3児のママ料理講師が教える! 親子で「楽」する時短料理
平成から令和へと、新時代へ突入した1年もあと1か月。なにかと忙しい師走がやってきますね。ただでさえ家事や育児でバタバタと過ぎていく1日ですが、中でも毎日の献立を考えたり、子どもがぐずる中での夕飯作りは、子育てママにとって悩みの種。
3人の未就学児を育てる 料理教室講師の露崎奈津子さんに日々のご飯づくりを「楽」で「時短」にできる、アイデアを教えてもらいました。
露崎奈津子/料理教室講師
料理教室「なつやすみ 」
東京都小平市にて料理教室を開講中。親子・子ども向けのレッスンや、意外と知らない料理の基本が学べる家庭料理のグループレッスン、オーダーメイドで学べる個人レッスン、お魚をさばくレッスン等を行っている。自身も1・3・6歳の3児の母。
シンプルイズベスト!夕飯30分前から考える今夜のメニュー
1歳・3歳・6歳の3人を育てている夕飯作りは、お気に入りのテレビを見ている5時過ぎからがスタート!
いつも約30分でバタバタと準備していますが、毎日なんとかテーブルに食事を並べているような感じです。
時短というとアイデアとしてよく挙がるのが「作り置き」や「ストック野菜」ですが、そのために早朝早起きする体力や、なにかと予定が入る土日に用意する時間なんてない!のが本音……。
30分で夕飯作りをシンプルにするために決めているマイルールをご紹介したいと思います。
1食はワンプレートで!メイン・サブ・汁物の3種類で組み合わせる
我が家の食器は、洗い物を増やしたくないので基本はワンプレート。仕切りがあって、レンジや食洗機対応のものを使っています。
そして、基本は肉や魚などを盛り込んだメイン、野菜またはフルーツが摂れるようなサブおかず、それとかぶらないような具材を使った汁物の3品しか作りません。
かつ、1品当たりの食材は2種類程度。
メインが魚で少しボリュームが少なければ汁物には豆腐を使うなどトータルで考えること。
そして、使う食材の色が極力かぶらないように、ほうれん草を使ったらコーン、ゴボウを使ったら人参、大根を使ったらきのこ、じゃがいもを使ったらハム、など、彩りの違いで使う食材を考えることを心がけています。
一見難しそうですが、意外と選択肢が狭まって冷蔵庫の中から使う食材を決めやすいんですよ。
コンロ・オーブン・トースター等、複数の調理方法で同時進行
家にあるコンロの数は限られているので、一度に作れる品数がどうしても制限されますよね。
また、よく話に挙がるのが、焼く・煮るなど調理パターンが限られてしまって毎日の食事にメリハリがなくなってしまうということ。
そこで実践しているのが、オーブンやグリル、トースターなどを利用して、できる限り複数の調理法を組み合わせる方法です
具体的には、野菜のソテーを作っている間にグラタンを焼いたり、グリルで魚を焼いている間に味噌汁を作ってトースターで野菜を焼いて……といった感じです。
タイマーが使えるのも、うっかりしすぎない便利ポイントですよね。
もちろん、トマトやきゅうりを洗って切るだけ、冷凍食品を温めるだけも立派な1品として活用しています。
専門家おすすめ★時短に役立つストック食材&調味料と調理グッズ
時短料理は、とにかく「たくさん使わないこと」。使う調味料や調理器具がシンプルであればあるほど楽チンできるんです。
料理の専門家がオススメする、時短に役立つ食材や調味料、調理グッズをご紹介します!
これだけあればなんとかなる食材&調味料
1・キャンディチーズ
最初から元も子もない感じですが、夕飯完成まで待てないとき・なにか1品足したいとき・とにかく作る元気がないときに大活躍する我が家の常備品です!
