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【医師監修】双子妊娠の基礎知識 妊娠2~10カ月の流れと気をつけたいトラブル&対策 

更新

RyanKing999/gettyimages

双子妊娠は、妊娠生活でどんな注意をすればいいのか、早産しないか、管理入院の必要はあるのか、帝王切開になるのかなど、知りたいことは山ほどあるのに、身近に先輩ママが少なく、なかなか聞けないことも。双子の妊娠・出産・産後のことを、産婦人科医の竹内正人先生に解説していただきます。

双子の種類について教えて

双子には「卵生」といって、「一卵性」と「二卵性」があります

双子には、1つの卵子に1つの精子が受精した受精卵が、なんらかのきっかけで2つに分かれてそれぞれに成長する「一卵性」と、2つの卵子が2つの精子それぞれと受精して成長する「二卵性」があります。一卵性の場合は、おなかの赤ちゃんは同性。二卵性の場合は、同性と異性、両方の可能性があります。                  

妊娠中は「膜性」診断が重要! 「一絨毛膜性」と「二絨毛膜性」があります

一卵性か二卵性かというのを、誕生後はよく聞かれると思うのですが、妊娠中に重要なのは、実は「膜性」=絨毛膜性(じゅうもうまくせい)のこと。絨毛膜は、卵膜の一部で赤ちゃんのいる部屋の壁のようなものです。これが、1つなら一絨毛膜性、2つなら二絨毛膜性といいます。一絨毛膜性は、1つの胎盤を2人で共有し、二絨毛膜性は、胎盤が2つあり、それぞれでつながっています。さらに、一絨毛膜性では、1人が1つの羊膜(ようまく)に包まれているケースと、2人が1つの羊膜に包まれているケースがあります。

子宮を2人で共有している「一絨毛膜性」はリスクが高め!

双子は、もともと狭い子宮の中を2人で共有するため、単胎妊娠よりもリスクが高いといわれていますが、中でも注意したいのは、胎盤を共有している一絨毛膜性です。そのため、膜性を確認して、より注意深く妊娠経過をみていく必要があります。妊娠12週を過ぎると、膜性が確認しにくくなりますし、単胎よりも慎重に、注意深く妊娠経過をみていく必要があるので、できるだけ早い時期に受診することが大切です。

双子の妊娠生活、単胎妊娠とどこが違う?

Pirotehnik/gettyimages

妊娠時期別(初期・中期・後期)に、単胎妊娠とどこが違うのか、どこが同じなのか、気になるところを紹介します。

妊娠初期

□つわり
双子の場合、つわりも倍になって症状がひどくなるイメージがあるようですが、実際は、単胎妊娠と変わりません。双子だからつわりがひどくなるわけではなく、あくまでも個人差によるものです。

中期

□おなかの大きさ
単胎の妊婦さんにくらべて、早めにおなかが大きくなります。おなかが大きくなると腰や背中の負担も増してくるので、姿勢に注意しましょう。

□体重増加
赤ちゃんが2人いるからといって、単胎妊娠の倍の体重を増やしていいわけではありません。妊娠前が標準体重ならば、単胎妊娠よりも増えていいのですが、体重増加の割合は、妊婦さんそれぞれ違います。かかりつけの医師や助産師、栄養士とよく相談しましょう。

□運動
妊娠5カ月を過ぎると、体が安定し、単胎の妊婦さんは運動やマタニティスポーツがOKになりますが、多胎の場合は控えめにといわれることが多いでしょう。

後期

□おなかの大きさ
妊娠8カ月くらいで、単胎の妊婦さんの臨月くらいの大きさになっていることが多く、その分、むくみや腰痛などのマイナートラブルも増えがちです。

□入院準備
妊娠8カ月に入ったら、いつお産になってもいいように、入院準備をしておきましょう。とくに、一絨毛膜性の場合は、リスクが高いために管理入院することがあります。

□出産
双子の出産は、単胎妊娠よりも少し早い時期に始まることが多いでしょう。ただし、今は双子の場合、すべてが帝王切開となる施設がほとんどでしょう。一方、経腟分娩ができる施設であっても、赤ちゃんの状態や、先に生まれる赤ちゃんの胎位(たいい)によっては、赤ちゃんが危険になるため、希望通りとはいきません。経腟分娩をあきらめ、帝王切開になります。

双子妊娠に起こりやすいトラブル

BorupFoto/gettyimages

胎児発育不全

双子の場合は子宮の中が狭くなります。発育の度合いも、単胎とくらべると緩やかになることを考慮しますが、それを超えるほど極端に成長しない場合、胎児発育不全の診断が。胎盤の機能が低下してきていると考えられたり、赤ちゃんの成長が止まっているようなら、タイミングをみてお産にふみきります。

双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)

一絨毛膜性の双子の場合、1つの子宮を共有しているため、赤ちゃん相互で、血液の行き来があります。一方の赤ちゃんからもう一人の赤ちゃんへ輸血するのと同じような状態になり、2人の成長に大きく違いがでてくることも。これを双胎間輸血症候群といいます。胎盤に原因があり、予防はできないため、健診でしっかりと赤ちゃんをみていき、必要な状態になったら治療に。高度な技術が必要なため、治療できる施設が限られているので転院の可能性があります。

胎児発育不均衡

2人の赤ちゃんが、まったく同じように発育することはありません。それぞれの推定体重が15~25%以上になってきたときは、慎重に経過をみていきます。原因がわからないことが多いですが、小さいほうの赤ちゃんのへその緒の付着部に問題がある場合もあります。問題がなくても、赤ちゃんの体重差がでてくることも多いです。完全に一緒に成長することはないので、あまり心配しすぎないようにしましょう。

その他

妊娠高血圧症候群や、さかごになりやすいという報告があります。

Q 産後の育児が心配。どんな準備をしておけばいい?

A ママ1人では無理! 周囲をまきこんで子育てをしましょう

双子の子育ては、産後すぐがとくに忙しくなります。ママ一人だけでは無理です。夫の協力が必要なのはいうまでもありませんが、夫の職場環境や状況によっては、サポートがたりない可能性も。それを補う人手がほしいところです。実母や義母、自治体や民間のサポートの力を得てください。1人で頑張ろうとすると、ママ自身の心身がこわれてしまいます。赤ちゃんはママが元気なのがいちばんです。妊娠中からしっかりと情報を集めたり、近隣の双子サークルに入って先輩ママとの交流もあると安心です。

双子妊娠は、単胎妊娠にくらべて、確かにリスクはあります。1つの子宮の中で2人も育てていくのですからある程度はしかたありません。その分、妊婦健診の間隔も短く、単胎妊娠にくらべて健診回数が多くなりますし、より慎重にこまかな診察をしますから、やみくもに不安がることはありません。不安が大きい分、自分の体に目を向け、おなかの赤ちゃんと向き合える面もあるのではないでしょうか? 産後も、子育てが大変な時期はありますが、まわりのサポートを受け、たくさんの人の手で育てるよろこびもあります。また、双子は、ある程度まで育つと、2人で遊ぶようになるので、ママはラクになるという声もよく聞きます。自分には、幸せが2倍やってくるんだと思って、妊娠生活も子育ても、楽しんで、ゆったりと過ごしてください。
(文/たまごクラブ編集部)

初回公開日 2018/12/9

【産婦人科医】竹内正人 先生

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