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自身もADHDと診断され、発達障害の子どもとのつきあい方の本を書いた著者が語る「うちの子、発達障害かも?」と心配するよりも大事なこととは?

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注意のために泣いているアジアの空腹の少年は、彼を慰めようとしている両親を怒鳴ります。アジアのコンセプトにおける親
●写真はイメージです
twinsterphoto/gettyimages

2022年12月に発表された文部科学省の調査結果によると、小学校の通常学級に在籍する児童のうち、「学習面や行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数」は10.8%にのぼります。「自分の子どもはもしかして発達障害?」「それがわかったら何をすればいい?」と心配な人も少なくないかもしれません。
全国約75カ所で子ども向け体操教室を運営する「ネイス株式会社」代表・南友介さんは、自らもADHD(注意欠如・多動症)という発達障害である“強み”をいかして、児童発達支援、放課後等デイサービス事業なども手がけています。
多くの子どもに接してきた南さんに、子どもの発達障害との向き合い方について話を聞きました。

体操が「発達っ子」にもたらす効果とは?

――発達障害の子どもとのつきあい方を書いた『マンガでわかる!“発達っ子”が見ている世界』を出版した南さん。著書の中で発達障害の子どもを「発達っ子」と呼んでいます。どんな思いを込めているのでしょう?

南友介さん(以下敬称略) 僕自身、ADHDと診断されていますが、そもそもそれを障害とは思っていません。僕の考えでは、右利き、左利きの違いみたいなもので、多くの人は右利きだけど、左利きの人もいるというのと同じ感じだと思うんです。いわゆるマジョリティーがマイノリティーを定義づけているところがあるのではないかと思っています。マジョリティーの常識からズレているというだけで、決してその人がおかしいわけではありませんよね。「障害」という言葉がいいか悪いかは別として、その子自身やその子のママ・パパはそう呼ばれてうれしいとは思えないので、本を出すときに「発達っ子」と呼ぶことにしました。

――南さんは子どものころから体操に取り組まれてきましたが、もともと体を動かすことが好きだったのですか?

南 多動症の子どもは、家でじっとしていられないことが多いので、「やんちゃで落ち着きがない」とも言われがちです。ただ、体を動かすことがとても好きな子が多く、僕もそうでした。僕にとって、体操という習い事はとても合っていましたね。体を動かすのが好きだから練習をするし、練習をして上手になるとほめられてまた練習するので、どんどん上達していきました。

発達っ子にとっては、体を動かすことがストレス発散にもなりますし、体幹が鍛えられて姿勢の改善や集中力、バランス感覚の向上が期待できます。また体の多くの箇所を動かすので、脳も活性化します。たとえば鉄棒の逆上がりをするときには、「握る」「ぶら下がる」「足でキックする」「回る」といったさまざまな動作があります。一つの技で多くの動きができるのが体操をすることのメリットです。また、「跳び箱を跳べた」といったことは幼児でも理解できるので、「自分はできるんだ」という自己肯定感や自己効力感が育まれることも期待できます。心も体も育つので、体操はおすすめの習い事です。

――運営されている体操教室も、体だけでなく心の成長を大切にされていますね。

南 多くの子どもたちと接するなかで、人間の心は幼少期に形成されていくのだなということがわかったので、自分たちの体操教室を「心を育てる場」として考えています。子どもたちが「あそこに行きたい」「あそこに行ったら楽しい」と思えるような、学校でも家でもないサードプレイスとして、自分が好きな場所、安らげる場所にしたいと思っています。

中には音に過敏な子や、物に接触することが苦手な子もいるので、すべての子どもに体操が向いているとも限りません。突然走りだしてほかの子にぶつかるようなことがあると、大きなけがにもつながってしまいます。「お友だちと一緒に体操をするのは、まだ少し難しいかな」と感じたお子さまも中にはいらっしゃいました。そんなお子さまたちにもサードプレイスを提供したいという思いから始めたのが、児童発達支援、放課後等デイサービス事業となります。できるだけ多くの子どもに体操を経験してもらいたいので、安全に配慮した自社オリジナルの運動器具を使用し、運動療育に取り組んでいます。

正しく知ることで親の気持ちもラクになる

――著書『マンガでわかる!“発達っ子”が見ている世界』の出版後は、どんな反響がありましたか?

