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休校や外出自粛で「子どもが画面ばかり見ていて体への影響が心配!」と悩むママたちへー子どものネット利用を考えるWebシンポジウムPart1―

更新

新型コロナ感染の拡大防止のため、3月から休校や保育園の登園自粛などが続き、保護者からは「子どもが家で画面ばかり見ている…」という不安の声が高まっています。

「そうした不安をプラスに変えたい!」という主旨のもと、2020年5月24日、子どものネット利用を考えるWebシンポジウムが開催されました。今回はその内容を3回に分けて、ご紹介いたします。

主催は「#おうちdeネットをプラスに!」プロジェクト(事務局:安心ネットづくり促進協議会)。兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄准教授をコーディネーターとして、4人のパネリストによる提案が行われました。
<パネリスト>(文中敬称略/以下、記事内の発言はそれぞれ姓で表記)
上沼紫野:虎ノ門南法律事務所弁護士
尾花紀子:ネット教育アナリスト
高橋大洋:ピットクルー株式会社インターネット利用者行動研究室室長
松浦洋子:滋賀県PTA連絡協議会元会長

心配のもとをつきつめていくと睡眠の重要性に行き着く

(上沼) 学校が休校になって、子どもも親もずっと家にいる状態が続いています。
そのため、ゴールデンウィークから弁護士会の有志で、SNS相談を始めました。そうしたところ、保護者の方から、子どもが家でネットをずっと使っていることへの心配が複数寄せられたのです。

子どものネット利用の問題は、「心配しなくていいこと」「心配してもしょうがないこと」と「心配しなければいけないこと」に切り分けることができると思っています。今回、それをどこで区別したらよいのかをみんなで考えられればと思い、このような会を開催させてもらいました。

現在の状況と課題ですが、ネットの長時間利用そのものは実は心配することではなく、保護者の方はそれによって何が起こるのかが心配なのだと思います。
そして何が一番心配って、子どもの健康でしょう。中でも、睡眠時間の確保が重要だと思います。

(松浦) 私は子どもがネット依存になってしまい、本当に悩んだ時期がありました。家にいる間、娘は片時もスマホを手放さず、寝不足から学校へ行く途中に貧血で倒れて、救急車で運ばれたことがあるんです。
娘の異変は目の下にクマができて目がどんよりとしたことから始まり、寝不足から朝ごはんも食べなくなってしまいました。
今はネットに頼らざるを得ない時期ですが、私はコロナが終息した後にどうなるかを心配をしています。

(高橋) 仕事柄、ネットの影響や睡眠の大切さ=眠育の勉強を私はしています。いかに睡眠が大切かということを、ずっと家庭内でも伝えてきました。
休校になる時も、睡眠のリズムが乱れてしまうと、それを戻すのが大変だということを最初に子どもたちに伝えてスタートをしたこともあり、睡眠時間が減るようなことはありませんでした。ただ、それを守らせるためには、親も早く寝なければいけません。
また、それ以外の、勉強や遊びに関しては、子どもにも言い分がありますし、なかなかうまくいかない部分もあります。

親も一緒にルールを守り、守れたら褒めることが大切

(竹内) 最初のルール作りが重要ということですね。そして、うまくいかない部分は日々、キャッチアップして変えていく必要があるんでしょうね。

(高橋) そうですね。ルールは子どもだけに守らせるのではなく、親も守れるかが大切。たとえ、子どもと同じ時間に寝なくても、「寝る直前まで画面を見ていたらダメ」と言っているのなら、親もやはり寝る直前までスマホを見ていてはダメなんです。

(尾花) 私もいろいろなところでネットの長時間利用の影響についてお話ししていますが、目や姿勢など心配なことは多々あるものの、特に知っておいていただきたいのはブルーライトの影響だと考えています。
女子中高生がいる場では、「ブルーライトは肌の奥深いところまで届き、色素沈着を引き起こすという研究結果があり、将来、シミやシワだらけになってしまう可能性があるらしいよ!」と伝えて考えさせたりしています。
ただ、目や肌に負荷がかかっても、睡眠がしっかりととれて成長ホルモンが十分に分泌されれば、それらを修復してくれるので大丈夫なんです。
また、睡眠が足りないと、親も子どももストレスがたまってイライラするじゃないですか。ストレスって、抵抗力や免疫力を下げてしまうんです。
でも実は、抵抗力や免疫力も睡眠がカバーしてくれるので、やはり寝るのが一番重要だと思います。

(松浦) そうですね。そして、子どもは自分の体が疲弊しているということを、意外と気づかないもの。そこは親が気づいて、手助けしたほうがいいと思います。

(尾花) ブルーライトは青空の太陽光にそっくりなんです。だから、夜にその光が目から入ってくると、脳が朝だと勘違いしてしまい、質の良い睡眠がとれなくなるんです。質の良い睡眠こそが、目・肌などの疲労やストレスを修復するし、免疫力を高める。
だから、スマホをやめる時間を決めるといいと思います。12時に寝るのなら、夜11時にはスマホをやめる。
ただ、11時でやめられないからといって、頭ごなしに叱らないでほしいです。
ゲームをやっていて、すぐに終われない時ってあるじゃないですか。子どもが「あと5分!」と言って、ちゃんと5分で終えられたら、それを褒めてほしいんです。
「ちゃんと、5分で終えられたね」って。

(竹内) 難しいなー。それ、当然のことに思いますからね。

(尾花) 言ったことに責任を持ち約束を守れたから、ほめるんです。ただし、長くなった分は取引して調整すればいいと思います。「今日5分長かったから、明日は5分早く終わろうね」とか。
そして、その代わりに、親も言ったことに責任を持つようにしなければダメですね。
「ご飯の支度、あと10分で始めるからちょっと待ってて!」と言ったら、ちゃんと10分以内に取りかからないといけないと思うのです。

(上沼) 長時間のネット利用で一番心配なのは、健康のこと。寝る時間の確保だけでなく、寝る前までやっていると寝つきが悪くなるよ、ということはわかりました。
ただその際、子どもに納得させるのが難しいという場合は、なぜダメなのかを客観的に伝えるツールを使うといいと思います。
参考にお知らせしておきます。
「保護者のためのスマートフォン安心安全ガイド」

(竹内) いいですね。子どもたちはネットの情報をとても信用しますから。
子どもに伝えるためには、子どもが納得できること=「納得と実感」が大事ということですね。では次からは、どういう対策ができるかについて話しましょう。

子どもがネットばかりしていることを単純に心配するばかりでなく、一体何が心配なのかを、まず考える必要があるということですね。
スマホのなかった時代に戻ることはないので、健康に気をつけるためにどうしたらいいのか、現在は家庭で話すいい機会といえるでしょう。
親が頭ごなしに叱ったりせずに、子どもに納得できる伝え方はどうしたらいいか、親も一緒に決め事を守ったり、自分の言ったことに責任を持ったり、ネットについて考えるツールを使ったり。いろいろなヒントをいただきました。

次回のテーマは「子どもが守れるルール作りのポイントと継続法」です。
Webシンポジウムの当日の模様は、下記でも視聴することが可能です。

(取材・構成/橋本真理子)

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