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赤ちゃんが吐く原因と対処法、受診のタイミングと心配な病気をチェック

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ziggy_mars/gettyimages

赤ちゃんは胃の形状や機能が未発達なので、飲んだり食べたりしたものをすぐに吐いたりします。とはいえ、大量に吐いたり、頻繁に吐く場合は心配になりますよね。
赤ちゃんが吐く原因や心配な嘔吐(おうと)の見分け方、上手な対処法とホームケアのポイントなどを「かたおか小児科クリニック」院長の片岡正先生に教えていただきました。

コンテンツ
(1)赤ちゃんはどうして吐きやすいの?
(2)嘔吐から考えられる心配な病気とは?
(3)赤ちゃんが吐いたときの正しい対処法とチェックポイント
(4)月齢別・赤ちゃんが吐いたときの受診の目安
(5)吐いたあとのホームケアで「やるべきこと」&「やってはいけないこと」
(6)こんな嘔吐はどうしたらいい? 先輩ママたちの嘔吐Q&A

関連:“赤ちゃんが吐いた!”受診の目安は?考えられる病気は?

赤ちゃんはどうして吐きやすいの?

多くの赤ちゃんが日常的によく吐きますが、その頻度や原因は生後4ヶ月以内とそれ以降とでは多少異なります。それぞれの主な原因を知っておきましょう。

生後0〜4ヶ月の赤ちゃんに多い「溢乳(いつにゅう)」と「吐き戻し」

首がすわる生後4ヶ月くらいまでは、飲んだおっぱい・ミルクをよく吐きます。
赤ちゃんの胃はとっくりのような形をしていて、胃の中のものが逆流しやすくなっています。とくに低月齢の赤ちゃんほど胃の機能が未発達なので、母乳やミルクを飲んだあと、口の端からたらたらと吐くことがあります。これは「溢乳(いつにゅう)」と呼ばれるもので心配ありません。

授乳後にも、ゲップにつられてゲボッと大量に吐くことがあります。「吐き戻し」と呼ばれますが、赤ちゃんの胃は逆流しやすいので、ゲップとともに飲んだものが出てしまうのです。これも日常的によくあること。たくさん吐いても、そのあと赤ちゃんが機嫌よく過ごせて、いつもと様子が変わらなければ問題ありません。

生後5ヶ月以降は飲む量が多くなり、体を動かすことで吐くことも

首がすわる生後4ヶ月ころには、吐き戻しは落ち着くことが多いようですが、中には1歳を過ぎても吐き戻しをする子もいます。赤ちゃんの胃の形の影響で逆流しやすく、授乳のあと寝返りやはいはいなど体を動かすことで吐いてしまいます。さらに飲む量が多いと、余計に吐きやすくなるでしょう。
いずれにしても、体重が増えていて、元気に過ごせているなら心配ありません。成長とともに吐く量や回数は減っていきます。

嘔吐から考えられる心配な病気とは?

赤ちゃんの嘔吐(おうと)の多くは問題がありませんが、中には気をつけたほうがよい場合もあります。
生後5〜6ヶ月はお母さんからもらった免疫がなくなる時期であり、このころから感染症による嘔吐も多くなってきます。ママ・パパがチェックしておきたい、嘔吐から考えられる主な病気は以下のとおりです。

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)

飲んだり、食べたりしたものが胃から食道に逆流して吐いてしまいます。新生児期から見られる症状で、通常は9ヶ月から1歳ごろまでに自然に治まります。ただし、呼吸が「ゼーゼー」いう喘鳴(ぜんめい)や慢性的な咳(せき)、貧血、体重が増えないなどの症状が見られるときは、なんらかの体のトラブルが考えられますので、詳しい検査が必要です。

肥厚性幽門狹窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)

