子どもの居場所がない!共働きの「小学生の夏休み」は事前の準備&予約が肝
7月から始まる夏休み。でも共働き家庭にとって、長期の休みは心配ごとが増える時期でもあります。早めに情報収集や準備をしておかないと、計画すらたてられないことも。子どもが安心して楽しく過ごせるよう、皆さんどんな工夫をしているのでしょう。『ウィメンズパーク』のママたちの実例紹介とともに、小学校教諭歴22年で教育者の育成に携わる鈴木邦明先生に、それらの工夫が子どもにどんなメリットをもたらすかをお聞きしました。
先輩ママの「小学生の夏休み」乗り切り術
共働き家庭の子どもなら、基本的に学童保育(以下、学童)で過ごすのがメインになるのではないでしょうか。
夏休み期間は人数が減って「子どもがつまらなそう」という悩みや、学年が上がるにつれて、学童には行きたがらず子ども同士で遊びたがる傾向も。子どもの自由を考えつつ、でも安全に過ごすために、先輩ママはどうしているのでしょう。
子どもだけで参加できるイベントをあれこれ利用
「我が家では、YMCAなどのサマーキャンプへ参加させたり、スイミングの短期講座や塾の夏期講習を利用していました。
特にサマーキャンプは1週間から30日くらいまでいろいろな期間のものがあるので、調べて毎年利用していました。子どもだけで参加させることに最初は不安もありましたが、帰宅後は一回り成長して帰ってくるので親子ともどもいい経験でした」
習い事も組みあわせて楽しさアップ
「学童を中心に、習い事も組みあわせて、月曜から金曜の夕方まで退屈しないようにしていました。子どもの学校では送迎つきの民間学童を利用している人もたくさんいるようです」
送迎のない民間学童でも送迎方法はいろいろある
「送迎のある民間学童があれば一番安心ですが、送迎がない場合も。そんな時は子ども対象の送迎タクシーなどを探してみても。地域によっては、割安でやっているところもあるようです」
塾の夏期講習を利用。自習室で快適
「夏休みは塾の夏期講習を利用するのも手です。お弁当を持っていき、朝9時くらいから夕方まで毎日授業があります。自習室利用ができる塾も多いです」
短時間ファミサポさんに来てもらうことで安心を確保
「学童は利用できますが、夏休み中は通って来る子は少数だそう。かといって、民間の学童は定員いっぱいのところばかり。そこでお昼前後の2時間くらい、ファミリーサポートさんに来てもらうことを考えています。お友だちと一緒に夏期講習へ行くことも検討中。コンビニ弁当を持って通っている子もいるので、それもアリかと思っています」
親ができないことはプロに任せてもいい。夏ならではの体験を
小学校教諭歴の長い鈴木邦明さんは、夏は夏ならではの経験ができる貴重な機会だと指摘します。
(鈴木先生)……「キャンプなどの自然体験は夏休みなどの長期休暇だからこそできる体験です。日帰りのデイキャンプから長期的なものまであり、その期間は親も留守番の心配をしなくてよいのもメリット。親が自分で準備して、キャンプやその他の自然体験を子どもにさせるのは様々な面で大変なので、プロにお任せするのはいい選択肢ですね。
習い事をさせるのも、とても良いアイデア。専門家に教えてもらうことで子どものスキルアップにもつながります。水泳教室など、夏休みだけ特別にコースが設定されていますね。集中してトレーニングができるので、上達が望めます」
みんな、いつから留守番させている?
学年が上がるにつれ、子どもが留守番する機会も出てくるでしょう。子どもによっては、家で1人で過ごしたほうが落ち着くという家庭も。留守番に関する体験談も聞いてみましょう。
家でやるべきことと出かけていい時間帯を決める
「留守番がそろそろ可能かどうかは、その子どもによると思います。お昼ご飯を1人で食べられるか。これがクリアできないと厳しいです。うちの子は3年生ですが、上級生の家庭に聞いたところ、朝は宿題や家庭学習を終えたらゲームをしていいことにして、出かけるのは昼食を食べて13時をすぎてからにしているのだそうです。我が家も、そんな感じで留守番させていこうと思っています」
よその家では遊ばない。外遊びが基本
「うちは兄弟で留守番しています。午前は9時から学習タイム、10時から友だちと外遊び。12時に昼食で、13時からまた友だちと外遊びか市民プールへ行き、17時半までに帰宅というのがルールです。親がいても、よその家にお邪魔するのは基本的に禁止しています。なぜかというと、うちが不在なのでお友だちを呼べないからです。
親同士が知りあいで事前に先方からお誘いがあったり、親同士の取り決めがあって、我が家には呼べないことを了解してもらっている場合だけ、許可しています」
子ども同士の家の行き来には特に気を遣う必要が
(鈴木先生)……「夏休みだけではありませんが、親が家にいない時の友だちの家への訪問は、きちんとしたルールづくりが必要。家に置いてあったお金や貴重品が無くなってしまったり、インターネットで不適切なものを見ていたなどの問題がよく起こっています。インターネットは良い部分もたくさんありますが、危険な部分もあるもの。子どもに不適切なものは見せないようフィルターをかけるのは当然としても、それだけでは防げないという認識が親には必要です。親子や知りあいの親同士で、ルールについて考えていくことが大切です」
働くママやパパの実践例は、専門家から見ても、いろいろとメリットがあるオススメの方法のようですね。ただ、民間学童もキャンプも、人気のものは早めに予約が埋まってしまうよう。夏前にいろいろとリサーチしておくと安心ですね。
(文:橋本真理子)
鈴木邦明さん
帝京平成大学講師、小田原短期大学特任講師。神奈川県や埼玉県の公立小学校に22年勤めた後、大学での講義を中心に、保護者向けに子育て・教育、教員向けに授業方法・学級経営などのテーマで執筆、講演などを行う。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。