大学を卒業するまでに必要なお金は“これだけ!”
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幼稚園から大学卒業までの教育費の総額をご存じですか。すべて国公立の場合でも、1000万円以上は必要です。こうした金額を示されると「頭が痛い…」と感じるママ・パパもいるかもしれませんが、必要額を把握してコツコツ貯蓄していくことで、教育費の負担は軽減できます。そのポイントを、2人の女の子のママでもある、ファイナンシャルプランナー・鈴木さや子先生に聞きました。
大学を卒業するまでの学費は、最低でも1000万以上!
幼稚園から大学4年間の学費は、公立、私立で大きく異なります。また大学は進路によって学費に差が出ますが、最も高額なのは医学部の6年間で約3300万円! 音楽大学の学費も高額で約800~900万円。ほかにレッスン料や楽器の購入代、メンテナンス料などが必要になります。
ここでは幼稚園から大学4年間にかかる進路別学費の総額を紹介します。
進路別の学費総額はコレ!
●すべて国公立 1012万8716円
●幼稚園だけ私立 1089万1984円
●高校・大学(文系)だけ私立 1408万4185円
●幼稚園・高校・大学(理系)だけ私立 1555万2453円
●小学校だけ公立(大学は文系) 1739万3884円
●すべて私立(大学は文系) 2462万4339円
*幼稚園から高校までは、文部科学省「子どもの学習費調査(平成28年度)」、大学は日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(平成29年度)」より、FP鈴木さや子先生が作成。
FP鈴木さや子先生が教える! 教育費に行き詰まらない3つのポイント
子どもが高校、大学と教育費がかさむ時期になると、節約しても教育費に行き詰まる家庭は少なくありません。いざというときあわてないように、今から心得ておきたい3つのポイントを紹介します。
point1.家計にあった進路を考える
私立小学校や中学を受験する家庭は少なくありませんが、受験の場合は塾代などがかかることを心得ておきましょう。中学受験の場合は、小学4年生ごろから塾に通い出し、塾代の総額は約200万円に。そして私立中学でかかる学校教育費は、公立中学と比べ3年間で250万円以上も上回ります。中学受験でかかる塾代に余裕ある支出ができないと、私立中学進学は厳しいかもしれません。
大学入学前に貯蓄を切り崩すと、ママ・パパの老後資金にまで影響が出ることがあるので、受験を考える際は事前に家族で話し合い、家計に合った進路を考えることが大切です。
point2.大学費用として、子ども1人につき300万円は貯蓄を!
教育費は、公立、私立で大きく異なりますが、幼稚園から高校まで国公立の場合は、学費の総額は約540万円! これは家計内でやりくりすることが可能です。しかし大学費用の総額は、国立でも約472万円。私立文系では約692万円にも! 大学進学を希望する場合は、家計内でのやりくりだけでは難しいので、子ども1人につき大学費用として最低でも300万円を貯蓄しましょう。
point3.予想外の出費に備えて、できたら別途200万円を貯める
ママ・パパが幼稚園から大学まで、すべて国公立に進学させようと考えていても、子どもの将来はどうなるかわからないもの。子ども自身が私立高校の進学や留学を希望したり、大学浪人をしたり…と、予想外の出費は十分考えられます。そのため余裕があれば、大学費用としての300万円とは別に、子ども1人につき200万円を予備費として貯めておくと安心です。
比較的教育費の負担が少ない0歳~小学校時代は、毎月3万円。中学校時代は毎月2万円。教育費の負担が大きくなる高校時代は毎月5000円など、成長に合わせて貯蓄額を減らすように積み立てると、無理なく貯蓄ができるでしょう。もちろん児童手当も活用するのがおすすめです。
鈴木さや子先生が提案するように、大学費用として子ども1人につき300万円、予備費として別途200万円、合計500万円の貯蓄が必要というと「大きい金額だな」と考えるママ・パパもいるかもしれません。しかし、この金額は児童手当や子どものお年玉、2019年10月から始まる幼児教育無償化で浮いたお金などをきちんと貯蓄すれば、決して難しい額ではありません。子どもが0歳の場合、18歳までに一定金額で貯蓄しようとするならば、1ケ月約3万円・年間約36万円ずつの積み立てになります。なんだか貯められそうな気がしてきませんか? また「子どもがもう少し大きくなったら、働いて貯蓄していきたい!」と考えているママもいるかと思います。ライフスタイルを見直すときに、マネープランも一緒に見直してみましょう。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/鈴木さや子先生
ファイナンシャルプランナー。株式会社ライフヴェーラ代表。家計管理や資産形成、キャリアなど、主にママ・パパ向けに講演を行う。2人の女の子のママでもあります。
参考/ひよこクラブ2018年5月号付録「第2子 妊娠/出産/育児“こうすればうまくいく”見通しBOOK」より