胃の出口にあたる幽門という部位の筋肉が異常に厚くなり、胃の出口が狭くなるため、おっぱいやミルクが逆流して吐いてしまいます。生後1ヶ月以内の、とくに男の子の赤ちゃんに多く見られる病気です。
生後2~3週間ごろから授乳後に吐くようになります。最初はたまに口の中にあふれる程度ですが、徐々に回数が増え、授乳直後に噴水のように勢いよく吐くようになります。
この病気の乳児は、体重が増えないか、減少する傾向にあるのが特徴です。体重が増えない、尿量が減る、ぐったりする、顔色が悪いなどの症状が現れたときは、すぐに受診しましょう。

腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)

腸の一部が腸の中にもぐり込んで重なってしまう病気です。生後6ヶ月くらいから1歳くらいまでに起こりやすい病気ですが、2〜3ヶ月から2歳くらいでも起きている例があるので注意が必要です。
ロタウイルスの予防接種後、10万人に1〜2人の割合で腸重積が発症しており、ロタウイルスの予防接種後はとくに赤ちゃんの様子をよく見ておく必要があります。

腸重積症になると顔色が急に青くなって激しく泣きだし、10〜30分間隔で火がついたように泣いたり、急に静かになったりする状態を繰り返します。嘔吐(おうと)を伴ったり、いちごジャムのような真っ赤な血便が出ることもあります。異常を感じたら、すぐに受診することが大切です。

ウイルス性胃腸炎(ウイルスせいいちょうえん)

冬になると乳幼児を中心に流行します。「ロタウイルス」「ノロウイルス」「アデノウイルス」などが胃腸に感染して起こる病気です。中でも重症化しやすいのが「ロタウイルス」によるものです。
症状は嘔吐から始まり、しだいに下痢が見られ、発熱することもあります。酸っぱいにおいがする米のとぎ汁のような白っぽい水のような便が、1日に何回も出るのが特徴です。

赤ちゃんが吐いたときの正しい対処法とチェックポイント

嘔吐したとき、吐いたものでのどを詰まらせないように、首すわり前の赤ちゃんは横向きに寝かせます。背中に丸めたバスタオルなどをあてると安定します。首すわり以降の赤ちゃんの場合は、吐きけが治まるまでたて抱きにします。
ガーゼで口のまわりと口の中をきれいにしたら、吐きけが治まるのを待ちます。落ち着いたら汚れた衣類を着替えさせましょう。
その上で受診すべきかどうか、以下のポイントをチェックしてください。

水分がとれるか、与えてみます

嘔吐が続いて水分がとれないと脱水症状の心配が出てきます。おっぱいやミルク、麦茶、湯冷ましなど、なんでもよいので少しずつ水分を与えてみます。まったく水分がとれない場合はすぐに受診します。

体温を測り、ほかの症状がないかを確認

体温を測り、元気があるか、食欲があるか、機嫌はいいかなど、全身の症状を確認します。また、発熱のほかに下痢、咳、鼻水、発疹などの症状がないかも確認します。

吐く様子や吐いたものの量を観察

授乳や離乳食、食事のあと、または遊んでいるときなど、いつどのような状況で吐いたのか、しっかり確認します。どんな色で、どんな内容物を何回くらい吐いたのかも確認します。

おむつやトイレでおしっこ・ウンチの状態を確認

おしっこやウンチが出ているか、下痢をしていないか、血便が出ていないかなど、おしっこ・ウンチの状態をチェックします。
激しい下痢が続く、水分がとれないまたは少量しかとれない状態でおしっこの色が濃い、回数が極端に減っているときは、脱水症状を起こしかけている可能性があります。すぐに受診しましょう。

月齢別・赤ちゃんが吐いたときの受診の目安

低月齢の赤ちゃんほど、吐いたあとに脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。以下のポイントを目安に受診しましょう。

■月齢×症状別 受診のタイミング

*画像クリックで拡大

受診の際に先生に伝えたいこと

デジタルカメラや携帯電話で吐いたものを写真に撮っておき、受診時に見せましょう。医師が目で確認することで診断がしやすくなります。さらに以下のことを先生に伝えられるよう、準備して行きましょう。

