子どもが「世界って素晴らしいんだ」と身近な自然の美しさに気づける絵本
人間関係につかれた時にふっと、道で出会った花を見て、暖かい気持ちになったことはありませんか?小さな花や、小さな生き物達は、森や山奥にいかなくても、私達の身近にいっぱいいます。絵本作家の加藤 志異さんにおすすめの絵本を紹介してもらいました。
加藤 志異 絵本作家 絵本の作に『とりかえちゃん』(絵:本秀康/文溪堂)『ぐるぐるぐるぽん』(絵:竹内通雅/文溪堂)『なかなおり』(作 カピリナ・加藤志異と古沢たつおのユニット/朝日学生新聞社)などがある。
あなたのそばにある、自然の輝きと、生きることの素晴らしさを感じられる絵本5冊
これからご紹介する絵本を読めば、子どもと一緒に、身近な自然の美しさを感じることができます。そして人間社会より、もっと広い世界の素晴らしさに気づけると思います。
他の生き物から見ると、世界はこんなに違うんだ!
夏休みのある日、昼下がりのひょうたんいけが舞台です。ほのぼのとした、平和な日常。でも同じ時間、同じ場所で、たくさんの生き物が、一生懸命生きているのです。すぐそばにいるのに、僕から見るのと、他の生き物から見るのでは、まるで別世界。
木の上のもずと、地上の小動物では、見えているものが、ぜんぜん違います。 絵本を読んだ後、ママから見ると、どうかな?パパから見るとどうかな?
ペットのネコちゃんにはどう見えるかな?と家族で、想像しあうのも楽しいと思います。
なつかしくて、涙がでそうになる絵本
夏休みにだいちゃんは、海の近くに住むいとこのこうちゃんの家に行きます。1918年に生まれた太田大八さんが子ども時代をすごした、長崎県大村町の風景が描かれているそうです。長崎県出身者でなくても、この絵本を読むと懐かしさを感じられるのではないでしょうか。
海の色は複雑で、どんどん変化して、輝き続けます。
「ああ、きれいだなあ」と、絵本を読んでいると自然に声がでてしまいそうです。日常って、こんなに美しいんだと、しみじみ感じてしまいます。幼児や小学生だけでなく、何歳になっても楽しめて、懐かしく感じられる、まさに名作といえる絵本です。
街のあちこちで、小さな花を見つけよう
街を歩いていて、どうしてこんなところにあるんだろうという不思議な場所で、ちいさな花を見つけたことはありませんか。
それは小さな小さなじっちょりんがお花の種を植えているのかもしれません。絵本を読んだあと、街を歩くと、小さな花を探したくなってきます。
いそがしい毎日が続くと、余裕がなくなって、周りが見えなくなってきます。そんな時にこの絵本を読めば、ゆったりと暖かい気持ちで、小さな花を探してみようという気持ちになれます。花のそばには、じっちょりんが隠れているかもしれません。
豆ってこんなに面白い
そらまめくんは、「くものようにふわふわで、わたのようにやわらかい」ベッドをある日なくしてしまいます。そらまめくんが宝物のベッドを探すお話です。
そらまめくんのベッドとは、豆の殻のことなのですが、ベッドに見立てるというアイデアが素晴らしいです。そらまめくんだけでなく、えだまめくんやグリーンピースの兄弟やさやえんどうさんやピーナッツくんも出てくるのですが、それぞれのベッド(殻)の違いがまた楽しい。普段なにげなく食べている豆がとっても可愛く、愛おしいものに見えてきます。子ども達に大人気の絵本です。
窓を開けたら出会える、世界の素晴らしさ
朝になったら窓を開ける。ただそれだけで、何かを変えることができる絵本です。部屋の中に閉じこもっていると、どんどん気持ちが落ち込んで、ネガティヴになってしまうことはありませんか?そんな時に窓を開けてみると、山や川や空が見えます。ただそれだけで、生きていることの素晴らしさに気づけるのです。荒井良二さんが描く景色は鮮やかで、いつまでも、いつまでも、見ていたいという、気持ちにさせられます。世界の素晴らしさに出会える、すごい絵本です。
まとめ
絵本で身近な自然の素晴らしさにふれた後は、お子さんと一緒に外にでて、花や小動物を探しに行くのもいいかもしれませんね。