるそう。乳児のころはお世話に追われて大変ですし、幼児なるとイヤイヤ期やおむつはずれなどで手はかかります。しかし子ども同士で遊び始めるので、ずいぶんラクに! 多胎児の育児は、先が見通せると不安が解消することが多々あるので、子育てに悩んでいるママやパパは、多胎児の育児サークルなどに入ってみるのもおすすめ。先輩ママの体験談などを聞くと、先が見通せますよ。
■監修/布施晴美先生
(十文字学園女子大学人間生活学部 人間発達心理学科 教授、一般社団法人日本多胎支援協会代表理事)
聖路加国際病院小児病棟看護師、埼玉県立大学短期大学部看護学科講師などを経て現職。専門は乳幼児の育児支援、多胎児家庭への支援。一卵性双生児のママでもあります。