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目を離していなくても起きてしまう子どもの事故を防ぐには?実体験から考える【ママ泌尿器科医】

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危険な状況を自宅で幼児の少年。
●写真はイメージです
Halfpoint/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第32回。今回はいつもの連載と少し変えて「子どもの安全、事故防止について」がテーマ。岡田先生の1才半の長女が、ショッピングモールで買い物中、頭がい骨骨折の大けがをしてしまいました。その事故を振り返り、子どもの事故予防や安全について考えます。

「目を離さない」だけでは事故を予防できない

子どもの事故予防でよく言われるのが、「目を離すな」という言葉です。
しかし、家事や保護者のトイレ、洗髪、睡眠など、日々の育児の中でひとときも子どもから目を離さないでいることは不可能です。
また、目を離さないだけでは事故を防げないという科学的なデータもあります。子どもが転び始めてから床におしりやひざがつくまでにかかる時間を調べた研究では、平均で0.5秒だったそうです。
つまり、たとえ目を離さず見ていたとしても「あっ、危ない!」と思ってから転倒を防ぐことはできないということです。

今回、家族でショッピングモールで買い物中、私が仕事で急患の電話対応をしていた1分ほどの間に、キャスターつきの脚立に登っていた娘が頭から落下してしまい、頭蓋骨骨折の大けがをしてしまいました。
もちろん、この事故では私の目が離れたことは大きな原因で、とても後悔しています。 
ただ、「気を引き締める」「今まで以上に注意する」といった精神論だけではあまり意味がないのも確かだと思うのです。
事故予防においては、つい「意識を変える」という教育面に目が行きがちですが、それ以外に「変えられる環境や製品を変える」ということが重要だといわれています。

家なら危ないものは片づけてしまえばいいのですが、お店の物を勝手に片づけることはできません。これは環境面の問題になります。
子ども向け商品の売り場限定でもいいので、子どもが登ったり遊んだりすることも想定した安全な備品選びや配置を考えることも事故防止につながるのではないかと思います。

防げる事故から子どもを守るのは、親だけでなく社会の責任でもある

事故直後から「どうして夫は子どもを見ていてくれなかったのか」というモヤモヤがずっとありました。今回に限らず、「入浴後は湯船のお湯を抜く」「道路では必ず手をつなぐ」「ベランダの窓を開けておかない」など、子どもの安全に関するお願いを何度言っても夫は注意し忘れてしまうことが度々ありました。

「わが子が事故の当事者になるわけない」という楽観バイアスなのでしょうか。
息子が生まれてから4年以上、事故予防について冷静に説明したり、懇願したり、とさまざまな手段で当事者意識を持ってもらおうとしてきましたが、ほとんど変わらないという実体験から「意識を変える」という対策の限界を痛感しています。
父親は安全意識が低いと言いたいわけではありません。安全に関心のない母親や、非常に意識の高い父親も私のまわりにもいます。性別にかかわらず、子どもの事故予防や安全に関心の低い人に自分事として関心を持ってもらうのはなかなか至難の業だということです。

たまたま安全意識の低い保護者の下に生まれた子どもが、事故で傷つくリスクが高まるのはしかたないことでしょうか?
そんなはずはありません。
防げる事故から子どもを守るのは、社会の責任でもあります。そのために、子どもにとって安全な製品やサービス、しくみや法律を整えていくことも大切です。

子どもにけがをさせてしまった反省から考えること

たとえば、飲みこむと危険なボタン電池。誤飲を防ぐために、子どもが口に入れると苦くてすぐに吐き出すような苦みをつけた製品が開発されています。
高層階のベランダから転落しないように、転落防止ネットを設置してくれる業者もあります。
ヨーロッパの国々では、子どもが交通事故の犠牲にならないような信号機や道路構造の対策がされています。
安全を守るのは親だけでなく、子どもの未来に重大な影響が生じるようなことのないしくみづくりが世界でもどんどん進んでいます。

もちろん、おふろでの溺水など、目を離さないことが唯一の防止策となるような事故も存在します。そういった意味で「親が目を離さない」「親の安全意識を高める」ことは間違いなく大切です。ただ、それ以外にもできること、やるべきことがたくさんあることも知ってほしいと思います。
製品を選ぶときに「便利」「安い」「おしゃれ」以外にも「子どもにとって安全かどうか」という視点を持つことも重要です。

今回、自分の落ち度によって大切な子どもを命の危険にさらしてしまったことは、本当にショックで自分を責め続けています。
事故はだれにでも起こりうること。防げる事故を防ぐことは親個人の問題だけではなく、社会全体で考える必要があること。子どもが事故で傷つくことのない社会に向けて、何かの参考になれば幸いです。

文・監修/岡田百合香先生

構成/たまひよONLINE編集部

大切な子どもを守り育てるには、親だけでなく社会の環境面での対策も欠かせません。子どもの命を守るために、周囲を見回してみませんか。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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