赤ちゃんのねんねトレーニング「タイムメソッド」って? 米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント
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今回は赤ちゃんが1人で寝られるようになる、もう1つのセルフねんねトレーニング「タイムメソッド」について。日本人初の米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さんが、赤ちゃんや子どもの睡眠について米国NYから情報を発信! 「愛波文さんのぐっすりねんねROOM#19」。
ねんねトレーニングフェイドアウトメソッドって?
前回ではセルフねんねトレーニングの「フェイドアウトメソッド」(#18 赤ちゃんのセルフねんねトレーニングって?
)をご紹介しましたが、今回はもう一つのセルフねんねトレーニングのメソッド「タイムメソッド」についてです。
まず、今現在、ママ・パパが赤ちゃんの寝かしつけ(添い寝・抱っこ寝・体をトントンするなどの方法)に悩んでいない場合、このセルフねんねトレーニングはしなくてOK。今、何も問題がなく、ハッピーな場合は今の寝かしつけを続けて大丈夫ですよ。セルフねんねトレーニングは、必ず行わないといけないものではないんです。
この「タイムメソッド」にトライするときも、やはり大切なことは連載2回目でお伝えした睡眠の土台が整っていること。睡眠環境が安全で整っている、昼寝が十分にとれている、さらに、親の幸福度も大切なポイントになります。
睡眠の土台が整っていないと、泣きが激しくなってしまったり、一貫性をもって続けることができなかったりと、セルフねんねトレーニングを行ってもなかなかうまくいかず、断念してしまうケースを私はいくつも見てきました。
赤ちゃんを寝床に置いたあと、部屋に入る&あやしに行く時間を決めて行動する トレーニング
「タイムメソッド」は、まず、赤ちゃんがまだ寝入っていない、目が覚めた状態でベビーベッドや布団に寝かせることがポイント。
その後、ママやパパは部屋を出ます。赤ちゃんが泣いても、すぐに部屋に入らず、下記の表内の待機時間を守ることが大切。
1週間かけて、部屋に入るまでの時間をだんだんと空けていき、赤ちゃんがひとりで寝られるようにトレーニングしていくのです。
泣きタイムの目安
待機時間を計るのは泣いているときだけ。「あー」「うー」といった声やおしゃべりは泣きには含まれません。
入室時間が来たけれど泣きが治まったり、継続的に泣いていない場合は、入室せずに様子を見ましょう。
部屋の中の様子が見られるベビーモニターがあると便利かもしれません。
添い寝をしている場合と、添い寝をしていない場合、基本の方法は同じです。以下、それぞれ紹介しますね。
【添い寝をしていない場合】の方法。 寝かせたあと、30秒以内に部屋を出て
添い寝をしていない場合の具体的なかかわり方を紹介します。
1 毎日一貫性をもって同じ寝かしつけルーティンを行います。
2 「ねんねの時間だよ、大好きだよ、おやすみ」と語りかけてから、ベビーベッド、または囲い(ゲート)がある布団の上に赤ちゃんを寝かせて、30秒以内に部屋を出ます。
3 赤ちゃんが激しく泣いている場合(1回目の泣きタイム)は、部屋を出てから3分計ります。
3分たっても激しく泣き続けている場合のみ部屋に入り、1分以内に声かけをして再度部屋から出ます。
赤ちゃんとの触れ合いは最小限にしたいのですが、必要な場合は体をトントンしてもOK。「大丈夫だよ、ママ・パパは外にいるからね」と、同じ一文をおまじないのように繰り返し、1分以内に部屋を出ます。
ただし、入室時にそれまで以上に泣く場合は、親の存在が刺激になっている可能性があるので、30秒で退室しましょう。
4 退室しても激しく泣いている場合(2回目の泣きタイム)、5分計ります。
5 5分たっても激しく泣き続けている場合のみ、再度部屋に入り、声かけや体をトントンして1分以内に退室。そして次に泣いた場合(3回目の泣きタイム)は8分計って同じように繰り返し、寝るまで8分間隔を保ちます。
6 トレーニング日数に応じて、表の時間待機します。ただ、激しく泣いている場合のみ、入室→退室→待機を繰り返しましょう。
【夜中、起きて泣いたとき】
2~3分は何もせずに様子を見ます、泣きやまない場合は、「大丈夫だよ、ママ・パパは外にいるからね」とおまじないの言葉を伝え、その後退室します。
部屋を出た後は、その日の1回目の待機時間(たとえば、1日目の場合は3分)を計り、待機時間を経過しても泣き続けている場合のみ部屋に入り、再び寝つくまで、最初の寝かしつけと同じ動きをしましょう。
夜中に何度も起きる場合も、朝起きる時間になるまで繰り返し行いましょう。
この連載の6回目「「夜泣き」にまずするべきこと 米国IPHII公認・乳幼児睡眠コンサルタントに聞く」も参考にしてください。
添い寝をしている場合も、基本は 添い寝をしていない場合と同じ
添い寝をしていても、赤ちゃんがひとりで寝つき、朝まで夜通し寝るようにすることは不可能ではありません。
ただ、夜通し寝るようになるまでの期間は、添い寝をしない方(親子別室/同室で寝ていても親子で違う布団やベッドで寝るなど)が、早く効果が出ます。
また高さのあるベッドで添い寝をしている場合、睡眠の土台の中の「睡眠環境」がきちんと整っていません。まず寝床の安全性を確保し、睡眠環境を整えましょう。
添い寝をしている場合の具体的な方法は、下記をチェック!
1 上記の“添い寝をしていない場合の方法”①~⑥と同じ方法で進めましょう。
2 ママ・パパは、赤ちゃんが完全に寝ついた後に、ベッドや布団に入ります。そのとき、できるだけ、赤ちゃんに触れないようにすることがポイントです。
【夜中起きて泣いたとき】
夜中に起きた場合、まず、親は何も反応せずに様子をみましょう。
泣きに対して反応するのは、その日の1回目の待機時間(1日目なら3分)経過後に。
もしくっついてきたり、親の上にのっかってくる場合は、一度部屋を出て、その日の1回目の待機時間を計り、泣き続けている場合のみ入室しましょう。
そのあとは、再び寝つくまで、寝かしつけと同じ動きをしてください。
夜中に何度も起きる場合も、朝起きる時間になるまで繰り返し行いましょう。
泣きが激しく、入室するか迷ったときはどうする?
添い寝をしている場合も、添い寝をしていない場合も、入室すべきか迷うときが必ず出てきます。
私も実際セルフねんねトレーニングを教えていたときに悩みました。そういうときには、「入室したら今より泣いてしまうだろうか?」と自分に問いかけ、もし泣くと思ったら入らないようにしましょう。
その後、赤ちゃんの泣きが激しくなり、その状況が1分間続いたら、入室を。1分以内に退室をし、次の待機時間を計ります。
ママ・パパの間でその判断にもめる場合もよくありますが、その時は入るのが正解。繰り返すうちに、入るべきか否かをわかってきます。
もし「タイムメソッド」にトライしても、寝かしつけがうまくいかない場合、前回紹介した「フェイドアウトメソッド」を試してみるといいでしょう。
“睡眠の土台”さえ整っていれば、どちらかの方法で、赤ちゃんはセルフねんねができるようになります。赤ちゃんの睡眠トラブルが改善し、ママ・パパも気持ちに余裕が生まれるはずです。まずは1週間、続けてみてくださいね。
構成/ひよこクラブ編集部
※写真はイメージです