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ダウン症の赤ちゃんの症状と特徴、その原因

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ダウン症は、正式には「ダウン症候群」といい、染色体の異常が原因で起こる遺伝子疾患です。ダウン症の赤ちゃんには、知的な発達、運動機能の発達に遅れが見られ、また心臓や消化器に合併症がある場合があります。しかし、発達の遅れや合併症の有無とその程度は個人差がとても大きいのが実情です。

ダウン症の症状と原因

ダウン症候群(Down syndrome)は、23組46本の染色体のうち、21番目の染色体が1本多く存在し、計3本(トリソミー症)となることが原因で発症する先天性の疾患群のことです。21番目の染色体が原因であるため、「21トリソミー」と呼ばれることがあります。出生児1000人に1人の割合でダウン症の子どもが生まれ、母親の年齢が高くなればその頻度は高くなります。30歳の出産でおよそ950人に1人、35歳でおよそ300人に1人、40歳ではおよそ100人に1人となっています。この割合は、性別、人種、経済状況などに関係がなく、どの国でも同じです。かつて、ダウン症のある子どもは、短命であると言われていましたが、医療技術が進歩したことで、多くのダウン症患者の寿命は50〜60歳台までと長くなっています。

ダウン症の種類

23組の染色体のうち21番目の染色体が1本多くあることが原因です。この染色体の異常が発生する理由は3つあり、それによってダウン症も3つの型に分類されます。

標準型

精子、卵子が形成する時の染色体の不分離が原因で、ダウン症のおよそ95%を占めます。両親は正常な染色体の数を持っており、偶然、子どもの染色体に異常が起こったケースです。

転座型

遺伝性転座(3%): 21番染色体が他の染色体に付着。転座型の半分(全体の2%)は親が均衡型転座を保因します。転座型は両親のどちらかが均衡転座保因者であるため、遺伝カウンセリングを受ける必要があります。ダウン症の3~4%は、21番目の染色体の数は2本なのですが、2本のうちの1本がほかの染色体(14番など)に付着(転座)したパターンで、ダウン症全体の3%程度です。そのうち、半数は両親のいずれかが染色体の転座保因者です。

モザイク型

一部の細胞だけに21番目の染色体が3本見られるケースです。ダウン症全体の1〜2%です。受精後の卵分裂の過程で染色体が正常な細胞と、異常のある細胞とが混在しており(モザイク状態になっており)、標準型や転座型と比較すると障害は軽度の場合が多いとされています。
染色体の不分離、転座は21番目の染色体以外にも起こります。しかし、性染色体以外の1〜22番の常染色体には生命維持のための重要な遺伝情報が含まれるため、染色体異常の多くは流産や死産となり、出生しても長く生きられることはほとんどありません。ところが、常染色体の中でも最も小さな21番目の染色体の不分離、転座については、障害を残すけれども生まれてくる可能性が高くなります。それでも80%は流産や死産となり、出生するのは20%程度です。

ダウン症の赤ちゃんの特徴

ダウン症の赤ちゃんには身体の成長のペースが遅いこと、ダウン症共通の顔つきといった特徴があります。また、知的な発達の遅れも多くの場合に見られますが、その程度は個人によってさまざまです。

顔や身体の特徴

頭が小さい、鼻が小さい、眼尻が上がっているなどの顔の特徴があります。また、身体がやわらかく、低身長で、肥満傾向の子どもが多く見られます。

睡眠の特徴

ダウン症の赤ちゃんは筋力が乏しいため、疲れやすく、よく寝ると言われています。また、睡眠中、1時間に5回以上無呼吸(10秒以上息が止まる)状態が出現する睡眠時無呼吸症候群が頻繁に見られます。

合併症

ダウン症にはさまざまな合併症があります。
・先天性白内障、屈折異常(近視、遠視、乱視)、斜視などの目の異常
・難聴
・心疾患
・食道の閉鎖、十二指腸閉鎖、ヒルシュスプルング病などの先天性の消化器異常

そのほか

歩行を始めとする運動機能、言葉の獲得に遅れがあることがありますが、個人差が大きいです。青年期以降、うつ症状を示すケースもあります。また、40歳以降の若年期にアルツハイマー病が起きる確率が通常よりも高いとされています。

ダウン症の治療

ダウン症候群は染色体の異常を原因とする疾患のため、根本的な治療方法は今のところありません。そのため、さまざまな症状や合併症に対する対症療法が中心になります。また、ダウン症は出産後、早い段階で診断が下されることがほとんどですが、その後は、理学・作業・言語療法、身体の発達を促す体操など、それぞれの症状に合った早期療育(成長を促す治療と教育)が行われることになります。

ダウン症の赤ちゃんのために家族にできること

ダウン症の赤ちゃんが成長する中で、重要になってくるのが療育です。療育は、治療と教育を1つにした言葉で、1人ひとりの子どもがどのような苦手や困りごとを抱えているか、どのようなことを得意としているかを踏まえて、地域や学校など社会の中で生きていく力を身につけることです。療育の内容や進め方は、医師などの専門家と話し合いながら検討していくことになります。幼児期になると、保育所や幼稚園、療育施設などに通うことができますが、子どもの発達状況や障害の内容を見ながら、本人にとって望ましい環境を選んでいくことになります。ダウン症の子どもは周りの子どもができるようになっていることがなかなかできないなど、発達がゆっくりです。しかし、ゆっくりであっても、時間をかけて適切な療育を行うことで、できるようになることが増えていくことも事実です。ダウン症の子どもの家族には、子どもの成長を焦らずに見守ることがとても大切です。



ダウン症の診療の実際/監修者より

ダウン症は有名な疾患で、その顔の特徴や合併症から、出生後まもなく診断される症例がほとんどです。生まれて早い時期に診断がつくことが多いので、ご両親が動揺されることも多いです。また、これまでに述べてきたような合併症もありますので、小児循環器、小児外科、小児神経等の医療的な支援が必要な場合もあります。しかし、ダウン症の子どもたちは、社交的で明るい性格が特徴的ですので、毎日楽しく過ごしている方が多いことも事実です。また、音楽や絵画などの分野で才能を発揮する方もおいでになり、豊かな人生を送られている方もいらっしゃいます。日本でも、ダンスグループなど、さまざまな活動を通して、ダウン症の人たちが社会活動に参加していく団体が活動しています。

(取材・文/たまひよONLINE編集部) 

監修/星野恭子先生
昌仁醫修会 瀬川記念小児神経学クリニック理事長。瀬川小児神経学クリニック、国立病院機構南和歌山医療センター小児科などで瀬川病、トゥレット症候群、チック、レット症候群、重症筋無力症、自閉性障害、睡眠障害、てんかんなどに関する豊富な臨床経験を持つ。

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