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【医師監修】お風呂の浴槽で赤ちゃんが溺れた!子どもが溺水したときの応急処置・水の事故を防ぐ対策

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子どもの安全を守るのは、ママ・パパの役割。ちょっとした油断が大きなケガや命を失うことにつながってしまうことがあります。
ここでは赤ちゃんのよくある事故・ケガの中で、「溺水、水の事故」がどんなケースで起こるか、万が一起こった時の応急処置の方法を覚えておくといいでしょう。
また赤ちゃんが溺れないよう、事前に生活環境を整えたり、事故防止策を立てておくことが大切です。

水の事故「溺水」小さな子どもは、わずかな水でも溺れます

水の事故は海やプールで起こるとは限りません。水の事故のうち、1歳代の約9割、2~4歳代までの約5割は家の中で起きています。小さな子どもは足腰がしっかりしておらず、体のバランスをとることが下手なので、顔が水につかったときにすぐに体勢を直すことができません。
そのため、鼻と口を覆うだけの水があれば、数cmの水位でもおぼれてしまいます。水の事故は浴室、トイレ、洗濯機、洗面器の水、ペットの水槽などで起こります。家の中での事故防止を徹底しましょう。

戸外での水の事故が増えるのは、行動が活発になる3歳ごろからです。子どもは体と比較して頭が大きいため、池や用水路をのぞき込んで遊んでいるときなどに、バランスを崩して落ちてしまいがちです。
水辺に行くときは、ライフジャケットを着用し、絶対に目を離さないようにしましょう。

赤ちゃんの水の事故は浴室で多く起こっている


子どもが5分以上水中にいると、
(1)心肺停止
(2)呼吸停止と昏睡
(3)動脈の血液が酸性に傾く
の3つの条件がそろいやすくなり、高い確率で死亡します。

赤ちゃんの場合、水の事故の多くは浴室で起こっています。浴槽に残し湯をしない、浴室で遊ばせない、浴室に1人にしない、などの注意が必要です。
ママが自分の頭を洗っているときに、浴槽に入っていた赤ちゃんが足をすべらせておぼれたり、パパが酔っ払って居眠りをしている間におぼれさせてしまうなど、浴室での事故は大人が一緒のときにも起こります。

溺れたときの症状

・顔が青くなる
・意識・脈拍・呼吸がなくなる

水の事故「溺水」しやすい月齢・年齢や季節

生後10ヶ月〜

通年(春・夏・秋・冬)

水の事故「溺水」が起こりやすいケース

赤ちゃんや小さい子どもが溺れる水の事故「溺水」が、どんなケースで起こるか解説します。

出入り自由なお風呂の浴槽の残し湯で


浴槽のふちの高さが50cm以下だと、湯船に頭から転落したり、風呂のふたの上で遊んでいて転落することがあります。

好奇心で洗濯機の中をのぞいて

洗濯かごなどを踏み台にして、洗濯機の中をのぞき込んだときにバランスを崩して転落することがあります。

家庭用のビニールプールの中で遊んでいて


ビニールプールで遊ばせているとき、ママが飲み物を取りに行くなどして、その場を離れた間に足をすべらせて顔を水につけてしまうこともあります。

近所の池や用水路で遊んでいて


池や用水路は遊び慣れた場所であっても、危険な場所です。
ライフジャケットを着用させ、絶対目を離さないようにしましょう。

意識がないときはすぐに救命処置を行います


水に溺れたときは、まず大声で周囲に助けを呼び、すぐに救急車を呼んでもらい、その間は救命処置を行います(意識がない場合)。
自分1人しかいないときは、まず心肺蘇生を行ってから、救急車を呼び、到着を待つ間も救命処置を続けます。

119番・すぐに救急車を呼ぶ場合の判断基準

【1】 意識や呼吸が戻らない
【2】 心肺停止状態

溺れたときはできるだけ速やかに病院へ

【1】3分以上おぼれ、かなりの水を飲んだ
【2】安静にしたあと、せきが続く
【3】呼吸が止まる時間帯があった
【4】意識がもうろうとしている
【5】安静にしたあと、体を突っ張る
【6】顔色が悪くなる
【7】息苦しそうにしている

NG!溺れたときにやってはいけないこと

子どもや赤ちゃんが溺れたときに、やってはいけないことを覚えておきましょう。

【×】意識がないときに水を吐かせる

意識がないときに水を吐かせると、水が気管に入って危険です。飲んだ水は呼吸が戻れば自然に吐き出されます。

【×】体をぬれたままにしておく

体がぬれて冷えると、体力が奪われます。意識や呼吸の回復が見られたら、タオルなどでふき、体を包んで保温します。

【×】救急車が来るまで何もしない

到着前に救命処置をするかどうかで生存率に差が出ます。見よう見まねでも、心肺蘇生をすぐに試してみます。

【×】無理に水を吐かせる

おなかに入った水を無理に吐かせると、胃の内容物が逆流して気管に詰まって悪化させることもあります。無理に吐かせるのはやめましょう。

赤ちゃんが溺れたときの応急処置

子どもや赤ちゃんが溺れたときの応急処置の方法を覚えておきましょう。

【1】 意識を確認する


水から引き上げてぐったりしていたら寝かせ、肩をたたいて名前を呼びます。3回繰り返してまったく反応がない場合は、意識がないと判断します。体や頭は揺さぶらないようにします。

【2】意識がない時は心肺蘇生を行う

周囲に助けを求め119番に電話をして救急車を呼びます。
救急車が到着するまで心肺蘇生を試みます。

【2】意識がある時は回復体位をとって安静にします


頭をややそらせて、顔を横向きにして寝かせます。無意識に寝返らないように、ひざを曲げさせ、下になった手を前に出しておきます。(回復体位

今日からできる水の事故「溺水」予防&対策をチェック!

□おふろ場やトイレに子どもを1人で入れない

□2歳になるまではおふろの残し湯はやめる

□洗濯機のそばに踏み台になるものを置かない

□水遊びをするときは、保護者の手が届く範囲で泳がせる

□川や海で遊ぶときはライフジャケットをつけさせる

□水辺を散歩するときもライフジャケットをつけさせる

□心肺蘇生法を身につけておく

監修/【小児科医】山中龍宏 先生

●イラスト/がみ

※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。

初回公開日 2019/05/16

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