【月齢別遊び・11カ月~1才ごろ】指先遊びや積み木崩しなど、夢中になる遊びを見つけてみよう

11カ月~1才ごろになると、手指の動きがさらに器用になって、シールはがしなど指先でこまかい動作をする遊びや、形はめパズルなどの物の出し入れなども楽しい遊びになります。また、積み上げた積み木を崩したり、新聞紙をビリビリと破ったり、崩す、壊す、破く遊びに夢中にもなります。ボールを両手で投げるといった、全身を使い、複雑な体の動きが必要な動作も少しずつできるようになるころです。そこで、赤ちゃんの成長に合わせた遊びを相模女子大学学芸学部子ども教育学科・准教授の金元あゆみ先生に聞きました。
【赤ちゃんの心と体の発達】1人で立っちができたり、欲しいものを指さしたりするように
伝い歩きが上手になると、足の力だけで体を支えてバランスをとり、立っちができるようになります。立っちのあとすぐに初めの一歩が出る子もいますが、伝い歩きや立っちの期間が長い場合も少なくありません。手指はさらに器用になり、ふたの開け閉めなどもできるようになります。
言葉の理解はさらに進み、「ブーブはどこ?」と聞くと車のほうを見たり、「ちょうだい」と言うと持っているものを渡すなど、簡単なやりとりができるようになります。欲しいものを指さしながら、「アッアッ」と声を出したり、「マンマンマ…などの意味のない言葉でおしゃべりも始めます。欲しいものや行きたい方向を指さしたら、指さす方向を赤ちゃんと一緒に見て、「〇〇だね」「欲しいの?」と声をかけてあげることで親子の信頼感は大きく育ちます。
【遊びの大切さとポイント】押す、つまむなど指先を使ったり、全身を使ったボール遊びを
このころの赤ちゃんは、指先がいっそう器用になっていくので、指先を使う遊びが大好きです。指先でボタンを押すなど、真剣な表情で夢中になって取り組みます。ママやパパはつき合って一緒に遊んであげましょう。また、大人は、積み木は積んで遊ぶものと思いますが、赤ちゃんは崩すことも大好きです。作り上げる前に壊すという段階を踏んで発達していくからです。気持ちも発散できるので、ぜひ遊びで壊す楽しさも体験させてあげましょう。
このころの体遊びは、ボール投げがおすすめです。ボールを投げるという動作は、全身を使い、複雑な体の動きが必要。バランス感覚もはぐまれます。また、はねて転がってと、ボールの動きも楽しめます。最初はママやパパと「はい、どうぞ」「ちょうだいな」といったやりとり遊びの延長で遊んでみましょう。
形はめパズルで指先遊び

押したりつまんだり指先を使った遊びをしたいころです。おもちゃを使ってもいいですし、ママやパパが安全に手作りをした形はめパズルでもいいでしょう。赤ちゃんがまだ上手にできないうちは、ママやパパが形にはめこんであげておいて、最後のひと押しを赤ちゃんにさせてみましょう。ポトンという音にも喜びます。
ピンポン玉をポイ!

このころの赤ちゃんの手には、ピンポン玉の大きさがぴったり。つかむ練習に最適です。つかんだら、空き容器に入れて、遊んでみましょう。ただ、赤ちゃんが口に入れてしまうと、誤飲してのどにつまったりしたら大変危険です。口に入れないよう、必ずそばで見守りましょう。
ママ・パパと指先つんつん

赤ちゃんとママやパパの人さし指同士をつんつんと合わせてみましょう。意外に難しいから夢中になれます。どこでも遊べるのがメリット! お出かけ先でも楽しめます。
積んで崩して!

まだ赤ちゃん自身が積み木を積み上げるのは難しいころです。ママやパパが積み木を積んであげて、それを赤ちゃんに思いっきり崩させてあげましょう。何度も繰り返していくうちに、赤ちゃんが少しずつ積み木を積もうとし始めます。
なんでもビリビリ&グシャグシャ

新聞紙などをビリビリ破いたり、グシャグシャにしたりして遊びます。新聞紙をちょっと破いてあげると、破りやすくなります。赤ちゃんは、破いたり、グシャグシャにする感触や音がおもしろいのと、自分の指先の力加減がおもしろくてウキウキです。
【編集部注】赤ちゃんと新聞紙で遊ぶ際は、誤飲や、滑って転倒する場合があるため、必ず大人と一緒に遊んでください。また、遊んだあとは片付けてください。
ボールコロコロ~

最初は赤ちゃんとママやパパが向かい合って座り、ボールを転がしながらやりとりをしましょう。そのうち軽くはずませたり、ボールの動きを楽しんで。
家にボールがなくても、新聞紙などをクシャクシャにして丸めてビニールテープで巻けば、ボールの代わりになります。空き箱に投げ入れて遊んでもいいでしょう。
みえるかな?
つかまり立ちの目の高さの壁に赤ちゃんの好きな写真や絵を貼っておきます。「あ、わんちゃんいるよ」と写真を指さして興味を引きながら一緒に探索を楽しみましょう。つかまり立ちをしたら「わんちゃん、よく見えるね。やったあ」と発見を一緒に喜んで。
手指の動きがさらに器用になるこの時期は、指先を使うこまかい動作を遊びに取り入れて、遊びに夢中になる時間を作りましょう。積み木崩しやボール遊びなど、夢中になれる遊びはいっぱいあります。親子で一緒に遊んで見つけてみましょう。また、つかまり立ちが盛んになると目線の高さが変わって、発見や見え方を楽しむようになります。自分でいろいろな場所に移動し、見つける楽しさを味わえるよう、一緒に見ている視線の先を指さして喜びを共有しましょう。
監修/金元あゆみ先生 イラスト/とよたまみ 取材・文/ひよこクラブ編集部
金元あゆみ先生(かなもとあゆみ)
(相模女子大学学芸学部子ども教育学科准教授)

Profile
保育学・幼児教育学を専門とし、保育園での保育を経験後、大学院に進学。昭和女子大学の助教を経て現職。著書に「0歳児のあそび」(ひかりのくに)がある。
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