南 「これまで子どもに真逆の接し方をしていました」や、「子どもの視点だとこう見えているんだと知ると、気がラクになりました」といった感想が届きました。

――気がラクになれば、子どもへの接し方にも余裕が生まれそうです。

南 わが子に発達障害であることを知ったときに、悲しそうな顔をするママ・パパもいれば、「うちの子は発達障害ではない」と怒り出す方もいらっしゃいます。そういったケースでは、親子ともに苦しんでしまうことが多いので、僕としては、「発達障害は、全く悪いことではありません」とお伝えしたいです。なかなか言葉でお伝えすることは難しいため、書籍という形で発信することができてよかったなと思っています。発達障害について知っていただくことで、ママ・パパも子どもたちも、もっとラクになるのではないかという思いもありました。

――著書の中では、大人に見えている世界と、子どもに見えている世界をマンがで対比させていて、「言われてみればたしかにそうかも」という気づきの連続でした。

南 発達っ子の特徴を理解していないと、言うことを聞いてくれなくて「何度言ったらわかるの!」と怒ってしまうこともあると思います。でも子どもは、そもそも言われたことを忘れているから何度言ってもわからないんですね。そういった発達っ子側の視点について、もっと多くの人に知ってもらえたらうれしいですね。

こういう個性があってもいいかも! 前向きにとらえて

――「うちの子、発達障害かな?」と心配するママ・パパ、「発達障害とどう向き合ったらいいんだろう」と悩むママ・パパにメッセージをお願いします。

南 発達障害というのは、個性として素晴らしいことがたくさんあります。できないことがあっても気にせず、子どもと向き合うことが、その子の将来をよりよくするのではないかと思います。僕の両親も、僕ができないことがあっても「それでいいよ」と笑顔でいてくれたことで、僕は「このままでいいんだ」という自己肯定感を持つことができました。けがで体操選手を引退するなど大きな挫折も経験しましたが、今こうして、大好きな体操に携わる仕事を、自分のペースでできているので本当に恵まれていると思います。

――著書の監修を務めた脳科学者の茂木健一郎先生が、発達障害を「脳の個性」と呼んでいるように、その子の個性として考えると向き合い方もかわりそうです。

南 「うちの子は発達障害なんかじゃない」と否定し続けることが、子どもの心の成長を阻害する場合があり、ご両親が悩まれる原因にもなるかと思います。「認めることの勇気」というのは少し大げさかもしれませんが、「こういう個性があってもいいじゃない?」といった視点を持ってみるといいと思います。そして悩みがあったら一人で抱え込まずに、行政であったり、専門家であったり、いろんな方のお話を聞くということが、まずは第一歩なのかなと思います。


お話/南友介さん 取材・文/香川誠、たまひよONLINE編集部

発達障害については最近わかってきたことも多く、今の親世代が子どものころに受けてきた教育と今の教育は、大きく様変わりしていることも多いかもしれません。誤解していたり、そもそもまったく知らなかったりということも多いでしょう。しかし知らないことが多いと、不安やストレスも大きくなります。まずは子どもの個性について知ることで、その子が楽しく生活できるための発想も生まれやすくなるかもしれません。

●記事の内容は2023年4月の情報であり、現在と異なる場合があります。

南友介さん(みなみゆうすけ)

PROFILE
1980年生まれ、大阪府貝塚市出身。元体操選手。幼少期から体操に取り組み、日本体育大学へ進学。全日本体操選手権で銀メダルを獲得する活躍を見せるも、大けがを負い選手継続を断念。現在は、年間延べ80万人以上の子どもたちが通う“ココロ”の成長に特化した体操教室や発達支援の教室を全国に75店舗以上展開(2023年4月現在)。また、事業だけでなく、アスリートのセカンドキャリアや自身の発達障害(ADHD)から学んだ経験を多くの方に伝えるべく、講演や執筆活動にも力を入れている。

マンガでわかる!“発達っ子”が見ている世界

親の視点で見えている世界と、子どもの視点で見えている世界はまるで違う。これまで「どうしてこうなの」と子どもにイライラしていた人も、わかりやすい漫画で「なるほど」と納得する一冊。南友介著・茂木健一郎監修/1485円(青春出版社)

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