SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 0歳代でも100人中2~3人は“低身長”。気になるときは早めのケアが必要【専門医】

0歳代でも100人中2~3人は“低身長”。気になるときは早めのケアが必要【専門医】

更新

医師測定の高さのかわいい赤毛の女性。
※写真はイメージです
luckyraccoon/gettyimages

乳幼児の低身長といってもピンとこないママやパパもいるかも知れませんが、0歳代でも低身長の子は100人中2~3人はいるそうです。子どもの低身長に詳しい、国立成育医療研究センター 内分泌・代謝科診療部長 堀川玲子先生に、乳幼児期の低身長について聞きました。堀川先生は、低身長には原因があるので、その原因を見つけることが大切だと言います。

低身長か見極めるには、SD表示の成長曲線でチェックを!

低身長とは、遺伝や栄養不足が原因のほか、病気が原因の場合は「低身長症」という診断名がつき治療が必要になります。近年、低身長症という病気ではなくても、低身長(身長が低め)という子が増えているようです。

「低身長の子が増えている理由の1つには、2500g未満で生まれる低出生体重児や、1500g未満で生まれる極低出生体重児が増えていることが考えられます。今、低出生体重児の割合は、全出生児の1割ぐらいになっています。極低出生体重児は約1%にみられます。
小さく生まれた赤ちゃんは、成長しても“生まれたとき小さかったから、小柄でもしかたがない”と考えがちですが、3歳になっても小さいと思うときは低身長症を疑ってください」(堀川先生)

では低身長とは、身長何cm以下の子のことを指すのでしょうか。

「低身長とは、SD表示の成長曲線で-2SD以下に該当することを言います。
男の子は、1歳0カ月だと身長70cm以下、2歳0カ月だと身長80cm以下だと-2SD以下に該当し低身長です。
女の子は、1歳0カ月だと身長69cm以下、2歳0カ月だと79cm以下だとー2SD以下に該当して低身長です」(堀川先生)

ちなみにSDとは、標準偏差のことです。身長の伸び方には個人差があり、平均値からどのくらいの範囲が標準で、どのくらい離れていると低いのかという幅を示すのがSD値です。
SD表示の成長曲線は、日本小児内分泌学会のHPから印刷ができるので、気になるママやパパはチェックしてみてください。
日本小児内分泌学会

「低身長に該当する-2SD以下の子は100人中2~3人います。
身長が高いか低いかは、遺伝要素によるところが大きいので、パパ・ママが低めの身長の場合は似てくると思います。それは個性と考えてもいいのですが、現代は栄養状況もよくなっているので、食事を見直すことで改善することもあります」(堀川先生)

またSD表示の成長曲線をつけたとき、-2SDだけど、その子なりに順調に成長している場合もあります。そんなときは、どのように考えるといいのでしょうか。

「―2SDでも順調に成長している場合は、治療の対象にならないことが多いですが、低身長の原因を見つけることが第一です。ほうっておくと小学生、中学生、高校生になったときに低身長症という病的な状態になる可能性があります」(堀川先生)

よくある低身長の原因の1つは栄養バランスと食事の量。3回食になっても小食の子は要注意

堀川先生は、乳幼児期からの栄養バランスと食事の量も低身長の原因の1つと言います。

1歳の子をもつママからは、次のような声も聞かれます。

●1歳半健診で、低身長と言われました。息子は身長77.4cmです。1歳半でも、まだ母乳を欲しがります。そのため食事は小食です。母乳で満たされているのかも知れません。私は身長158cm、パパは身長174cm。夫婦ともに低身長ではありません。

「体験談のようなケースは、実は珍しくありません。離乳食が3回食になっても小食で、母乳・ミルクが好きな子は、離乳食から十分に栄養がとれていません。なかには“母乳(ミルク)を飲んでいるから大丈夫!”と考えるママやパパもいるかも知れませんが、とくに母乳はママやパパが思うほど出ていないことが多いです。
そのため3回食になったときに、小柄で小食の子は注意が必要です」(堀川先生)

大切なのは栄養バランス! とくに鉄、亜鉛は意識してとって

子どもの成長を促すとき、まず大切なのは栄養バランスと食事の量です。

「離乳食は、ベビーフードを使ってもいいので、栄養バランスがとれて、なるべく食が進むように工夫してください。
低身長で小食の子は、和食より洋食が好きならば、洋食メニューが多くなっても構いません。とにかく食べて、栄養をとることを第一に考えてください」(堀川先生)

また乳幼児期、不足しがちな栄養素は鉄と亜鉛です。

「鉄と亜鉛は、体の成長を促す大切な栄養素です。この2つが不足すると身長が伸びにくいです。
鉄は赤みの肉やレバー。亜鉛は牛肉、豚肉、レバー、しらす、大豆などに含まれているので、離乳期から意識してとらせましょう。
ほかにはタンパク質、ビタミンなども必要です。気になる場合は、半年に1回ぐらい小児科などで栄養相談を受けるといいでしょう」(堀川先生)

お話・監修/堀川玲子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

身長が伸びるのは思春期までが一般的。堀川先生によると、身長は伸びる時期が決まっているので、気になる場合は、乳幼児期から早めにケアしていくことが大切だそうです。

堀川玲子先生(ほりかわれいこ)

Profile
国立成育医療研究センター 内分泌・代謝科 診療部長。東北大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院修了。国立小児病院内分泌代謝科医員などを経て現職。専門分野は、成長障害などの小児内分泌代謝学。

※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。