・吐いた回数
・どんな状態で吐いたか
・吐いたものの色・内容(透明か、緑色か)
・おしっこが出ているか
・最後に吐いた時間
・水分がとれているか

吐いたあとのホームケアで「やるべきこと」&「やってはいけないこと」

吐きけが治まったら、 少量の水分を何度も与えます

30分〜1時間は何も与えず様子を見ます。何も吐かなければ、脱水症状を防ぐために湯冷ましや麦茶、経口補水液(薬局などで買える「OS-1」など)を10〜15分おきに与え、少しずつ量を増やします。まだ麦茶などを飲んだことのない小さな赤ちゃんの場合は、普段飲んでいるおっぱいやミルクを少量与えましょう。

おっぱい・ミルクの再開は3分の1〜2分の1の量から

吐きけが治まってから1〜2時間たち、水分を与えても吐かなければ、おっぱいやミルクを通常の3分の1〜2分の1の量から与えます。ミルクの濃さは変えず、作り方の表記どおりにします。

離乳食や食事は様子を見ながら与えます

離乳食や食事はいったんお休みにします。吐きけが治まり、食欲が回復してきたら、食べられるものを様子を見ながら少しずつ与えましょう。

ゲップをさせてガスを出します

赤ちゃんの場合、お腹にガスがたまっているとゲップと一緒に吐くこともあります。普段から機嫌が悪い、お腹が張っているなどはガスがたまっているサインです。背中をトントンしてゲップをさせましょう。

吐きけが治まればおふろもOK

吐きけが治まればおふろに入れてもいいでしょう。下痢をしている場合は、おふろでおしりをきれいに洗ってあげましょう。機嫌が悪いようならシャワーでさっと洗うだけでも構いません。

これはNG! 吐いたときにやってはいけない5つのこと

■吐いたあと、あお向けに寝かせる
あお向けに寝かせると、吐いたものを気管に詰まらせる可能性があります。まだ吐きそうなときは、体を横に向けて寝かせるか、上半身をやや起こして誤嚥(ごえん)しないようにしましょう。

■吐いたあとすぐに水分や食べ物を与える
嘔吐すると脱水症状が心配になりますが、吐いた直後には飲ませたり食べさせたりしてはいけません。それが刺激となって、またすぐに吐いてしまうことがあります。

■吐きけが治まったあと、乳製品や柑橘類を与える
牛乳やヨーグルトなどの乳製品や柑橘(かんきつ)類の果物・果汁は吐きけを誘発しやすい食材です。すぐに与えず、しばらくはやめておきましょう。

■吐いたものや汚れた衣類を片づけない
吐いたもののにおいで、再び気持ちが悪くなって吐くこともあります。吐きけが落ち着いたところで、素早く着替えさせ、周囲の汚れものもすぐに片づけておきましょう。

■臨吐のケア後、手を清潔にしない
ウイルス性や細菌性の胃腸炎が原因で吐いていることもあります。ケアをしたあとは、手を石けんできれいに洗って、家族への感染を防ぎましょう。

こんな嘔吐はどうしたらいい? 先輩ママたちの嘔吐Q&A

吐き方も赤ちゃんの個性でいろいろ。先輩ママたちから寄せられた「吐く」お悩みをご紹介します。

Q 飲ませた量よりたくさん吐く!

2~3日前から、ミルクを飲ませた量よりたくさん吐きます。吐いたあとはいつもどおりなのですが、気になります。

A
吐くときはお腹の中にあるものを、だいたい全部吐くものです。おなかの中にたくさんあるときに吐けばいっぱい吐をますし、おなかにあまり入っていないときは胃液が少し吐くだけのこともあります。たくさん吐いたから危険、ということはありません。吐いたあともそれほど機嫌が悪くないなら大丈夫でしょう。ただし、長い期間吐くのが続くときは、体重を量って、順調に体重が増えているか確認してください。吐いていてもちゃんと体重が増えているなら問題はありません。逆に、体重が増えていない場合は小児科を受診しましょう。

Q 赤ちゃんがむせないように搾乳してるのですが…

もうすぐ2ヶ月になる女の子のママです。完全母乳ですが、母乳を飲むとむせて吐くことがあります。「母乳の出がいいと、むせることがある」と聞いたので、与える前に少し絞っています。吐いたあとでも機嫌はよく、また母乳を飲み始めますが、むせているときはすごく苦しそうです。絞る以外に、赤ちゃんがむせないようにする方法はありますか?

