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【プログラミング教育】小学校入学前に教えておきたいこととは?

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santypan/gettyimages

文部科学省は2020年に、公立小学校におけるプログラミング教育を必修にする方針を発表しています。また、IT分野に携わる人材の不足に対応するため、総務省は2025年までにIT人材を新たに100万人育成する」といった方針を発表。今後ますます注目が集まる「プログラミング教育」。小学校で学習する前に、慣れさせておきたいと考えるママ・パパも多いかもしれません。とはいえ、未就学児からの学習は可能なのでしょうか? 小学校入学前に知っておきたいプログラミングの手法、考え方などについて、ご自身も未就学のお子さんを持つ、明治大学准教授の五十嵐悠紀先生に聞きました。

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プログラミングに慣れるより大切な事

小学校でプログラミングが必修になる、と聞くと“どんなことを学ぶの?”“どういう準備をすればいい?”と不安に思う保護者の方もいるかもしれませんね。ただ、小学校のプログラミング教育で大切なことは、“プログラミング自体を学ぶこと”や“プログラムが書けるようなプログラマーを養成すること”ではありません。

むしろ、次世代を生き抜くために必要な能力、たとえば“自分で問題を見つける力”“必要な情報を選び活用する力”“他人と協力し、対話する力”“答えのない問題を解決していく力”を育成するために役立つことから、プログラミング教育が注目されたのです。

現在、すでにいろいろな小学校でおもしろい取り組みが行われています。国語や図工、総合学習の時間などの教科の中で、アプリやプログラミングを利用して創作活動や発表を行うといった、子どもたちに無理がないプログラミング教育が行われています。

小学校入学前に知っておきたい3つのこと

実際、3歳くらいから楽しみながら使えるプログラミングアプリは世の中にたくさんあります。お子さんが興味を持てばそうしたものを使って、親子で一緒にトライして楽しむのも悪くはないと思います。でも、大切なのは、小学校で出会うプログラミング教育を楽しむこと、そして最終的には、今挙げたような将来必要な能力を育むことです。そこで、私が自分の子どもたちに小学校入学前に知っていてほしいと意識して接していることは次の3つです。

人と違っても自分のよさを出すことの大切さ

何もかも人と違うことをしなさいというわけではないですが、人のことを気にしすぎて自分の考えを押し殺してしまうのはもったいないことですよね。人と違うことでも自分がそうだと思ったらやってみる勇気を持ってほしい、自分の世界を創造してみる楽しさを持っていてほしいということは、いつも伝えています。自分らしい新しい世界をつくり出し、それを気後れせず表現できるツールとしても、プログラミングは使えるのです。

知らないことを、知らないと言えること

大人になればなるほど、知らないことを知らないと言えなくなる場面も増えてきます。私は、父に “知らないことを知らないと言える大人になれ”と言われて育ちました。知ったかぶりをしてしまうのは、知らないことよりも恥ずかしいこと。その場で“わからないから教えて”と言えることはとても大切で、より多くのことを学べるきっかけにもなります。新しく出会うプログラミングの授業でも、わからないことはどんどん聞いて、知ってほしい。学びたいという意欲を持ち続けてほしい。私も自分自身の子育ての中で、知らないことを黙っているのではなく、知らないから教えてと言えるようにと、伝えています。

新しいことに挑戦してみたいと思う意欲

小学校でプログラミングに出会った時にも、それを面白いと思えることがいちばんの上達のコツです。未就学児のうちから、何事にも新しいことに挑戦してみたい、という意欲を育てることはできます。スポーツでも、ゲームでも、習い事でも、お手伝いでも。やったことがないからやらない、だけでなく、少しでもやってみることで、おもしろいと思えるかもしれない。やっている人の思いを理解できるかもしれない。そういう姿勢を、家庭で伝えていくことが大切だと思っています。

AI時代に生きる子どもたちが、将来どんなことを仕事にするのか、どんな能力が求められるかは、実際のところまだわかりません。プログラミングを含めたITを本当の意味で使いこなせるのは、五十嵐先生がいったような基本的な生きる力を育んだ人材なのかもしれません。今日から家庭でできることを、ぜひお子さんと話し合いながら、始めていきましょう。(取材・文/玉居子泰子、ひよこクラブ編集部)

監修/五十嵐悠紀先生
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 准教授
1982年生まれ。東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現職。専門はコンピュータグラフィックスおよびユーザインタフェース。子どもを対象としたITワークショップを多く開催する。2男1女の母。著書に『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55』(河出書房新社刊)他。

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