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おもらしを叱るのはNG 生理現象は努力でどうにかなるものではない・ママ泌尿器科医

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※写真はイメージです。
ziggy_mars/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生が考える、“子育てと排尿”。トイレトレーニング(おむつはずれ)って大変そう…とあせるママ・パパたちは必読です! 「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#6。

おむつはずれは、早く始めたからと言って…

こんにちは。
これから何回かに分けて、子育てと排尿についてお話ししようと思います。

まずは幼児期のお母さんの関心が高いトピックの一つである、トイレトレーニング(略してトイトレ)について。
私が行っている講座でも「いつから始めたらいいですか?」「なかなか進まなくてあせります」といった声を多く耳にします。

私が驚くのは、みなさんとても早い時期からトレーニングを始めようとされていること。

まず知っておいてほしいのが、
・早く始めたからといって早く完了するわけではない
・トイレが自立できる時期や、かかる時間は個人差が大きい
ということ

具体的に、トイトレを始めるタイミングについては次のような項目がポイントになってきます。

①膀胱にそれなりの量がためられるようになること(間隔が2時間程度空くのが目安)
②「尿意(おしっこがしたい感覚)」がわかり、それを伝えることができること
③トイレへの興味・意欲があること

これらの項目に該当してくる時期は個人差がとても大きいです。

「保育園の同じクラスの○○ちゃんはもうできているのに…」「上の子は2才ではずれたのに…」とほかの子と比較したり、それによってあせったり必要はありません。

一般的には昼間のおむつが取れる時期は、2才6カ月~3才6カ月ごろとお伝えしています。「思っていたよりゆっくりで大丈夫なんですね」と安心されるママ・パパも少なくありません。

生理現象は努力でどうにかなるものではない! 失敗をしかるのはやめて

あとは、「排せつに関する失敗をしからない」ということもお願いしています。

「排せつ」ってすごく自尊心にかかわることで、そこを否定されたり怒られたりすることは想像以上に子どもを傷つけます。
「失敗したらどうしよう…」「怒られたくないよ…」という思いが強いストレスとなり、さらに自立を妨げる原因にもなり得ます。

たとえば、私たち大人が、思いがけず人前でおならをしてしまった場合を想像してください。ただでさえ「どうしよう」「恥ずかしい!」と思っているのに、「なぜ人前でおならなんかするんだ!」「我慢できなかったのか!」と怒られたらどうでしょう。めちゃくちゃショックだし、トラウマになってしまいますよね。誰かを困らせようと思ってしたわけじゃない、努力でどうにかできるものではない、生理現象をしかっても、百害あって一利なしです。

私たちが普段当たり前のように行っている排尿ですが、実はすごく高度で精緻な身体のしくみによって行われています。
脳、神経、筋肉、膀胱の華麗なる連携プレーの結果です。

「どうしてできないの?」「できて当たり前」という認識ではなく、「すごい!」「こんな高度なことができるようになった!」という感覚を持ってもらうと、イライラやあせりも少しは緩和されるかなと思います。

大人もエネルギーを使うトイトレ。“ゆるトレ”でいきましょう

ちなみに、私の息子は2才も後半戦に突入していますが、まだ家庭ではおむつをはいています。(本人はなぜか「おむつ」ではなくて「パンツ」と呼ぶことを要求します(笑))
保育園では定期的にトイレに誘って連れて行ってくれることもあり、園にいる間は成功率もかなり上がってきているとのこと。家庭内でもトイトレしないとな…と思いつつも、なかなかしっかりとは取り組めていません。

大きな理由の一つは、トイトレって大人側のエネルギー&忍耐も必要とされるから。

息子は「おしっこしたい感覚(尿意)」を事前に伝えることはまだできませんが、トイレという場所自体は大好きです。なぜなら、トイレットペーパーを延々とカラカラ引っ張り出し続けたり、水を何度も何度も流して水遊びをするのが楽しいから。「おしっこ」と言うから連れて行っても、実は遊びたいだけで、おしっこはほぼ出ない…という「おしっこ詐欺」に遭うこともしばしば。
ちゃんとおしっこが出たときも、次はペーパー、その次は水、となかなかすぐにトイレから出てくれず。それにつき合うのはかなりのエネルギーと忍耐力が必要で、仕事終わりで疲れ切っているときや、朝のドタバタの中では「勘弁してくれ…」という気持ちになってしまうことも少なくありません。

一緒に家にいる時間は、極力笑顔で楽しく接することを優先し、トイトレに関しては「イライラしそうな時は無理にやらなくてもいいや」「息子から『トイレ行く』って言ったときだけ連れて行けばいいや」と割りきって過ごしています。

わが家はもうしばらく、「ゆるトレ」でのんびり進めていく予定です。

構成/ひよこクラブ編集部

文・監修/岡田百合香先生

泌尿器科医の先生でさえ息子さんに手を焼くほど、トイトレ完了の道のりは険しい! だからこそ、スタートや進め方では“大人があせらないこと”が大切なんですね。次回も、「子育てと排尿」にまつわる話をお楽しみに。

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