A
ママの言うとおり、母乳の出がとてもいいのだと思います。授乳前に少し搾乳しているということですが、それに反応して母乳が勢いよく出ているところに飲ませている可能性があります。そのためにむせているのかもしれないので、絞らずに与えてみてはどうでしょう。また、赤ちゃんの体を起こしぎみにして飲ませると、飲みやすいので試してみてください。

Q 寝返りのたびに吐くんです

5ヶ月半ばになり、最近目を離すとコロコロ寝返りをします。そのたびに苦しくなって吐いたりします。はいはいの練習として、少しうつ伏せ状態のままにしたいと思うのですが、吐くのが気になってあお向けに戻しています。そうすると発育が遅れたりしますか? 吐いてもうつ伏せのままのほうがよいのでしょうか?

A
今は寝返りをしたい時期なのでしょう。赤ちゃんがしたいように、うつ伏せ(腹ばい)状態のままにしてあげてください。お腹を圧迫すると赤ちゃんは吐きやすいですが、機嫌がよく、体重が増えているなら、少しぐらい吐いても心配ありません。練習などしなくても赤ちゃんはその子のペースで発達しますから、安全な場所を用意して見守ってあげましょう。

Q 口からではなく鼻から吐く!

6ヶ月の男の子です。たまにミルクや母乳を吐くのですが、口からではなく鼻から出します。出るものはドロドロになったものなので、息ができなくて苦しいのかパニックになって大泣きします。これから離乳食を始める予定ですが、また鼻から出して窒息してしまうのではないかと心配です。新生児はよく鼻からミルクが出る場合があると本にはありますが、6ヶ月になっても鼻から出るのは、鼻がおかしいのでしょうか。

A
ミルクのような液体を戻すと、のどから鼻へ抜けてしまい、鼻から出ることがあります。決しておかしいことではありません。離乳食を吐く場合は、吐いたものがのどから鼻へは通りませんので、鼻から吐くことはありません。鼻からミルクを吐くと、赤ちゃんは一瞬苦しいと思います。大泣きするということは、呼吸ができている証拠です。心配せずに見守ってあげてください。

Q 1歳なのにいまだに吐くのは病気?

1才0ヶ月の娘です。生後から授乳でよく吐く子でした。「体重も増えているし、心配ない」とのことでしたが、いまだにおっぱいをあげている最中に嘔吐するし、離乳食も吐くことがあります。身長は76cmで体重11kg。よく吐くので、お出かけもお泊まりも憂うつです。何か病気ですか?

A
1歳で11kgという体重だと、太めちゃんですね。授乳中や食事中に吐くのは、飲みすぎ・食べすぎかもしれません。授乳と食事のそれぞれ1回量を減らしてみてはどうでしょう。はいはい時期に吐き癖がある子も多いですが、その場合は1歳過ぎごろから吐かなくなります。

Q&Aは全て「たまひよプレミアム」より転載。他のQ&Aを見るにはこちらをクリック

赤ちゃんは頻繁に吐くものですが、受診の目安やタイミングを知っておくとあわあてずに済みますね。とくに「診察時間内に受診すればよいケース」と「診察時間外でも受診しほうがよいケース」の違いをよくチェックしておくと、適切に対応できて安心です。
(取材・文/かきの木のりみ)

関連:突然の吐き戻し、うんちが違う…赤ちゃんに異変があったときに心配なおなかの病気4つ

■監修/片岡正 先生(かたおか小児科クリニック院長)
東京大学医学部小児科、都立府中病院小児科、日本赤十字社医療センター小児科などを経て、1996年に神奈川県川崎市にて「かたおか小児科クリニック」を開設。
NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」理事。

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