餃子の皮で包んで揚げたり、ハンバーグの種に入れたり、サラダの具にしたりといったアレンジも色々できて便利です。
2.オイスターソース
めんつゆ・塩こうじ・白だしなど、なんでもこれ1つで完成させちゃう調味料が流行っていますが、我が家で大活躍するのはオイスターソースです。
とにかく旨味が強いので少し使うだけであっという間に味を引き立ててくれる1本。
スープに少し入れて出汁代わりにもなるし、もちろん炒め物もこれ1つでOK。ちょっと味を変えたいときも他の調味料とも合わせやすい点が気に入っています。
3.塩
当たり前の調味料ですが、他にどの調味料がなくなっても塩さえあればなんとかなる、というのが持論の万能調味料です。
塩味だけでなく、野菜の甘味や肉の旨味を引き立てたり、煮物にも焼き物にもなんでも使えるし、何より食材の味そのものが楽しめるので子どもの食事にとってもベスト。
中でも「天然塩」はミネラルが多く含まれ、料理の味に深みを出してくれます。
時短に役立つオススメ調理グッズ
1. トースター
とにかく我が家で大活躍の家電です。
冷凍やお惣菜の揚げ物を温めるのも電子レンジより美味しいし、アルミホイルを敷いて野菜や魚を焼くこともできるし、ピザやグラタンもオーブンより短時間で作れちゃうんです。洗い物もほとんど出ないのもオススメポイントです。
2. キッチンバサミ
料理教室の生徒さんを見ていても、料理で一番時間がかかるのは、食材を切るということ。そんなときに役立つのがキッチンバサミ。下ごしらえ時に細かく刻むのではなく、大きめに切っておいて、食べる前にキッチンバサミを使って細かくするのが我が家の時短術です。
調理したものを食べるときに切れば月齢・年齢によっての調節もしやすく、成長してくると子ども自身でも切れるようになるので、事前の手間を減らすことができます。
あまり重たいハサミだと細かく切りにくかったり子どもが持ちにくいので、小さめのものが使いやすいです。もちろん、下ごしらえの時でも、肉や魚などをキッチンバサミで切れば、その分余分な洗い物をせずにすぐに調理に取り掛かれるので楽ちんですよ。
たまには親子で♪一石何鳥にもなるごはん作り
子どもがぐずってなかなか夕飯作りが進まない…
子どもの遊び相手をして、そのあと家事をして、とそれぞれ別にして考えると大変…
そんなときは、子どもと一緒に料理をしてみるのも1つの手です。
家事と育児の時間がセットになるだけでなく、色んなお得ポイントがあるんですよ。
料理を「遊び」の1つにしちゃおう♪
我が子も、1歳半ごろから台所に来ていたので、トマトのヘタを取ったり玉ねぎの皮をむいてもらったりして、そっちに気が向いているうちに自分は野菜を切ったりして時間短縮していました。
また、ステーキナイフがあると、子ども1人でもハムや水菜など柔らかい食材は切ることができるので、おままごと感覚でお料理してもらえます。
そしてもう1つ、我が家はIHコンロなので、鍋の熱くなる部分や危険な点を説明して理解
できる2~3歳頃から、炒め物などお手伝いしてもらっています。
ガスコンロの方も、比較的手ごろな値段で卓上IHが買えて鍋物のときなどにも重宝するので家に1台あると便利かもしれません。
盛り付けだけでも立派な料理!自分でやった感を演出しよう
子どもにも料理をやらせたいけど、心と時間の余裕がなかったり、なにをやらせてあげたらいいか分からない、といったママの声もよく聞きます。
そんなときは、盛り付けをやってもらうだけでも十分!
フライパンやボウルにトングを添えて子ども自身に取り分けてもらうと、自分で選ぶビュッフェのような楽しみが生まれたり、よそった分は食べよう!という気持ちが芽生えますし、ママの手間も省けます。
また、ハムやスライスチーズを型抜きしてトッピングするのを子どもにやってもらうのだけでも、自分が料理をしたという感覚が演出できるので、いつもより食べてくれるなんて嬉しいポイントも増えたりします。
毎日大変なご飯づくりも、シンプルなルールを決めるだけで手軽に「時短」になります。
ちょっとした調味料や調理グッズを活用したり、ときにはお子さんと一緒に、ママ自身も楽しく料理をしてみてくださいね!